炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ARCHAIC ACTION】シーン5

「俺、漢堂ジャン! 激獣タイガー拳だッ!!!」
 名乗るが早いか突貫してくるジャン。
「うりゃあっ!」
 アンブレイカブル・ボディの異名に違わぬパワーを纏った拳が飛ぶ。
 その威力たるや、掠められた頬が、十二分に実感していた。

(…でけぇ!)

 荒削りながらも、そのポテンシャルの高さに、リュウは内心驚愕する。
「ハッ、ハッ、だりゃーっ!」
 立て続けに連撃を繰り出すジャン。しかしリュウはそれらすべてを紙一重でかわす。
「にゃーっ! 逃げるな!」
「無茶言うな!」
 とはいえ、かわしてばかりでも手合わせにならない。リュウが反撃に転じた。
「せいっ!」
 前方に蹴り上げた足刀がジャンの胸板を直撃する。
「だぁっ!」
 が、ジャンは微動だにせず、反撃を許してしまう。
「ぬお!?」
 一瞬怯んだが、その程度で体勢を崩すほどではない。
「…よぉし、これで!」

 リュウが構えなおし、突撃する。
「ゲキワザ!」
 咄嗟に防御するジャンに、リュウの拳が…

「…猫騙し」
 炸裂しなかった。
「んにゃ!?」
 眼前ではじけた音に、ジャンが目を白黒させる。
「あらよっと!」
 怯んだ隙を突いて、ジャンの側頭部にソバットを繰り出す。
「んぐっ!」
「まだまだっ!」
 ジャンのタフさを考えれば生半可な攻撃はそうそう通用しない。
(なら…なるべく多くの隙を作って…弾弾脚を叩き込むッ!)

「せりゃぁ!」
 蹴りを、突きを、多彩なフェイントを交えながら、ジャンをかき混ぜる。
「にゃー! だましてばっかずりーぞ!」
「ジャン、フェイントよ!」
「ちゃんとした戦術だ! しっかり見極めるんだ!」
 イライラするジャンに、ランとレツが助言する。
「もらった!」
 そしてその隙を、逃すリュウではもちろんない。

「ゲキワザ・弾弾脚ッ!」
 全力の飛び蹴りを浴びせる―――
「ンならぁ!」
 が、その足を素手で受け止められた。
「何ぃっ!?」
「おぉぉぉぉりゃああああ!」
 そのまま力任せに放り投げられる。
「な、なんつーデタラメなやっちゃ…!」
 かろうじて受身を取るが、今度はジャンが肉迫してくる。
「ハァーッ、ヤァッ!」
「うおっ!」
 重い蹴りを床を転がって回避する。

(マスター・シャーフ…あなたって人は…すげぇヤツを弟子にしたモンですよ…!)

 ニィ…と、リュウの顔に笑みが宿る。

「小細工抜きだ! こい、ジャン!」
「おおおおお!」


「「りゃああああああああ!!!」」


 ジャンの拳と、リュウの蹴りが激突する―――


「―――!! ゾワゾワだ!」
 その刹那、拳が寸前で止まった。
「臨獣殿!?」
 ランの問いかけにジャンは大きく頷き、そのまま走り去る。レツとランもそれに続いた。

「…って、ちょ、おま…待てコラ!」




 ひとり置いてけぼりにされたリュウが、慌ててそれを追いかけた。


  -つづく-

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結局勝負つかずかよ! Σ( ̄□ ̄;

さて、今度はオリジナルの臨獣拳士だ…

…うん、もう考えてるw


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