炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(44):ザ・ホームウェイ②~エリアゼロ!奇妙なポケモンたち【#ネタバレ注意】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ザ・ホームウェイ」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

 

 

 

 

 

パルデアの大穴…エリアゼロの内部は、一見すると大穴の外と変わらないように見えた。

しかし、時折キラキラとした何かが風に乗って通り過ぎていたり、樹の幹に結晶体が張り付いているような不思議な光景もみられる。やっぱりここは、外の世界とは隔絶された場所なのだ。

「…あれ?ねぇ、あれ見てヒイロ!」
「あれは…キラフロル?」

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チャンピオンを決める最終戦で戦ったポケモンだ。

「だよね!?トップのポケモン、大穴にいたんだ…」
「ええ…オモダカさんあんなん使ってんの…絶対逆らわんどこ…」

ボタンが肩をすくめて身を震わせた。
そういえば、キタカミの里にもいたんだよねキラフロル…あれも今思えば、てらす池にしかいなかったっぽいけど…エリアゼロと何か関係があるのかな?

キラフロルを追い払ってすぐのところに、目的の観測ユニットを発見した。オーリム博士曰く、87年前の調査の際に作られた中継ポイントなのだという。彼女の指示に従って、奥のコンソールの電源を入れると、ゼロラボのロックの一つが外れたことを示すメッセージが表示された。

 

   *

 

「あ、何かあるよ?…なんだろこれ?」

ポケモンの休憩がてら観測ユニットで休憩をとっていると、ネモが隅っこで奇妙な装置を見つけた。

「…うん?」

ヒマを持て余して内部の資料や、当時の?職員らしき人物が書き残したノートを読みふけっていたボタンが、装置を調べる。

「…転送装置かな、これ?」
「テンソーソウチ?」
「人や物を、別のところに転送…つまりワープさせるってこと。わかりやすく言ったら…ボックス機能みたいな?ほら、あれも手持ちに入りきらんポケモンをゲットしたら自動的に転送されるし」

こちらの対象はポケモンではなく人間のみのようだけれど。

「なるほど~…えいっ!」
「えっ、ちょ!」

ボタン操作をしたネモが、装置から一瞬で消え失せる。言葉を失うぼくたちだったが、数十秒後に再び装置の中から飛び出してきた。

「すっごい!さっきね、上の観測所に居たの!これで何かあっても脱出は簡単かもね!」
「…特性マイペースなん?ネモ…」
「びっくりしたなぁもう…」

恐らくはこれが正規での移動方法なのだろう。ペパーもこれで脱出したの?

「いや、オレの時は…ソイツが機能しなくてな…そらをとぶタクシーに泣き入れて来てもらった」

オーリム博士とは連絡取らなかったのか…それとも取れない状態だったのだろうか?そういえば、ペパーとマフティフが襲われたのって…

「ああ、だいたいこのあたりだな。母ちゃんに会おうと思ってこっそり入って…見たこともねえ生き物に襲われたんだ」
ポケモン…だよね?」
「それすらもハッキリしねえんだよな…ポケモンってより、もっと凶暴で荒々しい…」

なんとなく、スパイス探しの冒険の時に出会った…ドンファンのようなポケモンを思い出す。あれも一般的に知られているドンファンとは明らかに違う、凶暴な感じだった。

「ちょっぴりワイルドめなポケモンとか?」
「いや全然ちげえから!もう生物として別モンっつーか…それに襲われて、オレのマフフティフは大怪我しちまって…」

二度と見たくない、ヤバいやつだとペパーがこぶしを握り締めた。

 

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エリアゼロを下り、二つ目の観測ユニットが近づいてきた。体力不足なネモが息を切らしてきたので、早いところユニットに行こうとしたところで、ボタンが足を止めた。

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「あれ?プリンじゃん。へぇ、外のポケモンも結構見るんね」

曲がりなりにもパルデア地方内だからか、見かけるポケモンにも見覚えがあるものが多いけれど、その中でも進化系の強いポケモンが多い印象だ。その中でプリンの存在は確かにかなり珍しい気がした。

「…うん?おいちょっと待てボタン、なんか様子が…」
「なに?どしたんペパー?ただの可愛いポケモンじゃ…」

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そう言ってプリン?に向き直ったボタンの眼の前で、プリンとは似ても似つかないほどに凶悪な表情と咆哮を放って見せた。

 

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第2ユニットで休憩しつつ、話題はさっきの奇妙なポケモンについて。ペパーは、持ち出してきていたスカーレットブックに書かれていた「エリアゼロの怪物」の正体ではないか、と仮説を立てた。

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ポケモンじゃないのかな…?」
「でも、さっきのプリンっぽいのはボール投げたら捕まえられたしねぇ…いや逃げられたんだけど。ポケモンじゃあなかったら、そもそもボールに入りすらしないんじゃない?」

ポケモンのような、それでいてぼくたちの知るポケモンとは明らかに異なる存在。それを指して、オーリム博士は第2ユニットのスピーカー越しに、それらを「古代のポケモン」だと教えてくれた。

『ワタシがいるゼロラボに、タイムマシンが存在しており、古代のポケモンを呼び寄せているのだ』
「タイムマシン…母ちゃんがずっと研究してたやつ…完成してたのか!」
『…ああ、その生涯をかけてね』

オーリム博士のその言葉に、ペパーは訝しげな視線でスピーカーをにらみつける。

「…アンタは、何のためにオレたちをエリアゼロに呼んだんだ?」

ペパーのつぶやきが、エリアゼロの大気に溶けた。

 

 

   -つづく-

 

 


わりといろいろ端折りながら書いてるんだけど、それでも長引くなぁ…さすが最終シナリオ。

一応、1話2000文字前後で書くようにしてるんでどうしてもブツ斬りになっちゃいますねぇ。これ以上伸ばすと書く方も読むほうもダレると思うし。

全3話くらいを想定していましたが、4~5話くらいかかるかも…?