結局、誕生日プレゼントはモモコのアドバイスを参考にした。
「サンキュな、モモコ」
「最初っからウチを頼りゃよかったんよ。1コ貸しな♪」
「…それがあるけん頼りとぉなかったンじゃけど」
ツレと一緒に居ると忘れかけた岡山弁が戻ってくる。ちょっとむずがゆい感覚。
「で、いつ告るん?」
モモコが唐突に聞いてきた。
「…おめぇ、最近そればっかだぞ。ったく、後輩と同じこと言いやがって」
そりゃ、いい年してマトモに恋愛もできない俺も悪いけどさ。
「いけんよ。告白はできるうちにしとかんと、いつまで経ってもできんのんじゃけん」
「モモコが言うと説得力ありまくりだブッ」
「うっさい」
軽口を叩く俺の顔面に右ストレートが命中した。
「…でもま、何年も何年もずーっと想い続けてるってのもすげえって思うで?」
正直、羨ましい。
「…そっかな?」
「そうさ」
ずっと、お前たちのこと見てたから。よーく知ってる。
「後は、あいつ次第じゃけどな」
「まったくね」
二人の溜息が白く染まって空に消えた。
「…つか、その“あいつ”は何やっとんだ?」
一向に合流してこないダンを急かそうと、俺たちは振り向く。
「ちょっとー、ダンー!?」
「はよ来いよ。美味ぇラーメン屋教えてくれんじゃろ?」
アーケードの出口で、ダンは呆けたように立ち尽くしていた。
「…ダン?」
「どしたの?」
その姿が気になって近づく俺たちに、ダンが呟いた。
「…寒ぃのぉ」
「いや、そりゃ当たり前じゃろ。冬だもんよ」
俺の突っ込みに、首を振るダン。
「んにゃ、そーじゃのぉてな。なんつーか…そーゆー意味の“寒ぃ”じゃねぇ」
思い通りの表現が見当たらないのか、頭をガリガリとかく。
「空気が寒ぃンじゃのぉて…ともかくなんか“寒ぃ”んじゃって」
なんとなく、理解できたような気がした。
何故なら…
俺もたった今、寒い感じがしたからだ。
「…!」
モモコもそれを察したのか、自分自身を抱きしめて身震いした。
その刹那―――
「きゃああああああっ!!!」
空気を切り裂くような悲鳴が響いた。
-つづく-
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次はどうなる…まだ浮かばねぇ!(←阿呆
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↑web拍手な。そろそろ「すいっち・おん!」も再開しないとヒカルの立場がないや(汗