「本当に行くのか、ナダ?」
ウデンとの戦いから数日後。無事退院を果たしたナダは、当初の予定通り修行の旅に出ることにした。
「今回の一件ではっきりした。今の俺はやっぱり弱……いや、そんな強ぉない。今のまんまお前らとおっても、足手纏いになってまうのが関の山や」
「そんなこと……」
「あるから言うとるんやって」
寂しそうな表情を浮かべるコウに「そんな顔すな」と軽く小突く。
「お前らに胸張って『強くなった!』って言えるようになったら、帰ってくるから」
「いつになるんだかな」
「……言うやないかい、バンバ」
ほんならな~と朗らかに笑って、ナダが背を向けて去っていった。
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騎士竜戦隊リュウソウジャー EXTRA STORYS<IF>
Episode of NADA
第2話:鎧装竜をさがせ
「……とまぁ、それなりにカッコつけて出てきたものの」
雑踏に流されながら、ひとりごちる。
「修行ったってどないしたもんか……」
早速行き詰まるナダである。もっとも、ビデオレターを撮影した時点でも特にアテがあったわけではないのだが。
「肝心のガイソーグの鎧も今は無いしなァ……」
ウデンとの戦いののち、一度は潰えた自分の命をつないだのは、ガイソーグの鎧そのものと、それに宿る幾千万の歴代継承者……英霊たちの魂だとコウから伝え聞いた。
実際に、残されたガイソーケンとソウルでチェンジを試したものの、何も起こらなくなっていた。
「ま、オレにできることをやるしかないか。そやな……とりあえず」
もう一つ、コウから聞いていたことを思い出す。
「“鎧装竜”ってやつを、探してみるかのォ」
「なに……鎧装竜?」
と、同じ単語がすぐそばで聞こえ、ナダが思わず振り返る。
「んっ?」
「んっ?」
目が合ったのは、お互い見知った顔だった。
-つづく-
さて、続くこととなりましたエピソード・オブ・ナダ第2話。原作34話に相当します。
描写不足ではありますが、ガイソーグの鎧はナダの命と引き換えに無くなり、現在チェンジできない状況。ヴァルマの導きで鎧装竜なるものを探しに向かう……という流れになっております。
本編にいないキャラクターを動かす以上全力で二次設定全開ですね。妄想力の見せどころです(ぇ