炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【オリジナル】聖魔戦記シュ・ヴェルト

Chapter:2/Scene:1

「世界の裏側…?」 「ああ~ブラジルですね?」 「…お姉ちゃん、流石にそれはないと思う…」 え~でもでも、日本の裏側ってブラジルよね~? などと末の妹に尋ねる朝子をスルーして、紙とペンを持ってきた通之介が、大きく円を描いた。 「俺が言った“裏側”っ…

Chapter:2/プロローグ

『本日朝7時ごろ、突然剣菱市内に現れた巨大な骸骨のような生物と、その直後に巨大な甲冑のようなものが出現し、市立高校のグラウンドで暴れるという事件が起こりました。その後甲冑が骸骨を倒すと、甲冑は煙のように消えたとされ―――』 一日中、ほとんど同…

Chapter:1/Scene:7

空を飛ぶシュ・ヴェルト。 その巨体がグラウンド上空にさしかかるころ、その腕を振るい、抱えていたボーンゴーレムを投げ落とす。 「……よし、この広さなら」 降り立ったグラウンドは、高校のものとしては広すぎるほどであった。まひる曰く、運動部に力を入れ…

Chapter:1/Scene:6

「―――なに、これ?」 力を貸して欲しい、そう言った通之介が指差した先をまひるが見ると、目の前で分厚いハードカバーの本がぷかぷかと浮いていた。 表紙に何かタイトルのようなものが刻まれていたが、見たこともない文字で描かれたそれは、まひるのは読めよ…

Chapter:1/Scene:5

「くそ…勝手が違いすぎる……」 肩で息をしながら、通之介が呟く。 「前に“一人”で乗った時だって、ここまではキツくなかったハズだぜ…?」 やはり、向こうとこっちでは環境が違うのか。そう思い、一人冷や汗と脂汗を同時に流す。 「…っと!」 「…ん?」 と、…

Chapter:1/Scene:4

目の前で起こった出来事に、三姉妹は言葉を失った。 街に、白磁の鎧を煌かせ……人型のロボットとしか形容できない巨体が現れたのだ。 「な、なにアレ…?」 と、まひるの視線が、その“ロボット”に飛びつく人影を捉えた。 「あれは…通之介?」 ・ ・ ・ 「っは…

Chapter:1/Scene:3

「ボーンゴーレム! なんだってヤツまで地上に?!」 愕然とする通之介に、おずおずとまひるが声をかける。 「ね、ねぇ…なんなのアレ…?」 「話は後だ。…三人とも、ここを一歩も出るな。…いいねっ」 有無を言わせぬ迫力に、三姉妹はそれぞれ頷く。通之介は開…

Chapter:1/Scene:2

「あらあら、何の騒ぎなの朝っぱらから…?」 「…まだ眠い」 少女の大声に、ぞろぞろと部屋に人影が現れる。 「…?」 少女に叩かれた頬をさすりながら状況を把握すべく頭をフル回転させる少年だが、イマイチ飲みこめない事態に、目を白黒させる。 部屋の主の…

Chapter:1/Scene:1

その日は目覚ましがなる前に目が覚めた。 目覚ましのアラームの変わりに、別の音…というか声に起こされたのだ。 「…何ぃ?」 寝起きでボーっとする頭を軽く揺さぶりながら、上体を起こす。 妹が寝惚けてまた私の部屋にもぐりこんでいるのだろうか? あの年齢…

ちょっとだけ説明。

気まぐれに思いついた小説です。 続くかどうかは気分次第で(爆 まぁ、某掲示板でほぼ毎日やってることをブログでやるという話だけど。 あ、ベツモノですよ、念のため。 ―――少女は、大きく伸びをした。 先刻、風呂で溶かした疲れの残りをこれで搾り出すと、…