炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート:番外編⑫〜ようこそオレンジアカデミーへ!ブルーベリーからの留学生【#ポケモンと生活】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレ…は特に含まれていませんが、一応ストーリーを経た時間軸の設定の為、一応注意です。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

 

 

パルデア行きの飛行機に乗り、大穴へと向かう前に一度オレンジアカデミーへ。今回のエリアゼロ探索はリーグ公認である以上認知済みだろうとはいえ、一応校長には報告しておいた方がいいとなったのだ。

「と、いうわけで…ここがテーブルシティ。向こうに見えるのがオレンジアカデミーだよ!」
はえー…わかっちゃいたけどでっかいわねぇ…あ、ほらスグ、バトルコートあるわよ!」
「ここにはジムはないけど、今は学校最強大会で使われることが多いよ」

なにそれ面白そう!とゼイユが食いつきスグリに同意を求めているが、当のスグリは生返事で暖簾に腕押しって感じだ。

「あ、ヒイロ!おーい!」

地獄の階段をえっちらおっちら登りきり校門をくぐると、校舎の前でネモが大きく手を振っているのが見えた。よく見るとボタンやペパーも一緒だ。

「おかえりヒイロ!聞いたよ!またエリアゼロに行くって?しかも今回はリーグ公認なんでしょー?」

いいないいなーと羨ましそうにはしゃぐネモをなだめながら、ブルーベリーからのお客様を紹介。

スグリくんに…ゼイユさんね!私はネモ。オレンジアカデミーの生徒会長で…ヒイロのライバル!」
「いきなりどんな自己紹介ちゃんだよ…あ、オレはペパー!こっちはボタンな」
「…ども」

お互いに顔合わせしたところで、ゼイユがネモとボタンを交互に見た。

「ふぅん…あんたたちがヒイロの…へぇ…」

意味ありげに呟きながら、ぼくの方を横目で見る。な、なに?

「べっつにー。随分女の子と仲良いんだなーってくらいにしか思ってないし」
「うん、仲は良いよ!ライバルだし、友達だし!毎日付き合ってくれてるし!」
「はぁ!?付き合うって何!?」
「勝負!ポケモン勝負の話だから!」

妙に誤解を招く言い回しはやめてネモ!

「…えと、ゼイユも…ヒイロとは仲…いいん?」
「え?あーまあ、うん…いいんじゃない?ちょいちょい通話してたし…ねえ?」
「…へぇ」

今度はボタンが意味ありげな視線。

「…うん、まあがんばれ」

なぜかペパーに肩をポンとたたかれた。

 

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校長への挨拶と報告が終わって、ふと気がついた。

「そういえば…今回の交換留学でブルーベリー学園からはどんな子が来てるの?」
「ああ、それならさっき連絡入れたからそろそろ戻って…お、噂をすればなんとやらちゃんだな」

ペパーの手招きに気づいた女生徒が一人、小走りに駆け寄ってきた。ブルーベリーの制服に身を包んでいたのは、ぼくと同い年くらいの金髪の少女だ。

「あなたがヒイロさんですね?」
「うん。ええと…きみがブルーベリー学園からの?」

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「ええ…初めまして。わたくし、フランチェスカ・V・ムラサキと申します。どうぞ“フラニー"とお呼びくださいませ」

ハーフパンツの裾をスカートのそれを持ち上げるようにそっとつまみながら、軽く会釈。え、この子もしかして結構なお嬢様?

「…違うわよ」

ため息混じりにゼイユが呟く。

「その子、昔から本の虫らしくてね。昔に読んだお嬢様が主役の小説を真似してるうちに身についちゃったんだって。実家はめっちゃフツーの家よ?」
「ええ…?でもミドルネームとかあるし…?」
「あぁ、それ自称ですの。おじいさまのファミリーネームから勝手に拝借して」
「自称だったん!?」

ボタンが目を丸くしていた。いやみんなも知らなかったの!?

