炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート:番外編④~ゼイユと委員長【#ポケモンと生活】

ネモやペパーたちほどではないけれど、林間学校で同じ時間を過ごしたみんなとも仲良くなっていて、時折連絡を取り合ったり一緒に遊んだりしている。

ペアになったことがきっかけでもっと仲良しになった子たちもいて、なんか青春だなぁ…なんて思ったりして。

「二人は付き合ったりとか…するの?」
「ふふっ、まださすがにそこまではねぇ…向こうは私のことお姉ちゃんみたいな感じで慕ってくれてるし、私も私で弟ができたみたいな感じで…」

と言っているのは、メンバー最年少の男の子とペアを組んでいた浅黒い肌の女の子…ネーナだ。まぁ確かに彼…オットーくんはまだそういうのを気にする齢でもないだろう。ちなみに当のオットーくんは、遊び疲れてネーナの膝枕でお昼寝中だ。

「それより…私としてはヒイロくんの方が気になるわよ?」
「え?」
「ブルーベリー学園のゼイユさん。結構仲良くなってたでしょう?」

急にこっちに振られてドキっとなる。

「そ、そうかな…?」
「そうよ!だって、別になんとも思ってない人の名前、ポケモンに付けたりしないでしょう?」
「あー…ネーナも見てたのね、ナンジャモさんの配信…」

今更だけど、林間学校組のことを全く考慮してなかったや…まぁ今更改名する気もないけれど。

観念して、今でも連絡を取り合っていることを教えると、ネーナは目をキラキラさせて詰め寄ってきた。

「えーっ?そんなにしょっちゅう通話してるの?もうとーっても仲良しじゃない!」
「い、いやいや連絡くらいはするでしょ…ネモやペパーとだって通話するし」

まぁ課外授業がらみの話題ばかりになるのはそうなんだけれど。

「でもお互いの近況を話したりもしてるんでしょう?特に用事もないのに…ねぇ委員長?」

ネーナが隣に声をかける。委員長は眼鏡を光らせて「そうだよ…なんできみばっかり!?」と声を張り上げた。

「ぼ、僕だってスマホロトムのIDを教えたんだよ!?パートナーだし!でもゼイユさんは教えてくれなかったし…いまだに連絡もくれないし…」
「…あぁ、うん。なんかごめんね委員長…?」

がっくり肩を落とす委員長を、ネーナがなだめていた。

 

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「…っていうことがお昼にあってね…」
『…ええと、委員長って誰?』

そんな今日の出来事をゼイユとの通話で話題にすると、わりとひどい答えが返ってきた。パートナーだよ、オリエンテーリングの…

『…ああ、フツーの男!』
「その呼び方本人の前ではやめたげてね…」

よほど印象が薄かったらしい。委員長から聞く限り、オリエンテーリングも淡々と進めていったみたいだし。

『…んで?その子にあたしのID教えていいかってこと?』
「まぁ、話としてはそうなんだけど…委員長のIDは持ってるんでしょう?」
『どうだったっけ…オリエンテーリング終わった後にメモ貰ったような気はするんだけど』

ぽにこオーガポンとともっこにまつわる騒動や、その直後に学園に戻ることになったゴタゴタでどこかに行ったらしい。

「まぁそんなことだろうと思ったよ…ぼくからも念のために委員長のアドレス預かってるし、転送しとくよ」
『んー…』

連絡してあげてね。と言うとあんまり気乗りしなさげなゼイユの表情。

『…あんたはさ』
「なに?」

ストローでメロンソーダをぶくぶくさせながら、ゼイユが画面越しにこちらを見る。

『自分の知らないとこで、別の男の子とあたしがおしゃべりしてても…いいわけ?』
「え?」

何を言ってるんだろう?と首を傾げていると、それを見たゼイユは小さくため息をついて『ごめん、なんでもない』と肩をすくめた。

『考えてみたら、あんただってそうだもんねぇ…ネモって子とかと仲良いみたいだし』
「…何の話?」
『なんでもないって言ったでしょ?…あ、そうだ。IDの件だけどさ…』

 

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「…というわけで、ぼくたちのトークグループにゼイユが加入したよ」

林間学校をきっかけにぼくたち4人で作っていたトークアプリのグループだ。みんなのスマホロトムの画面に映ったゼイユに仲間たちがわっと沸いた。

「うぉぉぉぉ…ゼイユさーん!」

特に委員長の興奮ぶりが凄まじい。

『はいはい、みんな久しぶり~!スグのやつはちょっとつかまんなかったんだけど、まぁそのうち首に縄かけてでも連れてくるから、楽しみにしてて!』

グループに入れば、あとは個別で連絡も取れるようになるし、一応委員長の希望も叶えたことにはなるかな?お互いに連絡するかどうかまではわからないけど。ゼイユは興味なさそうだし…大丈夫かな。

 

…うん?

 

…なんでぼく、"大丈夫"だなんて思ったんだろう?委員長とゼイユが二人だけでおしゃべりしたって、別にいいって思っているのに…?

「…んふふ~」

胸に少し残ったしこりを感じるぼくの後ろで、ネーナが生暖かい視線を向けていたのを…ぼくは知るよしもなかったわけで。

 

 

   -つづく-

 

 


林間学校に参加した主人公以外のアカデミー組は、身も蓋もないことを言ってしまうとモブなんですが、なかなかにいいキャラぞろいですよね~。

当然というか名前は設定されてないので、キタカミ編でしれっとお出しした「委員長」含め当方の捏造です。念のため。

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画像左端から順に、ちびっこがオットー、委員長(本名未設定)、ネーナ。

このうちネーナとオットー、委員長とゼイユが作中ではペア組んでますね。
ネーナとオットーくんについては、姉弟分というイメージで名前つけました。まんま弟と姉ですね(ド安直

委員長の本名は…まぁ気が向いたら(ひどい
作中の描写から彼女が気になってる様子でしたが…まぁなんというか…うん、がんばれというか。申し訳ないけどゼイユ自身はアウトオブ眼中っぽいんだよなぁ…

別に彼に塩を送るつもりはないんですが、まぁ主人公くんのメンタルならこれくらいはしそうかなとも。ゼイユは不機嫌になる。なんでかは知らん(ぉぃ

後編でゼイユと妙に仲のいいブルベ学園の男子生徒いないことを祈るぜ…委員長だけでなく僕の脳も破壊される💧