【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。
問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。
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消滅した結晶体の向こうに通じる道を進む。大穴の上層でも、岩盤や樹木がテラスタルに浸食されているのを見かけたけれど、さすが最深部のさらに奥地なだけあってかその浸食度合いはこれまでの比じゃない。
「また塞がってるわね…岩っころのくせにあたしを止めるなんてナマイキ!」
周囲を探すと、先ほどのキラフロルと同じようにステラのテラスタルエネルギーを帯びたオンバーンを発見。少し遠いところだったのでマスラオで飛び上がって近づき、ぴろのれいとうパンチでノックアウト。
「でかしたわヒイロー!結晶消えたわよー!」
その後も少しずつ進むたびに結晶体が行く手を阻み、そのたびにステラの力を秘めたポケモンを探すことに。マスラオ大活躍だ。
「ぽにこ!ツタこんぼう!」
碧の仮面をかぶったぽにこの一撃が、キョジオーンを粉砕した。ふと見上げると、すべてが結晶化した巨大な樹がそびえたっていて…ぼくは思わず息をのむ。
「お、おーい、先…進めるよ…!」
うっすらと聞こえたスグリの声で我に返り、みんなのもとへと戻る。
「ほらスグ!なんか言うことあるでしょ?」
「いや、別に…ヒイロに頼りっぱなしだなって、思っただけだよ…」
ゼイユにせっつかれたスグリは、目を伏せたまま呟いて、そのまま背を向けて先に進んでしまった。
「素直じゃないわねー…」
その様子を見たゼイユが肩をすくめて見せた。
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大空洞にいたのは、決してステラをまとったポケモンたちだけではなく、岩盤にい潜むメレシーやキラフロルなど野生のポケモンたちも多い。ブライア先生は(ポケモンの学校の先生なのに)ポケモンを所持していないため、ゼイユが護衛として彼女に代わり野生ポケモンを相手にしていたようだが、回復アイテムを切らしてしまったらしく、今はもうヤバソチャしか戦える手持ちが残っていないという。
「何かあったら助けなさいよね!」
「うん、まかせて!」
「…やっぱナマイキ」
またほっぺを引っ張られた。なんでさ…
「…あれ?テラスタルオーブが…」
と、先を進んでいたスグリが足を止めて、自分のオーブを覗き込んでいた。ぼくのオーブも取り出してみると、さっきの戦いで使い切っていたはずのテラスタルエネルギーがチャージされている。ブライア先生によると凄まじいまでに高濃度なテラスタルエネルギーが検出されているらしいけど…
「この奥から放出されているというのか…?」
その言葉にぼくたちは一斉に先を見る。例の伝説…テラパゴスがいるとすれば…
「ゼロの秘宝…きっとあそこに…!」
いうが早いかスグリが駆け出し、ブライア先生もまた「スカーレットブックの真実!」と叫んで飛び出してしまう。
「…やれやれって感じ」
ぼくとゼイユは顔を見合わせて苦笑するのだった。
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浸食どころか完全に結晶と一体化してしまっている岩盤のトンネルをくぐり、開けた場所に出る。
「何ここ…随分雰囲気違うわね」
巨大な結晶が折り重なり、これまでとはまた違った神秘さを感じる。まるで祭壇だ…
「ゼロの秘宝…どこだ…?」
「あそこだスグリくん!奥の柱に何かある!」
先行していた二人が何かを見つけたらしい。良く見ると、奥の柱の足元に小さな6角形の宝石のようなものがある。あれが…秘宝?
「確認するので待ちたまえ」
ブライア先生がヘザー氏の手記を開き調べようとするのを横目に、スグリはやおらその宝石を掴んだ。
「ゼロの秘宝さえ手に入れれば…今度こそヒイロに勝てる!」
「スグ、あんたまだそんなこと…!」
ゼイユの声に「ねーちゃんは黙ってて!」と叫ぶスグリ。
「俺は…ヒイロがうらやましい…!ポケモン強くて!どこへでも行けて!誰とでも仲良くできて!」
張り付いたまま離れない宝石を引きはがそうとしながらその心情を吐き出していく。
「俺がずっと好きだったオーガポンにも認められて…!」
「あんただって頑張ってたじゃん!」
「ねーちゃんだって!!最初イジワルしてたくせに、すぐヒイロのこと好きになって!」
「それは…」
宝石を引っ張りながら、自分には何も無いと言うスグリ。
「血がにじむ努力しても無駄だった!かなわなかった!俺には…もう、これしか…!」
…なんで、そんな悲しいことを言うんだろう。キタカミでもブルーベリーでも、きみのポケモンは強かったし、どんなに怒られたって鬼が山に行くし、ブルーベリーのみんなも、きみのことを心配してた…きっと仲良かったよね?
「やはりその結晶しか考えられない!さぁスグリくん!ゼロの秘宝を引っこ抜くんだ!」
そんな彼の心情を知ってか知らずか、ゼロの秘宝に執心するブライア先生がスグリをはやし立てる。やがて張り付いていた宝石が引きはがされ…スグリの手に納まった。
「これが…!」
「ああ、間違いない!」
手記とその宝石を照らし合わせた先生が叫んだ瞬間、その宝石が輝き…
「パゴーっ!」
宝石は、小さなポケモンになって飛び出した。この子が…テラパゴス?
「…パゴ?」
テラパゴスと思われるポケモンはゆっくりと目を開き…ぼくを見る。そしてそのままこっちに向かい歩き出し…
「…っ!」
次の瞬間、泣きそうな表情のスグリがマスターボールを投げつけた。
-つづく-
ここまで見てておつらいライバル初めてなんですが…ほかにいた?こんなタイプの子?(第5~8世代くらいまでノータッチ)
この時特に選択肢もないので、スグリの独白に対して言い返すこともないのがね…とりあえず感じたことはこの場で文章にしましたが(口に出してない時点で一緒)。
マスターボールについては、ブルベリーグのチャンピオン報酬としてもらってたので、スグリもそのタイミングでもらったものなのでしょう。結構入手タイミング多いな今作…基本的にワンオフのイメージがあったのでちょっと驚いてますw自分が貰った分を除いても、複数人に与えてたり本編でもオーリムAIが手持ちパラドックスを用意するのに使用してたので…少なく見積もっても14個くらいはあるはず?(ブルベリーグチャンピオン×3、大穴帰還後のホームウェイ組に1個ずつで4、終盤のオーリムAI戦の6体分+守護竜コライドン用の1個)
大穴に跋扈しているパラドックスの数だけ捕獲に使用していたのなら、その数は想像つかねえ…どこ製?シルフ?
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