炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(66):#藍の円盤⑫~荒ぶるテラパゴス!2つの心重なるとき【リプレイ風】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

 

 

 

 

テラパゴスはスグリマスターボールに入り込み、当然だがそのまま捕獲に成功した。

マスターボールを所持しているとは用意がいいね」
「別に…チャンピオンになったら貰えるだけで、特に使いどころなかったし」

無感動にマスターボールを拾い上げ、中を透かすようにスグリがじっと見つめる。さっそくブライア先生の提案でその力を試すことになり、ぼくとスグリは位置に着いた。

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「今度こそ…ヒイロに勝つ!」

マスターボールを放り投げた先で、テラパゴスが改めてぼくの前に立つ。次の瞬間、小型の亀ポケモンのような姿がカラフルな甲羅をもったそれに変化する。

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「なるほど…これがテラパゴスの特性…【テラスチェンジ】か」
「これが真の姿!?これなら…勝てる!」

一方ぼくが繰り出したぽにこオーガポン)</rpは、手始めにツタこんぼうを振り下ろす。直撃の瞬間、光がねじ曲がったような感覚があり、その衝撃を押し殺してしまった。

「だったら…"ばかぢから"だ!」

鬼の怪力を具現化したような一撃が甲羅に当たり…その効果はバツグンだ!

「えっ、弱点なんてあるの?ゼロの秘宝…なのに!?」
「そりゃ伝説でもポケモンだもんねぇ…ぽにこにだってあるわよ弱点くらい」

ゼイユが冷静にツッコんだ。

 

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攻撃面でもそこまで派手なものはなく、最終的にぽにこに押されテラパゴスは倒れてしまった。

「テラパゴスさえ…ゼロの秘宝さえあれば…強くなれるんじゃないの?ヒイロに…勝てるんじゃないの!?」

力なくうずくまるテラパゴスを見つめながら、スグリがこぶしを握り締める。

「スグ、いい加減もうやめ…」
「やはりおかしい」

諌めようとしたゼイユを遮るように、ブライア先生がテラパゴスに近づいた。

「テラスタルエネルギーの出力が低すぎるんだ。それに…スカーレットブックに描かれた姿とも違う」

そう言って本を見せる。確かにその挿絵はテラパゴスとわかるが、大きく姿が異なっている。これは…?

「そうか!テラパゴスはテラスタルエネルギーそのもの!であれば…」

何かに気づいたらしいブライア先生が、テラパゴスにテラスタルオーブを向けるよう指示した。テラスタルさせようというのだ。

「テラスタルオーブのエネルギーに呼応して…秘宝は秘宝たる輝きを発するだろう!」
「…わかった!」

その言葉に奮起したスグリが、テラスタルオーブをかまえる。その光がテラパゴスを包み…その真の姿がついにあらわになった。巨大な甲羅はさらに輝きを増し、その光はあらゆるタイプを秘めているように感じた。

「やはり…やはりスカーレットブックは…ヘザーは正しかった!これこそがゼロの秘宝…テラパゴスが、完全に目覚めた!!!」

歓喜に震えるブライア先生。すごいのはわかるけど…これ、大丈夫なのかな…?

「…テララララララ!」

迸る光が、衝撃となって周囲を破壊する。ちょっ、これって…!

「うわっ!」
「きゃっ!」

そして、その光のうちの一筋が、まっすぐスグリを目指して飛び…

「危ない!」
「…っ!」

間一髪で、マスラオコライドンが間に合った。

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「…大丈夫?」
「あ、う、うん…」

マスラオでスグリをかばわせながら、様子を見る。どうみてもいい状況じゃあない…!

「ちょっ、ヤバいよスグ!その子ボールに戻した方がいいって!」
「う、うん…!戻れ、テラパゴス!」

マスターボールを構え、回収用のレーザーを放つ。しかしその光はテラパゴスの燐光に跳ね返され…マスターボールが割れてしまった。

「…え?」

背後で真っ二つになったマスターボールが転がる。これじゃあボールに戻せない。こうなったら…!

