炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】26日目:解き放たれし王の至宝【リプレイ風】

ネプトゥヌスの鍵を受け取る際に語られた、フランの目的。

それは、デモンの祖たる“大天使ソル”の復活を阻止することだった。

万一復活してしまったら、太古の昔に猛威を振るったかの魔王の如き闇の主神にまで成長するかもしれないのだという。

これまでのデモンの討伐・封印もその一環であるらしいのだが…

「とにかく…グリモダール城の外にいるデモンは全て討伐できたはずよ」

次なる目標は、そのグリモダール城の内部。しかし、その城門は閉ざされ…というより、存在しないらしいのだけれど。

「そういえば、カッスルがあなたにお願いしていた依頼の件、どうなってるのかしら?」

ああ、たしか三至宝のひとつっていう、“王の指輪”に関する話だっけ。確か、伝承によればデモンによって守られた、五つの鍵穴がある宝箱に仕舞われてるとか。

「あら、丁度良いじゃない。今渡したので丁度5本のはずよ」

「本当か!?」

バン!と扉が開き、当のカッスルが飛び込んできた。

「あのねぇ…レディの部屋なのだからノックぐらいしなさいよ」

「あ、すまねえ…いやそんなことより、五本揃ったんだな!?デモンの鍵が!」

う、うん…

「おしっ、じゃあ早速行ってみようぜ!例の宝箱は、確か“星樹のとばり”にあるんだったな!」

管理人さんよ、ゲイザー借りてくぜ!と言うなり僕の首根っこを掴んで引きずっていった。

「も、もぅ…丁重に扱いなさいよ!?」

 

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星樹のとばりの奥は、どの時間帯に出かけても常に暗い常夜の森だ。

その片隅…以前、宝箱に擬態した魔物を倒した場所に、件の宝箱は鎮座していた。

しばらくほったらかしだったものの、デモンの鍵でなければ開けられないので賞金稼ぎ連中も手が出せず、得体の知れないものだと本能で察するのか、魔物たちも近寄ろうとしないようだった。

「こいつか…何と言うか物々しいぜ」

カッスルに促され、デモンの鍵を一本ずつ、鍵穴へと差し込んでいく。

最後の一本が滑り込んだ刹那──

 

「うお!?」

眩い光とともに宝箱は消え失せ…僕の手の中にはデモンの鍵と、豪奢な装飾の施された指輪が握られていた。

 

「こいつが…三至宝のひとつ、“王の指輪”か…」

へへっ、とカッスルが鼻を鳴らす。

「ありがとよ」

いえいえ。

「そうそう。前にも言ったが、その指輪はお前たちで使ってくれ」

前にも聞いたけど、いいの?

「ああ。オレがしたかったのは謎を解き明かすことだからな」

まぁ、自力じゃできなかったが…と肩を竦めて。

「さて、これからだが…」

これから?

「ああ、そいつでちっと試してみたいことがあってな。ま、詳しい話はあとだ。竜姫亭に戻ったらオレの店に寄ってくれ!」

 

   −つづく−

 


いよいよ城の入り口が見えてきた感じ。

ゲーム中では、もちろんカッスルが同行することはないんですが、ゲームまんまだと寂しすぎるのでついてきて…というか引っ張ってもらいました。

 

リプレイ「風」ですので(キリッ

 

さて、次回はいよいよ…