炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(59):#藍の円盤④~ブルベリーグ!もう一度きみと【#リプレイ風】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

 

 

そういえばカキツバタ先輩に食堂に誘われていたのを思い出す。

「あいつのこと、信用しちゃダメよ!やる気無さそうに見えて裏で何考えてるか全ッ然わかんないの!いっつもヒトのこと振り回すし!」

カキツバタ先輩に恨みでもあるのかかなりの剣幕…人のことを振り回すのはゼイユも大概だと思ったけど、口には出さないでおこう。

「…失礼なこと考えてるわねあんた?」
「いひゃい」

ゼイユはいつのまにエスパータイプになったのだろう…

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「とにかく!あいつには気ぃ許さないこと!いい?フザケたこと言ってきたらかみついてやんなさい!いや、いっそかみくだくの!」

ぼくはいつの間にあくタイプになったのだろう…もし実際にかみついても効果は今ひとつな気がするけど。

 

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ついていきたそうなゼイユだったけど、レポート提出が残っているということでここで一旦別行動。リーグ部についてはぼくも興味はあるけれど、そもそも留学生ってだけで部外者…ゼイユ風に言えばヨソモノなんだよね。そんなぼくが学園の部活に参加してもいいのかな?

「…よう、ヒイロ。こっちだこっち」

食堂に入ると、テーブルに突っ伏したカキツバタ先輩がぼくを見つけて手招きし、ぼくは誘われるまま隣に座った。

ヒイロ…アンタ、ポケモン強いだろ?」
「まぁ…パルデアリーグのチャンピオンランクですし」

あんまり自分の強さをひけらかすつもりはないけれど、自分が強いことには誇りを持っている。自分のことを弱く言うのは、ぼくをチャンピオンランクに導いてくれたネモやオモダカトップにとっても失礼だし。

「へぇ!マジのチャンピオン!そりゃいい!」

その強さなら、ブルベリーグもテッペン目指せるぜ!とカキツバタ先輩はぼくの背中をバシバシと叩いた。

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「いや、それさっき自分でも考えたんですけど、部外者のぼくがブルベリーグに参加ってありなんです?」
「アリもアリ、おおアリアドスよ!交換留学で来てるやつが学園で一番になったらすげえおもしれーだろ?だからヒイロにはブルベリーグに参加してほしいんよ」
「いや、面白い面白くないじゃなくて…」

へにゃりと笑うカキツバタ先輩に言い返そうとしたところで、食堂の扉が開いた音がした。にわかに食堂がさわがしくなる。

「…おっ、おいでなすったな」

ぞろぞろと現れる生徒たち。何人かは見覚えのある人たちだ。遠巻きに見る生徒たちから、チャンピオンだの四天王だという声が漏れ聞こえた。この人たちが…そして、その中心にいるのは…スグリだ。

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カキツバタ…話って何?」

スグリが口を開いた。視線の先はカキツバタ先輩で、ぼくの存在には気づいていない。一方でカキツバタ先輩は、単に食事に誘っただけといって、向かいの席をあごでしゃくってみせる。

「…くだらない。そんなヒマあるなら少しでもポケモン強くしたら?そんなだからオレに負けるんだよ」

そんな彼の誘いを一蹴するスグリ。その声には、林間学校の時の彼に会った引っ込み思案な雰囲気は微塵も感じない。しかしカキツバタ先輩は意にも介さず肩をすくめて見せた。

「…あーあ、フラれちまった。スグリのだぁい好きなお友達がいてもむずかしいかぁ…な、ヒイロ?」

先輩の視線がぼくに向き、スグリはようやく僕の存在に気づいたらしく、目があったとたんに大きくのけぞった。そのさまがいつか見た姿と重なって、ぼくは少しうれしくなる。

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「ひさしぶり、スグリ
「な、なんで…!?」

どうやら交換留学のことも、それにぼくが選ばれたことも知らなかったらしい。それくらいポケモン育成やバトルにのめりこんでいたのかな。

「まぁ、そんなわけでオイラたちもう仲良しこよし~なわけでさ。ヒイロにブルベリーグに参加してくれ~って誘ってたのよ」

カキツバタ先輩の思惑が分かってきた気がする。四天王と顔合わせをさせて、ぼくのブルベリーグ参加を認めさせようという魂胆なのだろう。ゼイユの忠告どおりになってしまったかもしれない。

「…他校生徒のブルベリーグ参加は前例にありません」
「そ、そうだよ!よくないとおもいます!」

ゼイユといっしょにいた眼鏡の女生徒…ネリネというらしい…とタロ先輩が揃って反対の意を示した。一方、同じく四天王であるカキツバタ先輩と、なぜかフライパンを持ち歩いているアカマツという男子生徒は賛成側に回った。

「おーっと、別れちゃったね?2対2の状況なわけだが…さて、アンタの意見はどうだい?チャンピオン」
「…相手が誰だって…俺は負けない」

その言葉を肯定ととらえたらしいカキツバタ先輩が、にんまりと笑ってみせた。

 

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エントランスで受付をする。さすがに留学生でしかないぼくのエントリーに難色を示されたものの、四天王の推薦がある、というカキツバタ先輩と、スグリのフォローもあってエントリーすることができた。本来は下位ランクからのスタートなところを、四天王とシアノ校長の推薦やパルデアでの戦績を鑑みて上位ランクからの挑戦権も得た。

「…ヒイロ

ゼイユが強い眼光でぼくを見る。

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「俺とやるまで…負けたら許さない」
「…負けないよ。きみ意外にも、きみにも」

そう言うと、ゼイユはニッと笑って…「ならいい」と答えた。その笑顔は、いつか見た顔のようで…やっぱり少し違う。

ゼイユからはブルベリーグに参加したことを呆れられたり、そう仕向けた感のあるカキツバタ先輩にかみついていたけれど…きっとこれはやらなきゃいけないことだと思うから。

「以前の俺とは違うってこと、頂上で見せてやるから」

そう言って、スグリは背を向けるのだった。

 

 

   -つづく-

 

 


さて、いよいよ本格的に動ける感じですかね。ここまでに4エピ分も使うんじゃありません(自戒
しかしまさかいきなり四天王とやりあうハメになるとは思いませんでしたが(言い方

まぁ、ポケモンリーグよろしく8か所えっちらおっちら回るのもダレるよねそりゃ。

対戦相手は任意らしいので、初対面組から攻めていこうかな~?