炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(70):キタカミ旅行に行こう!③~踊る恐怖!宵闇のキビキビダンス【#リプレイ風】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「碧の仮面」「藍の円盤」「番外編/キビキビパニック」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

 

 

キビキビ踊り暴れる?ゼイユを5人がかりで抱えて家の中に押し込む。スグリが言うには、ぼく宛の手紙を出した翌朝から様子がおかしくなったようだ。おじいさんとおばあさんが見張ってたのだけれど、抜け出してきたらしい…いやどういう状況!?

「たぶん、ヒイロたちと会えるの楽しみで気分が上がってるだけだと思うんだけど…」

…や、ゼイユってそんな子だっけ?

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「…やっぱ変だよな。村の人が言うように…呪い…なのかも」
「呪いだって?」
「突然のオカルト感…ゾゾゾ」

うーん…そんな伝承、キタカミにあったっけ?前に公民館の資料を調べてたときは、鬼とともっこのことしか調べてなかったけど、人が急に踊りだすとかそんなのはなかったような…

「ん…伝承にかかわるポケモンについては…オーガポンにしたってともっこにしたって、ヒイロがみんなやっつけるなり捕まえるなりしたからなぁ…」
「だよねぇ…」
「いやしれっと言ってるけどわりとどこでもやりたい放題ちゃんだなヒイロ…」

はは…チャンピオンなので!

「俺のねーちゃん、自由過ぎてワガママで、口も悪いけど…はやくいつものねーちゃんに戻ってほしい」

うん、それはぼくも同じだよ。ぼくたちで力を合わせて、ゼイユを元に戻そう!

 

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日も暮れてきたので、本格的な原因究明は明日から…ということになり、スグリ主催のもと、公民館で歓迎会を開いてくれることに。

「…前にアカデミーでやってくれたの、嬉しかったから…そのお礼も兼ねてな。さすがにサンドウィッチは上手に作れないけど…」
「気にすんな!なんならオレが作ってやるから!」
「い、いや今日はそっちがゲストだから、もてなされててけろ…」

ぼくたちが来る前に買い込んでおいたというお菓子や、お祭り屋台の焼きそばなどが並ぶ。まだお祭りやってるんだね。

「結構長いことやんだ。ねーちゃんのこと解決したら、みんなで行こな!」
「おう!楽しみちゃんだな!」

屋台の料理に期待したらしいペパーがサムズアップした。

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「ジュース買ってきたよ!」

と、飲み物を買い損ねていたことに気づいて買い出しに行っていたネモが戻ってきた。

「桃沢商店、場所わかった?」
「すぐわかったよ!近かったしね。ただ…お店の人いなかったから、お金だけ置いてきたんだけど…良かったのかな?」
「ああ、桃沢のばっちゃんたまに居なくて、みんなそうしってから平気!」

スグリがあっけらかんと言う。そういえば無人の販売所とかもあったよね。おおらかというかなんというか…

「うん?ネモ、なんか食べてる?」

口元がもごもごしているのに気づいたボタンがネモにたずねる。

「ご自由にどうぞって、おもちが一つだけ置いあって…んっ」

ごくんと、もちを飲み込んだネモののどが鳴った。

 

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その後は料理やお菓子をつまみながらおしゃべりしたり、観光案内のムービーから一向に変わらないテレビのチャンネルを変えるべく、管理人さんが隠したらしいリモコンをさがしたりとにぎやかに過ごして…

「…ねーちゃんの事、心配?」

ふとスグリに声をかけられて、ぼくは我に返った。少しぼーっとしてたみたい。

「うん…せっかく会えたのに…って、いやスグリに会えたことも嬉しいよ?」
「はは…とりつくろわなくていいって。ねーちゃんもヒイロが来るの、すっごく楽しみにしてたし」
「そうなの?」

