【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「碧の仮面」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。
問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。
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ぼくたちは、情報収集のためにスイリョクタウンに聞き込みに行こうとしたのだけれど…
「が、がお…」
村の入口あたりで、とつぜんオーガポンが足を止めてしまった。
「そっか…昔、村人にのけものにされちまったから、村に入るんのが怖ェんだ…」
スグリの言葉にはっとなる。長いことずっと山の中での暮らしをせざるえなかったのは、そういった事情もあるのだ。
「…しかたないわね。じゃあオーガポンちゃん?」
「ぽに?」
「あたしたち、村行く!オーガポン、ここでステイ!…OK?」
なぜか片言でオーガポンに語りかけるゼイユ。当然というか…あんまり伝わってなさそうだ。
「…ねぇ、ぼくたちはこれから村に行くんだ。すぐに戻ってくるから…それまで見つからないように、いい子にしててくれるかな?」
「!ぽにおーん!」
どうやら理解してくれたようだ。
「なんでよ!」
ゼイユは不服そうにしてたけど。
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村の人達から聞き込みした情報をまとめると…ともっこたちの居場所がだいたい分かるようになった。
「おいぬ様こと、イイネイヌは楽土の荒地ね。課題の看板のあるとこだから、場所はわかるでしょ?」
「ましら様…マシマシラが、フジの池…アップルヒルズからフジの丘ってとこさ、通った先にある」
そしてきぎす様ならぬキチキギスは、鬼が山の頂きにある鬼角峡谷にいるらしいことがわかった。
「よし、あとはともっこどもをとっちめてお面を取り戻すだけね!」
「いや…もう一つ、調べたいことがあるんだ」
「なによ?」
それは、ともっこたちの有する属性だ。相手のタイプに不利なポケモンで対抗しても返り討ちに遭いかねないからね。
「それもそっか。でも、どうやって調べるの?」
「まず、マシマシラはさっき戦った時のデータが図鑑に残ってるから…ええと、【どく】タイプと【エスパー】タイプの複合型だね」
「ってことは、他の2匹も複合タイプ持ち…?」
スグリの言う通り、その可能性は高いと思う。
「さっきの戦いで、マシマシラが身につけた鎖で攻撃したときにエルダが毒を浴びたんだ。他の2匹も、同じような鎖を持ってたから…」
「少なくとも全員、ひとつはどくタイプってことね。あとは…」
情報収集がてら、公民館で借りたともっこたちの伝承についての資料(のコピー)を広げる。
「伝承によると、ともっこたちはもとから今の姿じゃあなかったみたいなんだ」
たとえばマシマシラは、もとは頭の悪いポケモンだったらしい。そんな彼は強く願うことで、ある時を境に明晰な知能を得たと言われている。これがエスパータイプの力をあとから得たと考えれば…
「そっか!伝承がホントのことなら、今の姿に変化したきっかけが、あいつらのタイプってことになるのね」
「そういうこと」
そして伝承が(一部はともかく)事実であることは間違いない。現に鬼も、ともっこたちも実在しているのだから。
「ヒイロ…なんかあたしたちより伝承に詳しくなってない?」
はは…なんかぼく、こう言うの調べるのが好きみたい。
「よーし、そうと決まったら早速殴り込みに…!」
「…おれ、行かね」
えいえいおー!と気合を入れようとしたところで、スグリが絞り出すようにつぶやいた。
「…って、なんでよ?来なよ!隊員でしょ?」
ゼイユが諭すが、スグリはかたくなに首を横に振って。
「ヒイロがいれば、鬼さまも安心だろうし…おれ、やること…あっから…」
ごめん!と言い残して、スグリはキタカミセンターの方へ引き返してしまった。
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「まだスネてんのかな?」
オーガポンに怖がられてたし、とゼイユがつぶやく。
「うーん…でもともっこプラザのときみたいな思い詰め方じゃあなかったと思うし…スグリに思いついた、この子のためのなにかがあるんじゃないかな?」
「ならいいんだけどね…ねーちゃんとしては、一言欲しいかなあ」
それは友人としてぼくもそう思うけれど。
「ま!強制は良くないし、あたしらはあたしらでやりましょ。オーガポンのお面、全部取り戻してあげようね!」
ゼイユの意気込みに、オーガポンが満面の笑顔を咲かせた。
-つづく-
ここからともっこたちを各個撃破してお面を取り戻す旅へ。マップには潜伏場所だけでなく、伝承をもとにタイプ相性を推測できる文章があってちょっとワクワクしますね。しかし、あの短時間で目撃情報があっさり集まるあたり、スイリョクタウンの人たちパネェ…いやそれだけともっこたちLOVEなのかも。
次回はちょっとした番外編を挟んで、ともっこ討伐の旅へ!