「…ぼくが止める!行って、マスラオ!」
「アギャァァァス!」

吠え猛る翼の王が、ゼロの秘宝の前に立ちはだかった。

 

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荒れ狂う光そのものといえるテラパゴスの猛攻は、強靭な肉体をもつマスラオでさえ容易に傷つけていく。

「スグ!早くテラパゴスなんとかしないと!」
「こ、こんなはずじゃ…違う…俺のせいで…こんな…ことに…!?」
「ああもう!あたしが行く!出てきてヤバソチャ!」

呆然としているスグリをかばいながらで、なかなか攻撃もままならない。どうにか一撃入れても、いまいち手ごたえもない…これってもしかして…テラスタルシールドか?

「ならテラスタルが有効だ!やってみてくれたまえ!」

ブライア先生の指示に頷いて、テラスタルオーブを発動させる。竜の輝きをまとったマスラオの“ドラゴンクロー”がシールドを砕き、攻撃がようやくまともに通った。

「テララララララ…!」

テラパゴスの咆哮とともに、マスラオの纏っていたテラスタルが砕け散る。何が起きたの!?

「今のは…コライドンのテラスタルエネルギーを吸収した!?」
「そんなのアリ!?」

自分のテラスタルオーブを見る。一度エネルギーは使い切ったようだが、周囲のエネルギーを吸収しているらしい。しばらく持たせればもう一度テラスタルさせられるだろう。

「やばい!でかいのくるよ!ヤバソチャ、“いかりのこな”!」

テラパゴスの攻撃を誘導したヤバソチャが受け止め、力尽きたゼイユの相棒が地に伏した。

「やられちゃった!?なにこれ…強すぎなのよ!」

手持ちを失ったゼイユがスグリに参戦するよう発破をかけるが、ショックを受けたままのスグリは黙ったままだった。

 

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その後チャージを完了したオーブで再びテラスタルさせたマスラオで一撃を入れるが、さらにテラスタルエネルギーを奪われてしまう。ブライア先生の推測によれば、そう何度もできることじゃなさそうだけれど…それまで持つかな…?

「スグ!ヒイロが大変!」
「無理だよ…俺じゃ…」

悲痛な声が背中で聞こえる。ぼくは振り返って、スグリの目をまっすぐに見た。

スグリ…一緒に立ち向かって!…きみの力を…貸してくれ!」

すこしだけ振り返ったマスラオもまた、スグリを見つめて頷いて。

「…!」

ぼくたちの視線を受け止めたスグリは、一度瞳を閉じて…大きく開いた。

「うおおおおおおおおっ!行くぞ!ヒイロぉっ!」

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地面を蹴って、ぼくの隣に立つ。その瞳には、いつか見た輝きが宿っていた。

 

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「カミツオロチ!"ドラゴンエール"!」

スグリの相棒の雄叫びが、マスラオを奮い立たせる。続いてドラゴンクローでシールドを砕くことに成功した。

「エネルギーの吸収をやらない…もうバリアの再展開はできないようだね!好機だよ、ふたりとも!」
「あたしが許可するわ!やっちゃえあんたたちーっ!」

お互いに顔を見合わせて、頷く。

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「マスラオ!"アクセルブレイク"!」
「カミツオロチ…"きまぐレーザー"!」

2体のドラゴンの協力タッグが、ついにテラパゴスのテラスタルを打ち砕いた。

「よし!いまならボールに入れられるはずだ…!」

そう言ってスグリの方を向くと、彼は小さく首を横に振った。

「…ヒイロが捕まえて」
「…いいの?」
「ああ。ヒイロになら…任せられるから」

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けっぱれ!というぼくの大好きなエールに背中を押され、ぼくはボールを取り出す。大きく振りかぶって…

巨大な光の渦が消えうせたその中心で、動きを止めたモンスターボールが転がっていた。

 

 

 

 

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   -つづく-

 

 


瞳にハイライトが戻った瞬間、勝利を確信しました(小並感

やってることはソロでのテラレイドバトルなんですよねー。途中でゼイユやスグリが参戦しますが。

この時はタイプが推測できなくて手あたり次第やってました。結局特性でコロコロ変わられるんで結局よくわからずゴリ押ししてましたがw
後で確認したタイプをみて成程納得って感じです。

さて、ちょっと長い文章になってしまいましたが、いよいよ藍の円盤編も次回がラスト。もう少しだけお付き合いくださいな。


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