スグリがぼくに会いたいって思っていたところに、キタカミに招待することを提案したのがゼイユだったそうだ。

「それに…ねーちゃんもなんかソワソワしててさ。たまにしか見ないネットのメイク動画?とかずーっとリピートして鏡の前でにらめっこしてんの…あ、俺が見てたってこと、ねーちゃんにはナイショな?」
「へ、へぇ…」

ぼくに会うのに、そんなことまで気にしてくれてたのか…ちょっと嬉しくて、ちょっとむずがゆい。

「…だから、ぜったいねーちゃん元に戻そな!」
「うん!」

いつしか外はとっぷりと暮れていた。

 

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「…あれ?」

最初に違和感に気づいたのはペパーだった。

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「ネモのやつ、どこいった?」
「あれ?そういえば…トイレかな?」
「いや、トイレならさっきうちが行ったけど…そん時はおらんかったよ?」

もう寝たのかもしれない。お嬢様で生徒会長なネモは、実は結構規則正しい生活を送っていて、決まった時間に寝起きしている。

「まぁ、たまにぼくとの勝負で時間忘れて、気が付いたら寝落ちしてるときあるけど」
「マジ、ネモいな…」

バトル好きな生態にドン引きしつつ、ボタンがネモを呼び出すべくスマホロトムを鳴らす。

「んー…出んねぇ?」
「…あれ?おかしくねえか?なんで今電話してんのに、ネモのスマホロトムの着信音が聞こえねえんだよ?」

言われて見ればその通りだ。スマホロトムは基本的にはTPOに応じて中のロトムが自動でマナーモードへの切り替えをしてくれるから、この状況だったら着信音が鳴るハズだけど…

「そういうもんなんだ?んだばネモさんは…」
「少なくとも公民館にいない…外に出てる?」
「ま、そう考えるのが自然だな…買い忘れでもあったか?」

とはいえ、外はもうかなり暗い。土地勘のないネモが万一村からはずれてしまったら迷子になるどころではない。…まぁ野生ポケモン相手にどうにかなるネモじゃないだろうけど。

「ん…ヒイロ。俺と一緒に探しにいこ!」
「うん!」
「よし、じゃあオレらも…」

手伝うと言いかけたペパーを、スグリが首を横に振って制した。

「入れ違いになっちゃうかも知れないから、ペパーくんとボタンさんは公民館さ残ってて。もしネモさんが帰ってきたらヒイロに電話してほしいんだ」
「確かにな…わかった」
「気を付けてね!待機はまかせろー!」

ペパーとボタンの声援を背に受けながら公民館を出ると、すぐ近くに村人を見つけた。スグリによれば近所のリンゴ農家の夫婦のようだ。まずは聞き込みをしてみよう。

「んだな…すみませーん!」
「学生服を着た女の子、見ませんでしたか?」

駆け寄って声をかけてみる。しかし、二人は聞こえていないのかどこかを見つめているようにぼーっとしている。

「なんか…様子が変だね…?」
「おっちゃん!おばちゃん!聞いてるー?」

スグリが再度声をかける。と、二人の口元からなにやら声が漏れ聞こえた。

「キ…キ…」
「キビ…キ…ビ」

次の瞬間、二人が僕たちの方を向いて…

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「キビキビー!!」

…勢いよくステップを踏み始めた!

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「わぎゃーっ!?な…なんだなんだ!?」

驚くぼくとスグリの眼前で踊る夫婦は、キビキビー!と叫びながら、ぼくたちに向けてポケモンを繰り出してくるのだった…

 

 

   -つづく-

 

 


さぁいよいよホラーじみてまいりました。
無人販売所はともかく、有人の売店でご自由にお金置いて買い物ってどうなんだろう…マジの田舎だとあるの?ほんと?

まぁ今の商店、LPも使えるから現ナマ置いてくよりは安全かもしれないけど…でもネモ現金置いてったぽいし…ううむ?

さて、唐突に始まったダブルバトル…おもいがけずスグリとの共闘になったのでちょっとテンション上がっております。長い夜は、始まったばかり…!