炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DG2】8日目(朝):VSレオ!刃鳴り散らすレ・ザア・マシオウ!【リプレイ風】

「さて…ここがレオのデモン空間か」

霊廟の奥に出現したデモンサークルをくぐり、獅子のマスカレードへと突入する。

「あの仮面を壊すんですのね」

早速リコカプリコーンが槍を構え仮面を衝き抜こうとしたが、デモンの強靭な膂力をもってしても髑髏を模した仮面は傷ひとつ負っていない。

 

カプリコーン「あ、あら…?」

 

「あ、あら…?」

なにくそ、とばかりに再び仮面に攻撃を仕掛けようとするリコをイブライブラが止めた。

「ちょっと待ってリコ。仮面をよく見てください」
「仮面を…?」
「あ、さっきと目の色が変わってるよ!」

ペガッソの言う通り、さっきまで青色だった仮面の目が、青色から赤色に変化していた。

「なるほど、今回の仮面はそーいうタイプなのか」
「でも、目の色を変えるだけじゃ特に何も起こらなそうですわよ?」
「たぶん、近くにこのデモン空間の対処方法が…あ、ありました」

イブが入り口近くに落ちていた羊皮紙を拾い上げる。このデモン空間に点在する仮面の目の色を全て赤くすればいいようだ。

「まえにも落ちてたけど、誰かが置いてってるのかな?」
「デモンがわざわざヒントを出すとは思えねーし…あのローブ男か?」
「だとしても、何のために?彼はマグナスターの配下で…つまるところ革命団は彼にとって敵のはずでは?」

確かにそれは純然たる事実である。実際に脱出しようとしたラッキーを追ったこともある。しかし、脱出して以降はなにかとラッキーに対し手を貸していたのも確かだ。

「…まぁ、自分がオレを生み出したっつってたからな。あっさりくたばんのが我慢なんねーんじゃあねえの?しらんけど」
「あっさりしてますわねぇ…」
「誰がやったかは関係ねーよ。どうあれ俺らにとってプラスになってんだからな。ほら、最後の一個蹴っとばしに行こうぜ?」

 

(…確かにそれはそうですが)

 

未だ目の青い仮面に向かって歩くラッキーの背を見ながら、イブが心の中で呟く。

 

(デモン空間に出入りできる人間は限られます。ラッキーさんを除けば例のローブの男と…おそらくはマグナスターくらい。わざわざ味方を取られてしまうような行為をマグナスターはしないでしょうし、であればローブの男がヒントを置いていってると考えるのが自然でしょうけれど…)

 

実際、手元の情報から推測できる範疇ではそれが一番しっくりくる。

 

 

(でも、もし…私たちもマグナスター側も知らない第三者が介入していたとしたら?私たちを…ラッキーさんを助ける行動が、その人物にとって利なのだとしたら…?)

 

考え始めると止まらない。このヒントを、自分達は素直に享受していていいのだろうか?イブは思い悩む。

「おーいイブ、なにぼけっとしてんだ。さっさと行くぞ!」
「あ、は、はい!ただいま!」

思考はラッキーの声に遮られ、イブは弾かれるように先行する彼らを追いかけた。

 

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「へへへっ、待ってたぜ反逆者!」

デモン空間の最奥、仮面を蹴ったことで出現したレオが、吹き荒れる殺気を言の葉に乗せる。

「調子に乗ってるとこ悪いが、そろそろ年貢の納め時だ…」

その殺気が星力を帯びた…とラッキーが感じた刹那、レオは力を解放し真の姿を顕した。


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「全力で来い…どうせてめえらは、ここでチリになるんだからよッ!!」

