炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【リュウソウSS】エピソード・オブ・ナダ:第1話(Bパート)【スピンアウト】

「……本気、出す」

 ウデンが面を外し、おぞましい素顔を露にする。そいつがお前の本性ってヤツやな。

「コウ、守りはオレに任せぇ。片っ端からたたっ斬るんや!」
「わかった!」

 二つ返事で、チェンジしたコウはかつてオレに切られた背中を預ける。お前ってやつはホンマにもう……!

「うぉぉぉぉっ!」

 さっきまでの無口っぷりはどこへやらと吠え猛り暴れまわるウデン。その太刀筋はもはや精細さを欠き、オレとガイソーグの敵ではない。
「見えるで!」

 強烈な一撃をガイソーケンで押しとどめ、その隙を縫ってコウが斬る。

「死……ネ!!!」
 斬られながらも強引に剣を振り下ろすウデン。刃がコウの肩に届こうとした刹那……

 ガギン!と重々しい金属音が斬撃を阻む。ガイソーグの鎧をコウに纏わせたのだ。
 
「コウ、こいつを使え!」

 ガイソーグが古くから持っていたリュウソウルを託す。リュウソウケンが噛みつき、疾風が刀身に吹き荒れた。

「ビュービューソウル!」

  -剣ボーン!-

 風の一閃がウデンを吹き飛ばす。鎧を自分に戻し、今度は二人同時に斬りつけた。

莫迦な……この、オレが……!」

 狼狽えるウデン。わからんやろな、お前には……

「俺たちのソウルは……」
「絶対に砕けへん!」

 リュウソウケンとガイソーケンが交叉する。

「ナダ、やるぞ!」
「おう、トドメや!」

 二人のソウルを、一つに!

「エンシェントブレイクエッジ!」
「ブリザードディーノスラッシュ!」

 強烈なソウルの奔流が刃となり、ウデンの身体を砕く。
 地を震わさんばかりの断末魔のうなりとともに、強敵は遂に爆裂四散した。


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 ウデンに囚われていたメルトたちが駆けつける。疲れたような顔だが、どうやら無事なようだ。

「良かった。なぁ、ナダ……」

 ともに戦ったコウの笑顔が振り向いたのを見た瞬間――

 

 ――自分の意識が不意に途切れた。

 

 

   -つづく-

 


VSウデン、決着!しかし――

という引き。よくあるやつ。

前回は、ナダが倒れる展開以外はほぼほぼ原典通りだったんですが、ナダが倒れない=マックスリュウソウレッドが出ないという展開なので、ウデン後半戦は展開としてはオリジナル。まぁ2対1になっただけで流れはほとんど変えてないんですけどねー。

コウにガイソーグを着せて防御させるのは、個人的にやりたかったやーつ(ぇ

さて、力尽きてしまったナダ。その命は潰えてしまうのか……?