【注意!】
本エピソードには、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」「ゼロの秘宝」「碧の仮面」「藍の円盤」「番外編/キビキビパニック」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをまだ始めていない人で、これから楽しもうと思ってる方は閲覧をご遠慮いただくことをお勧めします。
問題ない方は、そのままどうぞお進みくださいませ。
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決意を新たにするぼくたちの耳に、スマホロトムの着信音が届く。ペパーからだ!
『ヒイロ!そっちは無事か?』
「なんとかね…ペパーたちは?」
『こっちは大丈夫だ!ボタンがビビり散らかしてっけど!』
ぼくたちからの連絡が来ないから、様子を見に外に出たようだ。同じようにキビキビ踊る村人たちに襲われてはいたものの、どうにか対処はできてるみたい。
「ペパーくんたちも強いんだな…」
「ウチの学校最強大会の常連だしね」
『で、今オレたちは桃沢商店の前にいるんだが…』
と、スマホロトムのスピーカーからの音声が乱れる。どうしたの?
『わっ!わっ!!なんかおる!おるーっ!!』
通信相手がボタンに代わった。何かを発見してパニックになっているようだ。
「ペパーくん!どうしたんだ!?」
『げっ!なんだ!…やべっ!』
ペパーの慌てた声を最後に、盛大な物音がスピーカー越しに聞こえて…それきり通信が途絶えてしまった。
「いったい何が…」
「二人のところに戻ろう!」
ネモのことも気がかりだけど、現在進行形で何か危ない目に遭っているペパーたちを放っておくわけにはいかない。
「んだな…じーちゃんばーちゃん、ここで待っててな!」
ぼんやりとキビキビ呟く祖父母に言い聞かせて、スグリが踵を返した。
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ペパーたちはそのまま桃沢商店前に残っていた。かなりパニクってたみたいだから、どこかに行ってしまったかもと思っていたけど…どうにか無事みたいだ。
「電話切れちまって、心配かけたな…ボタンがビビってスマホに頭突きしてきてよー…」
「や、だって村の人ヘンだし!なんかヘンなのもいたし!」
弁解するボタンの額がうっすら赤い。相当勢いよくぶつかったのだろう。
「変なのって…?」
「だからそんなのいねーちゃんだって!ずっと探してても見つかんねえんだろ?」
ペパー曰く、ボタンがなにやら変な丸っこいものを見かけたらしい。それって…
「ほら、ほらあんなの!」
ボタンが上空を指さす。
「って、いたし!あれ!うちが見たやつ!」
確かに変な丸っこい物体…あれ?似たようなのを商店の棚で見かけたような…?
「なんなんあれ…ドローン?」
そのわりにはふよふよと羽もプロペラもないのに飛んでいる。ドローンじゃなくてポケモンじゃ…
「モモ…ワーイ!」
モモンの実のようなその姿がパカっと二つに割れ、中から知らないポケモンが出てきた…と思った瞬間、何かを撃ち出してきた!?
「うわっ危なっ!」
「んぎゃっ!?」
ぼくが何かをかわす隣で、スグリの額にそれが命中していた。これは…さっきの餅?
「ダメだ!二人とも餅に気を付け…!」
「…おっ、これ餅か?」
「ほのかな甘みが…イケる…?」
…あ。
「二人ともそれ食べちゃダメなやつ!ぺっして!吐き出して!」
スグリの必死の呼びかけもむなしく、二人の喉を桃色の餅がすり抜け…
「キビキビー!」
「わや…まただー!!」
片や、なんだかちょっと恥ずかしげに控えめなダンスを踊るペパー。
片や、妙にハイテンションでステップを踏むボタン。
その二人の後ろで、桃色の小さなポケモンがやたら偉そうにふんぞり返る。
「モモワーイ!」
鳴き声に導かれ、2人がこれまでの人たちがそうだったようにモンスターボールを繰り出した。
「気を付けて…ネモほどトンデモじゃないけど、この二人も強いよ!」
「わ、わかった!」
フィールドに躍り出たヨクバリスとブラッキーに向けて、ぼくたちはモンスターボールを構えた。
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「次は…おまえだ!」
「モッ!?…モモモー」
ペパーたちをおとなしくさせて、その隙にコソコソと逃げようとしている謎のポケモンに対しスグリがタンカを切る。ブルベリーグチャンピオンだった頃を彷彿とさせる迫力に驚いた謎のポケモンがものすごい勢いでアップルヒルズの方へ駆けていった。
「待てーっ!」
「わっ、ちょっと待ってスグリ!」
傷ついた相棒たちをポケモンセンターで回復させて、ぼくはスグリの後を追う。
見たこともないポケモンだけど、どうやらあいつが今回の事件の元凶のようだ。早く何とかしないと!
-つづく-
キビキビボタンの荒ぶりがちょっと笑ってしまったゴメン。
通常時と手持ちが減ってるのは、メタ的には6×2の12体相手はさすがにダレるからってのと、主人公たちが駆けつけるまでに襲ってきた村人との戦いで手持ちが倒されてたのかも?だとしたら目の前にポケセンあったのになんで…?ってなるけど。
さて、本格的に登場してきた謎のポケモン…いよいよ物語も佳境へ!