鎧武者のようないでたちに変じたレオが、二刀を翻し斬りかかる。

「オラァッ!」
「させるかっ!」

叩きつけられた一閃を自分の刀で受け止める。逃しきれなかった衝撃が、ラッキーの足元を抜けて石畳を砕いた。

「はっは!前より動きが良くなってるじゃねえか!こいつは楽しめそうだぜ!」
「そうかい。じゃ、もっと楽しんでもらおうかね…総員、トランスデモンだッ!」

魔眼を閃かせ、仲間たちの力を解き放つ。

「より優雅に美しくっ!」

改めて戦端が開かれ、レオとラッキーたちが対峙する。

「行け、シードども!裏切り者どもを蹴散らしな!」

使い魔をペガッソたちに差し向け、レオ本人はラッキーを睨みつける。

「その身のこなし…あんたサムライだな?正面切って斬り合おうじゃあねーか!」
「サムライを名乗ったつもりはねえが…やるってんなら付き合うぜ」
「いざ!」
「尋常に…」

 

  ──勝負!

 

両者ともに、一息に距離を詰めて刀を振るう。
間合いを取り合いながら数合の打ち合い。斬撃の余波が、互いの肌を僅かに薙いだ。

「やるじゃねえか。目もいい…じゃ、こいつはどうだ!」

渾身の振り下ろしを受け止める。猛烈な鍔迫り合いが、互いの刃を擦り、眼前で火花が散った。

「おらおら!このまま刀ごと圧し斬ってやろうかっ!?」

レオは種族で言うならネイ族だ。ヒューマンと比べると、身軽な分やや腕力は劣る傾向にある。が…

(種族差をデモンに当てはめちゃダメだわな…)

ラッキーと同じヒューマンのリコも、ネイよりさらに非力なミグミィ族のペガッソでさえもラッキーと力比べしようものならあっさり押し勝ってしまう。彼女たちはデモンという別種の存在が、さまざまな種族の姿をとっているだけに過ぎないのだ。

「…よっ」

不意に力を抜き、ラッキーが重ねていた刀を手放す。急に支えを失ったレオは自分のかけていた力ごと大きく前のめりにたたらを踏んでしまった。

「そら…っ!」

その隙を逃さず、ラッキーの蹴りが無防備な腹を穿ち吹き飛ばした。

「ンなろっ、刀手放すとかサムライのやることかよ…!」
「サムライ名乗ったつもりはねーつったろ?俺は…デモンゲイザーだ!」

落とした刀を拾い上げ、仕切り直しとばかりに切っ先をつきつけてみせる。

「知るか、クソッタレがっ!」

飛び込んでくるレオに、星力を帯びた銀線が二条瞬いて──

 

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「ウ、ウソだろ…?」

スタークラッシュを受けて砕け散った己が刀を目の当たりにして、レオが呆然となる。

「畜生…終わってみりゃ、あっけないもんだな…」

項垂れるのも一瞬、レオはあっけらかんと折れた刀を放り出してその場にどっかり胡座をかいた。

「あーくそ!負けだ負けだ!完敗すぎて涙も出やしねえ!おら、もう降参だ!煮るなり焼くなり好きにしやがれ!」
「…存外潔いな、おめー」
「うっせーよ。悔しーが負けたのは事実だからな!」

ふくれっ面でそっぽをむくレオに、「じゃあ遠慮なく…」と魔眼を向ける。星力の奔流が鎖となってレオをの魂を絡め取り…

 

カプリコーン「デモン・レオ、討伐完了!…ですわね」

 

 

「デモン・レオ、討伐完了!…ですわね」

変体を解いたリコが、割り込んで高らかに宣した。

「今回私たち直接戦ってないですけどね…」
「…そーいうことは言わなくていいんですのよイブ」

 

 

   -つづく-

 

 


ようやくレオ戦おわり…リアルが色々ったりなかったりでvitaがあんまり起動できず…💧
仕事もそろそろ繁忙期だし、さらに更新ペースがやばくなるかも。
作劇上、レオとラッキーがタイマンしてる体になってますが、実際はもちろんフルメンバーでボッコボコです(ひでえ

レオを撃破したことで、初期配置のデモンを全員討伐したことになり物語も動くんですが…まぁキリがいいといえばいいので一旦ここらでDG2のリプレイはストップ。

ちょっとした(?)閑話を挟んで、モン勇のリプレイを再開予定です。