炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】50日目II:ルルの誘いとフランの迷い

アストロを倒したのも束の間、新たなデモンが眼前に現れる。どうする…戦えなくは無いけど、今は僕の魔眼の中にはすでにアストロが封じられてるし…

「まぁ、デモンが倒れるのはいいことです。ソルの力が弱まるのは、ルルにとっても好都合ですから」

ルナとしての本性をあらわした時とは違う、いつも通り(?)の態度と口調で話しかけてくる。何をしに来たんだ…?

「いいから聞くです」

僕の問いかけを制し、ルルが滔々と語る。

「この間のことは…あれは、ルルがやったんじゃないです」

先のルナの一件、そして…おそらくは僕の中のテラを呼び覚ました一件のことか。

「ルルのこの体は…ソルの力に呪縛されているのですよ」

ルルがソルの大鍵を探し求めていたのは、その呪縛を打ち破るためなのだと言う。たしかにソルの力の源たる鍵の力があれば、呪縛を断ち切るのも容易いだろう。


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「いいですかデモンゲイザー、あなたとこのルルが組んで…二人でソルをぶっ殺しちまえばいいんです」

簡単な話、そうルルは言うが…

「ルルは操られてると言ったの、聞いてなかったんですか?」

…僕がそんな話を信じるとでも?

「…ふん、お人好しが服着て歩いてるようなデモンゲイザーも、疑り深くなることを覚えたみたいですね」

お陰様でね。

「まぁ、いいです。とりあえずはその瞳の中のデモンの魂、鍵に変えてくるです。その後でまた相談しましょう」

シャーク教団のアジトで待つと言い残し、ルルの姿は闇の彼方へと溶けていった…

 

 

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「お疲れ様でーす!今日のお家賃をよろしくです〜」

竜姫亭に戻ると、ピーネが出迎えと家賃徴収にやってきた。あれ、フランは?

「むー、私じゃ不満ですかぁ?」

いや、そうじゃないけど…

「それが…管理人さん、今は誰にも会いたく無いって言って…」

そうなの?でも、デモンの魂渡さないとだし…

「ですよねぇ…お食事も取ってないのでちょっと心配なんですよ。少しお話ししてみてください」

 

マイコと一緒に管理人室に向かうと、鍵がかかっていた。ピーネの言う通り、誰とも会いたがっていないようだが、デモンの魂を捕らえたことを話すと、ようやく鍵を開けてくれた。

 

「デモンを倒してくれたのね…」

どうかしたの?いつもなら飛び上がって喜んでるのに。

「そ、そこまでしないでしょう…?」

悩み多き年頃なのよ、とフランがため息混じりにつぶやく。

 

「…ねぇ」

ふと、僕の名を呼ぶ。

 



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「もし、自分の目的のために誰かを傷つけないといけないのだとしたら…人はそんな時、どうすべきなのかしら」

辛そうな表情のフランに、マイコが口を開いた。

「…どっちが大事か、じゃない?」

「それがわかれば苦労してないわよ…」

「その“誰か”は、貴女にとって大切な人?」

マイコの問いかけに、フランは僕をちらりと見て…ややあって小さくうなづいた。

「その大切な人はさ、貴女が傷つけたからって堪えるような人なの?」

今度はふるふると首を横に振る。

「だったら…その人のこと、信じてあげたら?

「もし…その人が辛くなったら?」

「その時は、癒してあげて」

マイコがそっとフランの頬を撫でて、フランはこくんとうなづいた。

 

「…ごめんなさいね、変なところ見せちゃって」

「ふふっ、ピーネとのお茶飲み話のいいネタになったわ」

「それはやめて…」

ようやく表情に光を取り戻したフランが破顔する。

「さ、デモンの魂を受け取らないとね。私の瞳を…見て」

 

いつもより少し近い距離で、僕とフランの視線が交錯した。

 

   −つづく−

 


 

一つ終わればまた一つ。イベント立て続けでどのタイミングで区切ればいいのやら💧

ルルの接触時、ゲームでは選択肢が比較的穏やかなんですけど、うちのゲイザーくんはローナの件もあるんでかなり敵意マシマシな感じです。