炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

第1話/シーン3

「な…なんじゃあありゃあ!!?」
 悲鳴の聞えた方へ駆けつけると、大通りはパニックの巣窟と化していた。
 逃げまどう人々…そしてそれを追い立てる…
「化け…モノ?」
 昔絵本で読んだ…鬼とも魔物ともつかない…とにかく“バケモノ”としか形容できない異形の怪人の群れがあった。
「な…なによあれ!? 映画の撮影か何か!?」
「…にしちゃ、カメラとか見あたらねえけどな」
 なにより、演技なんかじゃない人々の恐怖に歪んだ表情が、いま眼前で起きている出来事を、事実だと伝えていた。

「いやぁぁぁっ!!」
「!?」
 OL風の女性が捕まった。嬉しそうに歯をカタカタと鳴らし、怪人が大口を開けた。
 ―――喰わ、れる!?

「だあああああありゃああああああああ!!!」
 刹那、野太い声が響き…怪人の顔面に強烈なドロップキックが叩き込まれた。
 …って、ドロップキックだ!?

「ダン! ちょ、何やってんだよ!?」
「そーよ! 早ぉ逃げんと!」

「阿呆なコトゆーなや!!!」

 ダンが一喝した。その大声に、人々を追い回していた異形が、一斉にこちらを向く。
「みんながみんな逃げしもぉたら、誰がこいつらどねーかするんなら」

 そ、そりゃ正論だけどよ…

「警察でも自衛隊でもなんとかしてくれるさ。ダンがここで出てもしょーがなかろーが!」
「ンなもんゆーちょーに待っとってもおえんわ。わぇがここで食い止めるけぇ、お前らはみんなの避難をてごしちゃれー!」
 有無を言わせぬ迫力に、俺もモモコも頷いた。

「オラァ! バケモンども! わぇの岡山でちばけた事ァさせんで! やいと据えちゃるけぇ、覚悟せえや!!!」

 拳を握り締め、ダンが大見得をきってみせた。


  -つづく-

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 自分で書いといてなんですが、ここまで岡山弁使いまくる若者ケンミンもいない気がして来た(滝汗
 でもキニシナイ!

 次回あたりで変身したいなァ…

http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=homurabe
 ↑web拍手ですよん。