炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

第1話/シーン2

 結局、誕生日プレゼントはモモコのアドバイスを参考にした。
「サンキュな、モモコ」
「最初っからウチを頼りゃよかったんよ。1コ貸しな♪」
「…それがあるけん頼りとぉなかったンじゃけど」
 ツレと一緒に居ると忘れかけた岡山弁が戻ってくる。ちょっとむずがゆい感覚。

「で、いつ告るん?」
 モモコが唐突に聞いてきた。
「…おめぇ、最近そればっかだぞ。ったく、後輩と同じこと言いやがって」
 そりゃ、いい年してマトモに恋愛もできない俺も悪いけどさ。
「いけんよ。告白はできるうちにしとかんと、いつまで経ってもできんのんじゃけん」
「モモコが言うと説得力ありまくりだブッ」
「うっさい」
 軽口を叩く俺の顔面に右ストレートが命中した。
「…でもま、何年も何年もずーっと想い続けてるってのもすげえって思うで?」
 正直、羨ましい。
「…そっかな?」
「そうさ」

 ずっと、お前たちのこと見てたから。よーく知ってる。

「後は、あいつ次第じゃけどな」
「まったくね」
 二人の溜息が白く染まって空に消えた。

「…つか、その“あいつ”は何やっとんだ?」
 一向に合流してこないダンを急かそうと、俺たちは振り向く。
「ちょっとー、ダンー!?」
「はよ来いよ。美味ぇラーメン屋教えてくれんじゃろ?」
 アーケードの出口で、ダンは呆けたように立ち尽くしていた。
「…ダン?」
「どしたの?」
 その姿が気になって近づく俺たちに、ダンが呟いた。
「…寒ぃのぉ」
「いや、そりゃ当たり前じゃろ。冬だもんよ」
 俺の突っ込みに、首を振るダン。
「んにゃ、そーじゃのぉてな。なんつーか…そーゆー意味の“寒ぃ”じゃねぇ」
 思い通りの表現が見当たらないのか、頭をガリガリとかく。
「空気が寒ぃンじゃのぉて…ともかくなんか“寒ぃ”んじゃって」

 なんとなく、理解できたような気がした。
 何故なら…
 俺もたった今、寒い感じがしたからだ。
「…!」
 モモコもそれを察したのか、自分自身を抱きしめて身震いした。
 その刹那―――


「きゃああああああっ!!!」
 空気を切り裂くような悲鳴が響いた。


  -つづく-

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 次はどうなる…まだ浮かばねぇ!(←阿呆



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 ↑web拍手な。そろそろ「すいっち・おん!」も再開しないとヒカルの立場がないや(汗