炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】番外編VI:汚れを落とすように

「マイコさぁん…」

竜姫亭に戻り、自室で一息ついていると、おずおずとしたノックからピーネが顔を出してきた。どうしたの?

「あの…また管理人さんから、あの人と仲直りしなさいって言われて…」

ああ、そういえば絶賛仲違い中だったっけ。

先日の発熱事件の際にはそれなりに談笑してたらしく、仲直りできたかな…とリーダーがキノコ片手に声をかけてみたそうだが…結果は空振りに終わっていたのだ。

「私不安で…ずっと無視してるし、いくらあの人でも、いい加減おへそ曲げちゃうんじゃないかって…」

それはないわね。

「き、きっぱり言いますねぇ…」

だってあのリーダーよ?お人好しが服着て空いてるような奴なんだから。でも、言わなきゃ伝わらないのはそうだから、ちゃんとごめんなさいって言わないとね。

「は、はい!がんばります!」

と、階下からリーダーがピーネを呼ぶ声が聞こえた。大方デモンの鍵を受け取るためにと、管理人が雑用の体でピーネの手伝いを命じたのだろう。やれやれだわね…

「じゃ、じゃあ行ってきます!」

うん、行っておいで〜。

 

…さて、じゃあわたしは今のうちに、ちょっとさっぱりしてこようかしらね?

 

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「あ、マイコ」

…風呂上がりに大広間を覗くと、リーダーとピーネがお茶していた。

仲直りできたようでなにより。

 


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「ふにゃぁ…」

ピーネは早速リーダーが集めていたキノコの匂いを嗅いでご満悦なようだ。

 

…ところでリーダー?

「何?」

今のわたし、どうかな?

「どうって…お風呂上がりでしょ?僕もあとで入ろうかな」

いやそうじゃなくて…

「あ、わかった!」

わ、わかっちゃった?

「シャンプー変えたんでしょ?ククレのオススメはハズレなくていいよねぇ〜」

 

ち・が・い・ま・す・!

 

「あれ?今度はマイコさんとケンカですかぁ?ダメですよ仲良くしないと〜」

いやそうじゃなく…ま、いいか。

この朴念仁に、ちょこっとだけのイメチェンなんか分かるはずがないか。


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