炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート:キタカミ旅行に行こう!⑦~みんなとオモテ祭り!【番外編】

【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「藍の円盤」に関するネタバレ…は特に含まれていませんが、一応ストーリーを経た時間軸の設定の為、注意喚起です。

問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。

 



 

 

 

モモワロウがもたらした大騒動キビキビパニックから一夜明けた。

とくに大きな物的被害やけが人なども見られず、朝から平穏な一日が始まった…とも限らなくて…

「うぉぉぉ…き、筋肉痛ががががが」

公民館の寝室から、のそりのそりと壁に寄りかかりながら出てくるのはボタンだ。相当激しく踊ってたもんなぁ…

「な、なんでペパーやネモは平気なんよ…」
「ま、鍛え方が違うちゃんだな!」

力こぶを作ってドヤ顔をするペパー。ボタンはともかく他の村人たちより踊りが控えめだったというのもあるんだろうなぁ…恥ずかしがってたし。

「筋肉痛はないけど、なんかずっと疲れてる感じ…気が付いたら手持ちも代わってたし、なにがあったんだろ?」

ネモのスマホロトムから行動履歴を調べたところ、キタカミセンターから鬼が山を登って北の原生地域、そして楽土の荒地からフジが原を通ってともっこプラザに回ったのが確定した。正直マスラオコライドンで回っても結構な距離だし時間もかかるはずなんだけど…爆速で移動してかつポケモン2匹捕まえて育てて…恐るべし、ネモのポケモン本能。

「みんな、おはよ!」

ネモがボタンにマッサージをしていると、スグリとゼイユが公民館にやってきた。

「おはよう二人とも。ゼイユは身体、大丈夫?」
「まぁね。あたしだってフィールドワークやって鍛えられてんだから、そんなヤワじゃないわよ」

ふふん、とゼイユのドヤ顔がまぶしい。

「よかった、なんともなくて」

ぼくがそう言うと、「心配し過ぎよ…ばか」と視線を逸らした。

「そういや、今日はなにかやるのか?」
「うん。みんなでオモテ祭りさ行こうと思って!」

じゃーん!とスグリとゼイユがじんべえを広げてみせる。これ、みんなの分?

「ああ、ゆうべ帰る前に服のサイズ聞いてきたの、このためだったのか」
「祭りに行くならじんべえ着ないと、カッコが付かないしね!」

またゼイユのじんべえ姿が見られるのか…楽しみだなぁ。

 

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筋肉痛で動けないボタンの回復を待って、夜になってから出発することに。

「大丈夫?」
「ん、もう歩くくらいなら問題ないよ。もともと身体は丈夫な方だし」
「まぁ、実際エリアゼロ歩き回れる実力はあるもんなぁ」

軽快に歩くボタンは鶯色うぐいすの、となりのペパーは白梅鼠色しらうめねずのじんべえを着ている。おばあさんヒエさんによって髪を結ってキタカミアップにしてもらったボタンの頭上で、チョンマゲがぴょこぴょこと跳ねた。

「動きやすいね―これ!」

ぱたぱたと雪駄を鳴らして少し前を歩くのは紺青色こんじょうのじんべえをまとったネモだ。ボタンと同じく髪を結ってキタカミポニーにしてもらっている姿は、服が変わったこともあって新鮮に見える。

「ちょっと、あんま先行くんじゃないわよ!迷子になるわよー?」
「だーいじょーぶ!なんか道覚えてるっぽい!」

ゼイユの心配をよそにすたすた先に行ってしまう。いやまぁ確かにキタカミセンターに行ったことはあるけども…操られてるときに。

「なんというか、さすがあんたの友達って感じね…」
「や、一緒にされるのちょっと心外なんですが」

ズレたイーブイリュックを背負い直しながら、ボタンが渋い顔をした。

 

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祭りばやしがはっきりと聞こえ始め、周りの温度も上がってきたように感じる。この雰囲気がなんとなく気に入っているのは、ぼくの中に流れるキタカミの血が騒ぐからだろうか?

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「おおー…」
「屋台がいっぱい!」
「屋台もお祭りもパルデアにあるけど、それとはまったくちがうな!」

キタカミの祭りの空気に圧倒されながらも、ネモたちは思い思いに屋台へと駆けていく。

「あ、そうだ。せっかくだし…出ておいで、ぽにこオーガポン!」

相棒を呼び出して、一緒に祭りを楽しむ。

「ぽにおーん!」
「あ、鬼さま!」
「オーガポンさまだ!」

久しぶりのオモテ祭りにはしゃいでいるぽにこに、村の人たちが気づいて、ちょっとした人だかりができる。初めて会ったときは村に入るのも怖がっていたぽにこだったけれど、村人たちに受け入れられて以降は、ぼくとの冒険を経たこともあってかすっかり人慣れしているようだ。

「鬼さま!このお面もつけてみて!」
「オーガポンさま!できたてのキタカミもち、おあがりよ!」
「あ、ずるい!じゃあウチはりんご飴だ!」
「ぽ、ぽに…」

村人たちから腕いっぱいにお面や屋台の料理を受け取って、嬉しそうだがちょっと困惑気味のぽにこ。奥の社にいる管理人さんからお盆を借りて載せていくと、ちょっとした山が出来上がった。

「ぽにおーん♪」
「ふふっ、おいしいね」

どこに指があるのか、それなりに長い付き合いだけどいまだによくわからないが、ぽにこは器用に箸を持って焼きそばをすする。

「あはは、青のりついてるよ?」
「ぽに?…が、がお」

頬についた青のりを拭き取ってあげると、ぽにこが照れくさそうに目を伏せた。

 

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「おーい、ヒイロ!」

食べ過ぎてまんまるになったぽにこのお腹をさすっていると、ペパーが声をかけてきた。お面をつけたり飴を持ったりと、しっかりお祭りを満喫中のようだ。

「なぁ、鬼退治フェスっての、オマエも林間学校の時やったのか?」
「あ、うん。やったよ」

と、そのフェスの会場からネモが帰ってきた。チャレンジ中だったようだ。

「オレたちもオドシシやモトトカゲ使って挑戦したんだけど全然ゼイユに敵わなくってよ…」
ヒイロ、いっちょリベンジよろしく!」

うーん、ぼくも前にやったときはゼイユのスコア越えられなかったんだけど…まぁ、あの時はマスラオも本調子じゃなかったし、今やったらいけるかも…?

「あら、今度はヒイロの番?リベンジのつもりなら…負けないわよ?」

ハイスコアを更新したらしいゼイユが、澄ました表情で腕組みして見せた。

 

 

   -つづく-

 

 


番外編のラストでちょろっと語られたお祭りのエピソードを盛るペコしました(ぇ

ほぼホームウェイ組のじんべえ姿を妄想するだけの回みたいなもんですが。
絵は描けないので誰かオナシャス!髪型も変えてるんでヨロシク!(超他力本願

鬼退治フェスは、林間学校編での実プレイ時は本編やってなかった素の状態のコライドンだったのでまぁへっぽこな点数でしたね…ゼイユのスコアが6390ポイントと地味に高めなんで、やっぱりクリア後想定の難易度にはしてたのかな?のちにライド技全開放してから挑んだらちゃんと超えられたし。

次回はゼイユとの絡みメインでお祭りの続き書きますわよ!