【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。
問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。
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「本気になれない奴は、俺の部活にいらない。代わりに書いといてやるよ…退部届け」
吐き捨てるようにそう言って、スグリはスクエアを去っていった。
「…驚いたでしょ」
一部始終をぼくの隣で見守っていたゼイユが呟くように言った。あの日…林間学校を境に見た目はおろか性格もガラリと変わってしまったのだという。それこそ、あれだけ振り回していた姉が怖いと思ってしまうほどに。
「…ぼくのせい、なのかな」
「がお…?」
いつしかボールから抜け出ていたぽにこがゼイユを心配そうに見上げていた。
「あんたのせいじゃないわよ…もちろん、ぽにこのせいでもね」
沈んだ表情を少しだけ和らげて、ゼイユがぽにこの頭を撫でた。
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「なーんか、胸クソ悪いもん見ちまったなあ」
ふと、背後から声がした。その声にぽにこを撫でて幾分穏やかになったゼイユが「げっ」と顔をしかめる。
「おやおやゼイユに…見たことねえ顔と見たことねえポケモン。…もしかすっとそちらさんが…例の?」
スグリが着ていたのと色違いのタンクトップに、オラチフの顔がでかでかと載った黒いジャンパーを羽織った男子生徒がゆったりとこっちに歩いてくる。しぶしぶ紹介するゼイユによると、彼の名前はカキツバタ。ブルーベリー学園で最も強い…いや、"強かった"生徒らしい。
「あぁ、やっぱり交換留学生ってアンタだったのか!手持ちのグラエナにこいつと同じ名前つけた!」
「ばっ!でかい声で言うんじゃない!」
…あぁ、いつぞやの配信の話まだ忘れられてなかったらしい。ゼイユが顔を真っ赤にしていた。多分ぼくの顔も。
「なぁ、ヒイロっつったか…スグリとも友達なんだろ?アンタ」
「うん…友達です」
今の彼がそう思ってくれるかは、わからないけれど。
「ほーん…やっぱそうかい!」
そいつはいいなあ!と笑みを浮かべ、カキツバタ先輩は、ぼくをリーグ部の部室へと案内してくれた。
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校舎内にある、リーグ部の部室へとやってくる。カキツバタ先輩曰く、ブルベリーグの上位ランクを目指し、互いに高め合う部活らしい。先輩自身もそのリーグの上位ランカー…四天王のひとりだという。
「一応、そこのゼイユも部員だぜ。まぁ、あんま部室には来てねえけど」
「あたしは学外活動が忙しくてリーグ戦やってないだけですー」
ああ、いつぞやの通話でランクとか言わなかったのはそういう…
「納得したって顔してんじゃないわよ…てかね、リーグ戦出てないだけで、実力ならこんな頭フワ男とか四天王なんてあっさり越えてんだから」
ゼイユの言い分に、カキツバタ先輩は「違ぇねえ」と笑って見せた。
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リーグ部については一旦仮入部ということになり、どことなく部室に居づらそうな雰囲気だったゼイユに寮の部屋を案内してもらう。レイアウトは姉妹校らしく(?)アカデミーのぼくの部屋とよく似ていた。デザインを流用したんだろうか?まぁ、さすがに設備は新しいけれど。
「案内はついでよ。ちょっと…人が多いとこでは話せないこと、あったし」
スクエアで少し話したスグリのことだ。
「まぁ、スクエアで見た通りよ。キタカミから戻ってから、なんか人が変わっちゃったみたいでさ。毎日毎日寝る間も惜しんでポケモン鍛えて勝負して…」
実際、林間学校の頃からは比べ物にならないくらいに強くなったらしい。カキツバタ先輩…元チャンピオンらしい彼をも打ち破り、今やスグリがリーグ部の部長兼ブルベリーグのチャンピオンなのだという。
「忙しいんだろうね。今じゃあたしともあんまり話さなくなっちゃったし」
ま、ただの反抗期だと思うけど!とつとめて明るくゼイユが笑って見せる。それで片付く話とも思いにくいけれど…
「…うん、最近はあたしもちょっとそう思ってる。でもさ…アイツ、少しかわっちゃったけど、あんたは…ヒイロだけは、前みたいに友達でいてあげて!」
その言葉に、ぼくは大きくうなづいて…そうしたら、ゼイユは「ありがと!」とようやく笑顔を見せてくれるのだった。
-つづく-
続々メンツが揃っていく感じがいいですね。なかなかストーリー進まなくて恐縮ですがw
スグリの強さについては、まだそこまで言ってないんで判別つきませんが…僕の場合全編をクリア前にプレイしたのでラストバトルの平均レベルが30後半と考えると相当なレベルアップですよね…逆にクリア後だと70後半ですっけ?そっから比較するとあんまり変わらない気がするんですがどんなもんでしょ?
今日中にもうちょっと書き進めたいところではあります。