果たして、ナダは断崖を登りきり……その頂上、リュウソウ族のエンブレムが刻まれた石柱を見つけた。
「ここか……」
エンブレムに触れると、目の前が真っ白になり――
「……うん?」
次の瞬間、立っていたのは断崖とは別の空間……ではなかった。
「いや、なんも起きへんのかーい!」
「……ナイスツッコミだ、ナダ」
「うおぉぉっ!?」
思わず振り上げた突っ込みの手を受け止めたのは、セトーであった。
「ガイソーグ最後の継承者よ。お前に与える試練は……」
セトーが空を見上げた刹那、あたりが巨大な影に包まれる。
「!?」
頭上で耳を劈くほどの咆哮が響く。影の正体は、とてつもなく大きな翼竜であった。
「まさか、あいつが……」
「いかにも、鎧装竜だ。ナダよ、かの者にお前の力を示して見せよ」
そう言い残してセトーが姿を消す。
「認めさせろ、ちゅうことやな……ええで!」
ガイソーケンを抜き、切っ先とともに鎧装竜を睨みつける。
「かかってこいや、鎧装竜!!!」
* * *
一方そのころ、コウたちは新たに出現した脅威に立ち向かう。
数多の星を滅ぼしてきたスペースドラゴン。そして宇宙から帰還した、ドルイドンの幹部・プリシャス。
先んじて試練の断崖に向かっていたバンバとトワを除く4人と騎士竜たちで立ち向かうが、その未知数の力に翻弄されつつあった。
「みんな強竜装だ!一気に決めるぞ!」
‐キョウ!リュウ!ソウ!そう!その感じっ!‐
全員が騎士竜の鎧をまとい、一斉に攻撃を仕掛ける。……が。
「あははははっ!」
プリシャスの高笑いとともに、そのすべてがまったく同じ技で返されてしまう。
「何が……起きた……っ!?」
鎧を破壊され、倒れ伏すリュウソウジャーを、プリシャスが肩をすくめて見下ろす。
「大したことないんだねぇ、リュウソウジャーってのも……ちょーっと同じ技で返しただけだっていうのにさ」
そう嘯きながら、プリシャスが6枚のカードを見せびらかす。強竜装を纏ったリュソウジャーたちが技を繰り出す姿が、そこには映し出されていた。
「あのカードは……もしかして!?」
「ふぅん……青いのは察しがいいね。さっきガチレウスの奴と戦っただろう?」
プリシャスが現れる少し前、暴れていたガチレウス。全員の全力を受け、退けることができたのだが……
「まさか、あの時僕たちの技をコピーしたっていうのか」
「そういうこと。さぁ、ボクを倒したければもっとすごい技を見せてよ。できなければ……」
こ っ ち か ら い く よ ?
冷え切った声色が、メルトたちの背筋を舐める。立て続けにカードを読み込ませ、プリシャスの武器からおぞましいほどのエネルギーが溢れるのを見た。
「うおおぉぉぉっ!」
-カタソウル!-
残った力を振り絞って、コウが立つ。咄嗟に発動させたソウルの盾は、一瞬プリシャスの攻撃を阻み――
「ム・ダ♪」
敢え無く砕け散る。
「うわああああっ!!?」
攻撃の余波がカナロたちも巻き込み、周囲はあっという間にガレキと化してしまった。
「……やっぱりキミたち大したことないねぇ」
プリシャスが嗤う。
「このままじゃつまんないから……三日猶予をあげるよ」
出直して来な。と言い残し、溶けるように姿を消すのだった……
-第2話・了-
というわけで、原作34話分まで。
ガチレウス戦? 概ね変わんないからキンクリですよ?(ひどい
まぁ、マックスが居ないので6人全員強竜装でフルボッコという、ある意味原作よりひどいやられ方してますけど(ぇ
とはいえ、その分その技6種全部コピーさせてるのはさすがのタフネス?
で、プリシャス。
こちらも6人分の必殺技をカードにしてるんである意味原作よりえげつないことになってる気ががが。
あの武器一本で、メラメラやビリビリはともかくドッシンをどう再現してるのかは……まぁ各々で脳内補完しといてください(ブン投げ
一方のナダは、鎧装竜とご対面&一騎打ちへ。
プリシャスが示した猶予は三日。果たして彼の試練は無事終わるのか。ナダが試練を超えたとき、彼が得うる力とは……?
それは次回のお楽しみってことで、どうぞよろしく。