「くそ…勝手が違いすぎる……」
肩で息をしながら、通之介が呟く。
「前に“一人”で乗った時だって、ここまではキツくなかったハズだぜ…?」
やはり、向こうとこっちでは環境が違うのか。そう思い、一人冷や汗と脂汗を同時に流す。
「…っと!」
「…ん?」
と、そんなときに声が聞こえてきた。
「足元…?」
視界を切り替えた通之介の目が丸くなる。先ほどまで部屋にいたはずの、再会したばかりの幼馴染の姿だった。
視界を切り替えた通之介の目が丸くなる。先ほどまで部屋にいたはずの、再会したばかりの幼馴染の姿だった。
「ちょっと! 聞いてんの!!?」
早朝の町、騒ぎにわらわらと窓を開けて外をみる人々の視線を浴びながら、それでも大声をシュ・ヴェルトに向けて張り上げているのは、パジャマ姿のまひるだ。
「…な、何やって…?」
絶句する通之介であったが、戦いの真っ只中に生身の人間をおいておくわけには行かない。シュ・ヴェルトの体から飛び出し、するすると鎧を伝ってその足元に降りる。
「お、おい…」
「あんたなにやってんの!? こんなところでこんなデカイの動かしてたら町の人たちにめーわくでしょーがっ!!!」
声をかけようとしたとたんにまくし立てられ、思わず口をつぐむ通之介。
「そ、そんなこと言ってもだなぁ……やべ!」
思わずたじたじになる通之介だったが、こちらに近づいてくるボーンゴーレムに気づく。咄嗟にまひるを抱え上げ、一足飛びに跳んだ。
「あんたなにやってんの!? こんなところでこんなデカイの動かしてたら町の人たちにめーわくでしょーがっ!!!」
声をかけようとしたとたんにまくし立てられ、思わず口をつぐむ通之介。
「そ、そんなこと言ってもだなぁ……やべ!」
思わずたじたじになる通之介だったが、こちらに近づいてくるボーンゴーレムに気づく。咄嗟にまひるを抱え上げ、一足飛びに跳んだ。
「え、ちょっ、何す…うわあああああああああ!!?」
一瞬のうちに体が浮かび上がり、今度はまひるのほうが混乱する。
「とりあえず今は危ない! こっちに避難して!」
まひるを抱えたまま、シュ・ヴェルトの喉元の球体を通じて中に滑り込む。
「…っと!」
「わぷっ」
軽やかに座席に座った通之介とは対照的に、その手前の搭乗スペースに頭から突っ込みひっくり返るまひる。
「あたた…ちょっともう! 仮にも女の子なんだからやさしく扱いなさいよね!」
「仮なのかよ……ってか!」
なおも肉薄するボーンゴーレムに対し、とっさにシュ・ヴェルトの腕を動かし、それを押しとどめる。
「とりあえず今は危ない! こっちに避難して!」
まひるを抱えたまま、シュ・ヴェルトの喉元の球体を通じて中に滑り込む。
「…っと!」
「わぷっ」
軽やかに座席に座った通之介とは対照的に、その手前の搭乗スペースに頭から突っ込みひっくり返るまひる。
「あたた…ちょっともう! 仮にも女の子なんだからやさしく扱いなさいよね!」
「仮なのかよ……ってか!」
なおも肉薄するボーンゴーレムに対し、とっさにシュ・ヴェルトの腕を動かし、それを押しとどめる。
「…ん?」
と、ここで違和感に気づく通之介。
(さっきまでみたいな疲労感がなくなってる?)
力を吸い取られる感覚がいつしか消えていた。
(でも…なんでだ?)
疑問に思う通之介の視線が、ぶつけた頭をさするまひるに向く。
(まさか……いや)
通之介の中で、わずかに浮かんだ疑念。
(…まひるが“あの人”に似てるのは、ひょっとしたら偶然じゃないのかもしれない……!)
きょろきょろと周囲を見回していたまひるが、急に名前を呼ばれてあわてて振り返る。
「……頼みがある」
真剣な表情の通之介に、まひるが思わず息を呑んだ。
-つづく-
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実は、すでに1話分のネタはまるまるあるんですよね。
まぁ、文章化しているわけではないので時間はかかるんですけど。
ところで、劇中の季節を特に言及はしてなかったんですが、早朝に、上着引っ掛けてるとはいえパジャマオンリーで外にって…風邪引くんじゃなかろうか(ぇ