「えらい目にあった…」
デモンたちが寝泊まりする相部屋で、ラッキーが盛大にため息をつく。
「ラジオきいたよー。おにいちゃんの声、かっこよかった!」
「うぇぇ…聴いてたのかよ」
「まぁ随分と猫かぶってらっしゃいましたが。ふふっ」
「うるせー…ったく、あんなんよくやってられるぜ、ミュゼのヤツ」
ライブラのからかいに、返す悪態も力がない。ミュゼとプロメスの無茶振りでラジオにゲスト出演するハメになってしまったのだ。プリムやトマは手放しで誉めてくれたが、慣れないことはするものじゃないと痛感している真っ最中であった。
「みなさーん、夕食の準備が整いましたー!」
と、階下からトマの声がした。
「道具屋とやらが帰ってきたかな?」
「行ってみましょうか」
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酒場に降りると、すでに革命団の面々が集まっていた。
「おう、ダンナ!ここが空いてるぞ」
ガリーの手招きに応じて、隣のカウンター席に滑り込む。きょろきょろとあたりを見回すが、目新しい人影は見当たらない」
「道具屋ならまだ来てねえよ」
「夕飯には来るって聞いてたけど…」
「ま、いつものことだがな。ったく、どーこほっつき歩いてんだか」
件の道具屋とは知己らしいカッスルがボヤいた。カッスルとプロメス、それに道具屋は以前別の場所の同じ宿で商売をしていたらしい。
「まぁ、そっちじゃちょっとした事件に巻き込まれて足止め食っちまってたんだがな。ようやくソレが片付いて、さて商売に集中できると思ったら、急にプロメスのやつが出てくっつってな」
「それで付いてきたのか。なんだ、お前らそーいう仲なん?」
「んなわけねーだろ…ラッキーは記憶を無くしてるとは言え、ここ数日であいつの素っ頓狂ぶりは身にしみてんだろ?ほっとけなくてよ」
「…まあ、分からなくもねーけど」
そのままこの地に流れ、彼女がここに決めたと言うステラ座に滞在することとあいなったのである。もっとも彼も、この場所が革命団の根城だったというのは想定外だったようだが。
「あれ、でもさっきの話には道具屋さん、でてこなかったけど…」
「勝手についてきたんだよ、あとからな」
どうやらカッスルがここに商いを移したことを聞きつけて追いかけてきたらしい。商売と金の匂いのある所には必ず来る…とはカッスルの弁である。
「おいーっす!おーつかれちゃーん!」
と、館のカウベルが鳴り、なんとも間伸びしたふとましい声が廊下に響く。
「お、噂をすりゃなんとやら…」
「ふひひひぃ〜。聴いてたよラジオ、素晴らしいじゃないか〜!」
そう言ってラッキーの前に現れたのは、とんでもなくずんぐりむっくりした人物であった。
「新手の魔物か?」
「いやいやいや、失礼なヤツだねぇ…どこからどう見てもれっきとしたエルフだろう?」
たしかにヒューマンとくらべれば比較的白い肌、尖った耳などはエルフの特徴ではあるが…
「ライブラ、ちょっと」
「なんです?」
ラッキーが仲間のエルフを呼んで、自称エルフの隣に並ばせる。
「?」
「…どこがじゃい!」
思わず盛大に突っ込むラッキーである。
「いや、ラッキー…悪いが事実だ。こんなナリだがこいつはエルフで、お前の待ち人…道具屋だ」
カッスルが心の底から残念そうに、ラッキーの肩をぽんとたたいた。
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「さて、そいつが例の魔導書ってやつかい?」
ラッキーが返事をする間も無く、道具屋が魔導書をひょいと取り上げる。傍の料理を貪りながら油のついた指でペラペラと流し読みしていく様はとても理解しているようには思えないが…
「えーと…なるほど…ふむ…デモンを…メンテ…」
「読めるのか?」
「ふひっ!稀代の錬金術師たる、このレゼルム・ランティールを甘く見ない事だネ。まぁ、最後まで読まないとはっきりとしたことは言えないが…」
レゼルムなる道具屋が言うには、この魔導書の中身を再現するには少しばかり準備がいるらしかった。
「おーい、支配人!確かスタジオの隣に空き部屋があったよね?そこを使わせてもらうよ〜」
「いいけど…爆発させないでよ?」
ミュゼから許可を貰い、レゼルムはじゃあ景気付けに…と酒瓶を一息に呷る。
「はっはー!デモンゲイザーくんに、かんぱーい!」
「うおっ、酒臭っ!?」
「ほらほらいつまで辛気臭い顔してるんだね。せっかくの宴だよ。ぱーっと盛り上がろうじゃあないか!」
一瞬で出来上がったレゼルムに酒を飲まされながら、ステラ座の夜は更けていくのだった…
ーつづくー
濃いキャラクターは遅れて登場する方がちょうど良い。
え?登場キャラクター軒並み濃いって?ちげえねえ!(
いろいろ端折った結果、レゼがかなり有能なキャラになってるような気が…
いや、有能なのは有能なんよ?それを補って余りあるほどアレなだけで(ぇ
さて、イベントで夜を迎えたので次回は5日目からのスタート。
たとえ直前のアタックが朝パートでもこういうことになりますw我ながらなんてトンチキなルールを考えたものやら…(今更
あと、明日以降はメンテナンスもルーティーンに加わるんで、そのへんもルールに組み込まないとだね。
👆期間限定で「2」版レゼルムのアバター使えてたんですよこのゲエム…
自分の未来があんなデブになるとわかっていたら、少しは歴史も変わっていた…いや、ないか(