炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】60日目II:ふたり?の夜

最後のデモンを倒したことで、手元には目的の10本の鍵が揃うことになる。

フランから鍵を受け取るのは明日だ。彼女の言う通り、次の…最後の戦いに向けて英気を養うことにしよう。

 

その夜は、竜姫亭の仲間たちが大広間に集まり、ちょっとした宴を催してくれた。

「ぶっちゃけ、ここにいるみんなの運命はお前らが握ってるようなもんだからよ」

…俺らの命、預けたぜ。

そういうカッスルの目にはそれでも、いつか見た決意の光…母親を自らの手で討つという意志を、まだ宿していた。

 

宴が始まっても、夜半を過ぎても、フランは降りてこなかった。

「…まぁた一人で抱え込んでるのかしらね」

お酒を舐めるように飲みながら、マイコが呟く。

「リーダー、ちょっと様子見てこない?」

うん。じゃあ一緒に…

「そんな野暮しないわよ。一人で行きなさい」

 

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管理人室に入ると、フランはひとり、バルコニーに佇んでいた。その視線の先では、相変わらず異様な光を発し続けているグリモダール城がみえる。

「ついに揃うのね、10本の鍵が」

フランが、小さくため息をつく。

「決戦は…もうすぐね」

うん…そうだね。

「これからの戦いは、この地に住むもの全ての未来に関わること…」

闇の大天使ソル。その復活は、絶対に阻止しなければならない。たとえその先に、僕の命が終わるとしても…

「それ以上は言わないの。どんなに過酷な運命でも、私たちで分かち合えばきっと…」

あなただけに背負わせはしない。フランは穏やかな笑顔でそう言った。だが直ぐに、その表情が曇っていって…

 

「…だめね。我慢しようと思ったのに。あなたが来るからよ…気持ちを…抑えられなくなるじゃない…!」

フランが僕の手を取り、胸元に掻き抱く。

「あなたを失いたくない…ずっと一緒に…いたいの…」

そのまま、僕の胸に頭を寄せる。その表情は、もう窺い知れない。

 

「気づいているでしょう?私が…ドラゴンの化身だってこと」

 

フランの呟きに、いつかグリモダールの時計台に現れた巨大な竜の勇姿を思い出す。…やっぱりそうだったんだね。

 

「デモンの討伐はね。私の父…今のドラゴンの王・ペイデから私に与えられた使命なの」

フランが淡々と言葉を紡ぐ。それだけならどれだけ楽だったかと。僕との出会いで、全てが変わり…僕を失いたくないと、強く思ってしまっていること。

 

「…教えてほしいの。あなたの事。あなたの全部。この夜が明ける前に…刻んでほしいの。わたしとあなたが、ここにいた証を…」

 

フランが顔を上げる。その唇がゆっくりと近づいて…

 

「ちょーっと待ったぁっ!!!」

 

管理人室の扉が蹴破られ、マイコが飛び出してきた。

「ちょっ、貴女どうして…」

「流石に野暮かなって引いてみたらこのザマよ!油断も隙もあったもんじゃないわねほんとに!!?」

僕とフランの間に文字通り割って入り、ガルル…とまるでウルフェンかなにかのように威嚇の唸りをあげる。

「…もう、しょうがないわねぇ」

フランは呆れたようにため息をついて…

「それっ!」

「え?」

僕ともども、マイコをベッドに押し倒した!

「ちょっ、まっ、ええっ!?」

「…そうね、ちょっとズルかった。今夜が最後かも知れないのは、貴女も同じだものね」

え?え?何の話?

「え、いや、ちょ…いやあの、心の準備が…」

「そんなじゃダメよ!いつやるの?今でしょ!

「やるとか言うなぁぁぁ!!!」

 

いや、僕を挟んで叫ばないで…!

 

   −つづく−

 


…負けヒロインはただでは負けない!…と言うアレンジ。というかそれでも負けてる感あるけど。

やっぱ相手が悪いわ…ドラゴンやもん(

というわけで、ようやくしっかり明かされたフランの正体。竜態はおもっきりおじいちゃん(先代)にそっくりなんですよねぇ…

あのイカツイいでたちで化身したら美少女って、これが世に言うギャップ萌え…?(違うと思う

 

さて、いよいよ最終盤。イベントで色々お膳立てされちゃってるので、流石にこれ以降のダンジョンアタック、ノンストップで行くしかない感じになっちゃってるなぁ…