炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【リュウソウSS】エピソード・オブ・ナダ:第2話(Aパート)【スピンアウト】


「本当に行くのか、ナダ?」

 ウデンとの戦いから数日後。無事退院を果たしたナダは、当初の予定通り修行の旅に出ることにした。

「今回の一件ではっきりした。今の俺はやっぱり弱……いや、そんな強ぉない。今のまんまお前らとおっても、足手纏いになってまうのが関の山や」
「そんなこと……」
「あるから言うとるんやって」

 寂しそうな表情を浮かべるコウに「そんな顔すな」と軽く小突く。

「お前らに胸張って『強くなった!』って言えるようになったら、帰ってくるから」
「いつになるんだかな」
「……言うやないかい、バンバ」

 ほんならな~と朗らかに笑って、ナダが背を向けて去っていった。

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   騎士竜戦隊リュウソウジャー EXTRA STORYS<IF>
   Episode of NADA
   第2話:鎧装竜をさがせ

 

「……とまぁ、それなりにカッコつけて出てきたものの」

 雑踏に流されながら、ひとりごちる。

「修行ったってどないしたもんか……」

 早速行き詰まるナダである。もっとも、ビデオレターを撮影した時点でも特にアテがあったわけではないのだが。

「肝心のガイソーグの鎧も今は無いしなァ……」

 ウデンとの戦いののち、一度は潰えた自分の命をつないだのは、ガイソーグの鎧そのものと、それに宿る幾千万の歴代継承者……英霊たちの魂だとコウから伝え聞いた。
 実際に、残されたガイソーケンとソウルでチェンジを試したものの、何も起こらなくなっていた。

「ま、オレにできることをやるしかないか。そやな……とりあえず」

 もう一つ、コウから聞いていたことを思い出す。

「“鎧装竜”ってやつを、探してみるかのォ」
「なに……鎧装竜?」

 と、同じ単語がすぐそばで聞こえ、ナダが思わず振り返る。

「んっ?」
「んっ?」

 目が合ったのは、お互い見知った顔だった。

 

 

   -つづく-

 

 


 

さて、続くこととなりましたエピソード・オブ・ナダ第2話。原作34話に相当します。

描写不足ではありますが、ガイソーグの鎧はナダの命と引き換えに無くなり、現在チェンジできない状況。ヴァルマの導きで鎧装竜なるものを探しに向かう……という流れになっております。

本編にいないキャラクターを動かす以上全力で二次設定全開ですね。妄想力の見せどころです(ぇ