「いや、深く詮索するもんでもないかなーと…」

ネモ曰く、彼女も課外授業たからさがしをやっている最中とのこと。今はパルデアリーグのジムを全て回り切って、チャンピオンクラスに挑戦しようとしているところだとか。

ヒイロにも負けないくらい強くってね!学校最強大会にもよくエントリーしてくれてるの!」
「毎回決勝でネモさんに一手及ばないのが面映いのですけれど…」

まぁネモに勝てたら間違いなくチャンピオンクラスだよ。がんばってね!

 

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「そういえばゼイユ姉様がいらしているということは…スグリくんも?」
「ワンセットみたいに思われてるのあたしら…?いやいるけど…って、あれ?」

気づくとすぐ近くにいたはずのスグリの姿がない。土地勘のない所だからそう遠くには行ってないと思うけど…

「ちょっと探してくるよ」

エントランス兼図書館となっているホールは本棚と言う名の遮蔽物が多いので、人ひとり探すのもちょっとしたかくれんぼだ。しかし、探し人はわりと早めに見つかった。

「ああ、スグリいt…」
「しーっ!しーっ!」

ぼくの手ををひっつかんで思い切り下げる。しゃがみこんだスグリと同じ視線の先には…フラニーさん?

「俺…ちょっとあの子苦手で…」

どうやらかなりグイグイくる性格なようで、ポケモン勝負にも積極的なのだが、全力で叩き潰してもあきらめずに何度も何度も挑戦してくるので少々辟易しているらしい。ブルーベリー版ネモみたいな子だな…

「それにしても…」
「?」
「強くなっても苦手な子は苦手なままなんだね?」
「う、うるっさい!」

スグリが耳を真っ赤にして顔を逸らす。

「見つけましたわよ!スグリくん!」
「うわぁっ!?」

ラニーさんのスグリを見る眼光がジムチャレンジの時にぼくを見つけたネモのそれだった。

 

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その後ネモとフラニーさんの圧に負けて彼女たちを交えて学校最強大会にエントリーすることになったり(もちろん優勝した)、ペパーが歓迎とばかりにかき集めた秘伝スパイスでサンドウィッチパーティーという名のピクニックを開いてくれたりと大いに盛り上がり、ぼくは久しぶりに平穏(?)な1日を過ごすのだった。

「電気、消すよ?」
「…ん」

そして夜も更けて。
スグリはぼくの部屋で、ゼイユはフラニーさんの部屋に泊まることになった。

「ベッド貸すって言ったのに…」
「いいよ、床で」

毛布に頭までくるまってぼくに背を向けるスグリの、その表情は読み取れない。

「…楽しみだね、エリアゼロ」
「…ん」
「見つかるかな?伝説のポケモン…テラパゴスって言ったっけ?」
「…見つかる。いや、絶対見つける」

ぽにこオーガポンとのこともあるし、伝説のポケモンという存在になにか思うところがあるのかもしれない。

「…そうだね。きっと見つかるよね」

部屋の照明を落として、ベッドにもぐりこむ。長旅と大会の疲れが一気に出てきて、意識が遠のいて…

「…おやすみ、スグリ
「…おやすみ」

どうにかその言葉を絞り出して、ぼくは意識を手放した。

 

 

   -つづく-

 

 


ゲームだと出発したら色々すっ飛ばしていきなりエリアゼロ入りしてたので、さすがにそれはキンクリが過ぎるやろ!ということで捏造ねじ込み。ブライア先生?多分ゲストルームで寝てるよ!もしくはテンションウッヒョー!で眠れてないかもな!w

いきなり生えてきたブルベリ側の交換留学生ですが、当然ですが捏造です。というか一切言及されてないんですよね…「交換」留学じゃねーのか。

まぁいまさら主人公と直接絡まないであろうネームド出すのもアレだし、モブ出すぐらいなら言及しないほうがマシではあるのはそうなんですが…

ちなみにこの子のモデルは別途進行しているバイオレット版のカスタム主人公ちゃんです。スグリに対しては…まぁあんな感じで。なんでそんなに彼に執着?してんのかは筆者にもわからんw


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