──翌朝。僕はフランの部屋で目を覚ました。
「おはよう。なかなかカワイイ寝顔だったわよ?」
…そ、それはどうも…
「ついでに貴女もね、マイコ♪」
「ふ…不覚…っ」
朝から下着姿の女性二人が、気だるげな表情で僕の前にいる…なんかこう、いろいろイケナイ気がする…
「さ、とにかく起きましょ」
フランが僕を引っ張り起こし…
「チュッ♪」
僕の唇に触れる。
「あっ、ズルい!わたしも!」
ええっ、マイコも!?
「悪い?」
い、いや悪くはないけど…ええと…じゃあ、はい。
「……う」
と目を閉じたものの、マイコが近づいてくる気配はない。
「…っええい、ままよ!」
ややあって、頬のほうに柔らかな感触があった。
「…肝心なところでへたれるわね貴女」
「う、うるっさい!」
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「おう、若!」
カッスルの武器屋に行くと、オヤカタが研ぎ仕事の最中だった。
「ほれ、お前さんらの武器を研ぎ直しといたぞ」
どうやら昨夜のうちにクリスとクレアが僕たちの武器を預けておいてくれたらしい。
「魔剣の事、くれぐれも頼むぞい。とっとと終わらせてワシにその勇姿を見せてくれい」
はは…さすがオヤカタ。僕たちが買って帰ってくることを全力で信じてくれている。これはがんばらないとだ。
「賞金稼ぎどもはすっかり萎縮してしもうて稼ぎにも出ようとせん。お陰でこっちは商売あがったりじゃわい。頼んだぞ、若。それにマイコ嬢もな」
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グリモダールに突入する。まずは魔剣の封印を解くのだ。
城の一階。中空に留め置かれた魔剣は、相変わらず厳重に封じられている。僕が鍵を近づけると…
眩い光を放ち、全ての封印が解き放たれた!
「これが…魔剣デモンスレイン…」
「強い力を感じます…デモンたちがこれを恐れたと言うのも、頷けますね」
「オヤカタにいい土産話が出来そうだぜ」
そうだね。そのためには…
「次は“春の宮殿”ね。イーシルの御鏡をどうにかしなきゃ」
そういうこと。みんな、急ごう!
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春の宮殿の奥、イーシルの御鏡が生み出した幻影の盾を、デモンスレインで切り開く。
刹那、幻影はデモンの姿を取り襲って来たが、今の僕たちの敵じゃない!
オープンデモン!マルスよ、戒めの鎖を解き放てッ!
「オラオラオラァッ!」
マルスの振るう炎の剣は、僕が持つデモンスレインの形を象り…一息に振り下ろされる。
砕け散った幻は消え去り、足元には盾が一つ転がっていた。
「指輪に、魔剣に、盾…三至宝が全て揃ったのね」
マイコが感慨深げに呟いた。
−つづく−
イーシルミラージュ戦、全力で端折りましたが実際のプレイでもレイジマルスが瞬殺してくれましたw
マルスの剣がゲイザーの持つ武器に形状を変化させるというのはある日ふと思いついた裏設定。炎の大剣とのことなので、明確な実態を持ってなさそうな気がしたのでした。
さて、長い一日はまだまだつづくよ!