「…よう、遅かったじゃねーか人間。待ちくたびれちまったぜ」
赤の旧市街の奥…デモンサークルの先で、赤き竜人のデモン・マルスが不敵に笑う。
「なるほどな。仲間を増やして力をつけてたのか。前にアタシとやり合ったときはギリギリだったもんなァ」
ま、そんなとこだね。
「いいねぇ…そんだけアタシを恐れてくれたって事だろ?で、今なら十分戦えるって踏んで、ここに来たってわけだ」
フフフ…とマルスの口元が享楽に歪む。
「ハハハッ、人間と戦うのはこれだから楽しいんだ!弱っちい奴らがそうやって使える手を限りなく使ってデモンっていう驚異に挑む!ああ、楽しくて楽しくて…」
──ぶっ壊しちまいそうになる。
暑さと冷たさを内包したような瞳が、僕たちを見据えた。
「さて、そんじゃあ…やろうぜ」
マルスの腕にから待っていた鎖が解ける。クロノスやコメットと戦ったときと同じ…デモンの暴走体!
「すぐに死なれちゃつまらねえ…ちっとは楽しませてくれよな!」
仲間たちに号令をかけ、意識を引き締める。戦いの火蓋が切って落とされた──
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「って、力つけすぎだバッキャローっ!」
…存外あっさりと決着がついてしまった。あれ?
「っかぁ〜っ、大口叩いたアタシがバカみてーじゃねえか!アホみてーに強くなりやがって…」
ま、まぁそれだけマルスに警戒してたってことで…
「そ、そう言われると悪い気はしねえけどよ…あ、っていうかクロノス、コメット!」
「む?」
「なーにー?」
マルスに呼ばれ、自分の使役する二柱のデモンが鍵から顕現する。
「おめーらまで何で強くなってんだよ?アタシらデモンは、元から強えから成長はしねえはずだろ?元々アタシとあんま強さ変わんねぇクロノスはともかく、なんでミソッカスのコメットまで…」
「だーれがミソッカスよ!?」
「デモンゲイザーの、力。私たちは、ゲイザーと一緒に、成長、してる…多分」
多分なんだ…
「へぇ…するってぇと、オマエと一緒に行きゃ、アタシももっと強くなれるってことかい?」
ならいいや!とひっくり返っていたマルスがすっくと立ち上がる。
「オラ、アタシの魂連れて行きな!その瞳でよ!」
言われるまでもない。僕が視線を向けると、戦う前のような不敵な笑みが魔眼に映り込んだ。
「あぁそうだ」
その魂が吸い込まれる刹那──
「…これから精々気をつけな、デモンゲイザー!」
マルスはそう言い残し、掻き消えた。
−つづく−
実際レベル上げすぎちゃって(攻略サイトで言われてる推奨レベルの3倍くらい)、難易度「くろこげ」でも3ターンで倒しちゃいましたw
前後のやりとりは本作オリジナルのもので、実際のゲーム中でこんなコントじみたことはやってませんのであしからず。
さて、2体のデモンを倒したので…無印からゲームを知る人にはわかる辛い展開が待っております…頑張って書きます。