【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「碧の仮面」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。
問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。
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アップルヒルズからともっこプラザに向かう分岐路を反対に進む。マシマシラが潜んでいると思われるフジの池…そしてフジが原を越えると…楽土の荒地はすぐそこだった。
「オリエンテーリングだと、スグリには鬼が山経由のルートを教えてもらったんだよね…こっちの方が近かったんじゃ?」
「まぁ、山登る手間はあるわよね…ただ、この辺りは鬼が山より野生のポケモンが手ごわいから、あえて避けたのかも」
コライドンにまたがるぼくの後ろに乗っているゼイユが補足した。ちなみにオーガポンはぼくの前に乗っている。さすがに3人(?)乗りだとバランスが悪いから、スピードは出しにくいんだけど。
「なるほど…ぼくたちはここが3つ目で、あのときちょっとギクシャクはしてたんだけど、やっぱりスグリは優しいんだね」
「…あんたもね」
そんなおしゃべりをしているうちに、草の生えた地面が途絶えた。岩の大きな壁を越えて、コライドンは荒地に着地する。
「お疲れ様」
流石に息切れしているコライドンをボールに戻す。
マップアプリによれば、イイネイヌの潜伏地点と思しき場所はもう少し先だ。挑む前に、資料を読み解いてやつの弱点を知ろう。
「ええと…『おいぬ様には、人に優しい気持ちを宿らせる力があるとされ、対人関係を良好にしたい人々によって崇められた』…ふむ」
「優しさの欠片も見当たんないけどね、あいつには!オーガポンのことボコボコにしてたし!しかも3匹がかりで!」
スマホロトムに取り込んだ資料のコピーを眺めながら、ゼイユが憤慨した。
「まぁまぁ…本来の神様の性質と、得られるご利益が違うことって結構あるっていうしさぁ…ほら、続き読もうよ」
━━曰く、もともとは非力で身体も小さなポケモンであったとされ、イイネイヌはそんな自分を忌み、剛く巨くなりたいと願ったという。そして、ある日…大いなる鎖とともに、強靭な肉体を得たのだった…
「この鎖っていうのが、マシマシラとかにもついてたやつね」
「うん。鎖がともっこたちを強くしたのかな?」
「だとしたら、その鎖をあいつらに寄越したのって、何者なんだろう…」
ちょっと気になるけど、その話はあとだ。この資料によると、もとは非力だったイイネイヌは鎖の力で強靭な肉体を得た、とある。鍛え上げられた肉体、といえば…
「…【かくとう】タイプ!」
「うん、多分ね。となると…おいで、ロビン!」
進化したばかりのファイアローを呼び出し、腕に止まらせる。ずしっとくる重さにちょっとよろけたが、どうにか踏ん張ってみた。
「かくとうタイプの弱点といえば【ひこう】タイプ。この子を連れて行こう!」
「…【いわ】タイプじゃないことを祈っときましょ。強靭な肉体って聞いたらそのセンもありそうな気がしてきた」
「それだと4倍弱点なんでカンベンしてほしいけどね…」
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「パワフルなやつ、いた!悪そうな筋肉…」
荒地の奥にいたイイネイヌを発見したぼくたちは、さっそく挑みかかる。
「って、ねぇ…なんか前より大きくなってない!?」
「う、うん…」
たしかセンターの職員さんたちが、キタカミもちでもてなしたとか言ってたっけ。ポケモンの生育にも用いられるスパイスを配合してるって聞くけど…それにしたって大きくなりすぎでは!?
「まぁとにかく!でかかろーがなんだろーがやっつければ一緒!ヒイロ、あいつにぎゃふんと言わせるよ!」
「うん!」
ロビンと、ゼイユのモルペコがイイネイヌの前に躍りでる。
「腹立つオシャレマフラーしちゃってからに…えげつないおすわりさせてやるから!!」
…なにそれこわい。
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「先手必勝だ!ロビン、つばめがえし!」
指示を飛ばした瞬間、大きな翼が掻き消える…いや、超スピードで飛び上がったのだ。
「ヌンダフッ!?」
「よしっ、こうかはバツグンみたいだ!」
「推理どおりね…ナイス判断よ、副リーダー!」
でも体が大きい分ダメージの通りが悪い…相手が攻撃してくる。毒の鎖に気を付けて!
「まっかせなさい!モルペコ、オーラぐるま!」
噛みついてくるイイネイヌをかわして、モルペコの猛烈な回転アタックが脇腹にぶちあたった。
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「これで決める…テラスタルいくよ!」
「ああっ、ずっこい!トドメはあたしに譲んなさいっていったでしょーが!」
ひこうの力を帯びたテラスタルパワーが、相棒を包み、はじける。
「おー!がおー!」
後ろで応援するオーガポンが、さらなる力をぼくたちにもたらした!
「いっけーロビンっ!アクロバット!!」
目にもとまらぬ連続攻撃が、ついにイイネイヌをぶっとばしたのだった。
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「ざまぁみやがれってのよ!」
どこかへ逃げていくイイネイヌの背中に、ゼイユがあかんべーをしてみせる。ふとイイネイヌがいた場所を見返すと、そこには仮面が一つ転がっていた。
「ぽに!」
「灰色のお面ね。じーちゃんに聞いたわ。岩をも砕く力…【いしずえのめん】で間違いなさそう!」
よーし!まずは1枚目、とりかえしたぞ!
「ぽにおーっ!」
ぼくたちは跳び上がったオーガポンとハイタッチで喜びをわかちあうのだった。
-つづく-
1戦目はイイネイヌをセレクト。タイプ相性は実際に推理したうえでのバトルです。リアルではマップに登録された時点で伝承について読めるので、今後プレイする人はぜひお確かめを。
うちのロビンことファイアローはヤヤコマから育ててるので、テラスタルが発現するとすればひこうORノーマルになります。複合タイプだとどっちかになるので、厳選は必須ですよね…まぁパラメータ厳選よりはマシなんでしょうが。
このころになってくるとなつき度合いもかなり高まってきていて、結構痛い毒も自力で治してくれるほど。っていやそんな機能いつから実装されたんすか(無知