キタカミセンターの奥にある石段を上り、鬼が山…キタカミの中央に鎮座する巨大な山を登る。 「はぁ…ふぅ…」「よっ、ほっ」 さっきまでとはうってかわって軽快に登っていくスグリに対して、今度はぼくが息が上がっている。 「スグリ…ちょくちょく鬼さまに会い…

次の看板は、キタカミセンターという施設の敷地内にあるらしい。場所は、スイリョクタウンの公民館を挟んで反対側のようだ。一筆書きみたいにぐるっと回れたら楽なのかもだけど、それじゃあオリエンテーリングとしては面白くないか。 「じゃ、行こうか…スグ…

「…何をやっているのかしら、シバタ？」 背後から聞こえた女の声に、シバタと呼ばれた人影は小さくため息をついて録画中の撮影デバイスの電源を落とす。 「ああ、これはこれはオーナー殿。新たに始まったデザイアグランプリを盛り上げるために…オーディエン…

翌朝。公民館の前で、ブルーベリー学園の子たちと顔合わせ。 改めてキタカミの姉弟…ゼイユさんとスグリくんの名前を知る。自己紹介の時に思い切り明るく名乗ったゼイユさんだけど…その本性は昨日戦ったぼくはよーく知っているわけで… （…なによ？いらないこ…

課外授業が始まった。 学校中の生徒が、あるいはバトルに、あるいはゲットに、あるいはひたすらに遠くを目指して、歩いたり走ったり、時にはライドポケモンにまたがって校舎を飛び出していく。 かくいうぼくも、ネモからはジム巡りに誘われ、ペパーからはス…

果たしてツムリの招集を受け、新デザイアグランプリ（仮）のプレイヤーがサロンに集結した。 「久しぶり、英寿！」「ああ。配信がんばってるみたいだな、ナーゴ」 仮面ライダーナーゴこと、鞍馬祢音だ。 「最近はチャンネル登録者数も爆上がりだよ！お父様と…