炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#セブンスドラゴン】プロローグ①:ギルド始動!はじめの第一歩【無印】

<ハントマン>と呼ばれる者たちがいる。

理想に生き、世界を賭ける命知らずの者たち。
東の大陸に位置する、このカザン共和国には、多くのハントマンが集まってくる。

高い理想に燃える者━━
名誉と富を求める者━━
そして━━正義のために戦う者。

「はい、確かに…クエスト完了を認定します」

ここに、カザンにおいて結成されたばかりのハントマンチーム…ギルドがいる。

「ど~も」

ギルドオフィスのクエスト管理部で認定スタンプを受け取り、ギルド<ウンデキンベル>のリーダーたる男が振り返り仲間たちを見やった。

「報酬貰ったぞ。酒場でメシ食おうぜ!」


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「あーあ…せっかくギルドに入ったっていうのに、子供のおつかいみたいなクエストこなしてばっかりじゃない…」

つまんないの。と大きな斧を背負った少女がボヤく。柔らかなピンク色の髪の上で、獣のような耳がぴこぴこと不満そうに揺れた。

「あのなユノ…オレらは昨日今日結成したばっかりのギルドなんだぜ?でけえ仕事を任せられるには、知名度も実力も足りてねえんだよ。まずは実績と実力作りから、な」
「ふふーん。その実績作りとやらで十数年人生を棒に振ってきたオジサンは言うことが違うわねぇ…」
「あンだとこのヤロ」

すました顔で、名物のエビフライをかじりながらユノなる獣耳の少女が煽れば、リーダーの男も青筋を立てて詰め寄る…が、近づきかけた両者の距離は、テーブルの上に突き立った盾に阻まれた。

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「…食事くらい静かにできないのか、キミたちは」
「お、おう…悪ぃ、エイプリル」
「キヒヒ…怒られた」
「うっさいわねマイア」

向かいに座っている少女二人に嗜められ、リーダーもすごすご矛を収める。

「…ジュライ。アナタが私たちをあの腐敗したギルドから引き抜いてくれたことには感謝している。さもなくば今のアナタのように延々雑用をこなすだけで人生を浪費していたであろうことは想像に難くないからね」
「…改めて言うんじゃねえ悲しくなってくる」

ジュライと呼ばれたこのギルドのリーダーは、かつてとある大型ギルドに所属していた。実働メンバーを目指して研鑽してきていたものの、大きくなったが故に腐敗した組織の末端メンバーとして、表舞台に出ることなく雑務に追われる日々を長らく続けてしまっていた。
ある日、とある出来事がキッカケで発奮したジュライはそのギルドを脱退。その日たまたまギルドへの参加希望で訪れていたユノたちを勧誘し、ウンデキンベルを結成。今に至るというわけである。

「だけど、今のままでは件のギルドにいるのと状況はかわらない。私たちとてそれぞれ自分の目的のためにハントマンになったんだ。リーダーとして、アナタにはボクたちを腐らせない義務があるんじゃあないかな?」

一足早く食事を終えたエイプリルが居住まいを正してジュライに向き直る。ライムブロンドの長い髪がさらりと揺れた。

「…耳が痛いねぇ。まぁ、オレもお前たちも実力はついてきたって確信はある。実際、この辺りのマモノに苦戦することもほとんど無くなってきてるからな」
「最初は…ラビ一匹倒すのにも大騒ぎしてた…もんね…キヒヒッ」
「お前もその一人だろーがよマイアさんよ」

ユノが子供の遣いとボヤいたクエストを通じて、カザンや隣のミロス神聖国を行ったり来たりしていく中で一端のギルドと呼べる程度の実力はついた…とジュライは感じ取っていた。あとは実績であるが…

「国家レベルのクエスト…いやもうそれはミッションっつーんだが…そう言うのに参加でもできりゃあ、あるいはなァ…」
「でも、そんなミッションなんてそうそう発令されるもんでもないでしょ?」
「そりゃなー。文字通り国家の危機!みてーな状況でもねえと発令はされねえよ。ま、平和が一番なのはそうなんだけどなァ…」

そのうちカザンを離れてほかの土地で大きなクエストを探してみるか…と呟いたところで、ジュライたちの耳に他の客の会話が飛び込んできた。

「おい聞いたか?例の、怪物が出たって話!」
「ああ、聞いたよ。何でも、<名もなき小洞>に手強い怪物が出たとか…」

どうやら腕利きのギルドが何組か討伐に向かったようだが、幾度となく返り討ちにあっているという。

「名もなき小洞…カザンの北東にある洞窟よね?」
「ああ、この間もトレーニングがてら寄ったとこだな。カザン周辺よりかは手強いマモノもいたが、そんなバケモノみてーなヤツいたっけかねぇ…?」

話を聞くと、この事態を大統領府も重く見ているらしい。今はまだ洞の最奥にいるらしいが、餌を求めて外に…さらに街にまで現れうることは想像に難くない。ハントマンですら手に負えない怪物など、市民はひとたまりもないだろう。

「…ということは、いずれミッションが発令されるかも?」
「可能性はありそうだな…よーし、ギルドオフィスに行ってみるか!」

善は急げと、ジュライたちは残った食事を胃袋に流し込んで席を立つ。

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「…ま、待って…まだわたし、食べ終わってな……」

マイアがユノのそれによく似た獣耳をぴくぴくさせながらお子様ランチを頬張った。

 

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果たしてギルドオフィスにて発令されていたミッションを受領し、小洞の地図を受け取る。

「お前達も討伐に参加するのか?本当に大丈夫なのか?」

エスト管理部のメナスという男にあからさまに不安そうな顔をされたが…まぁくたびれたおっさんと小娘のギルドじゃあそう思われても文句も言えない。
くれぐれも無茶をするんじゃないぞ?としつこいくらいに念を押されながら、ジュライたちはギルドオフィスをあとにするのだった。

 

  ―つづく―

 


さて空気読まずにDRPGリプレイ風小説を始めるへっぽこモノカキですよ。おめーこれで何作目だよとw
いや久々に「セブンスドラゴンIII」やったら面白くてさ…(などと供述しており)。
無印は結構前に買ってたんですがちょっと難易度高くていっとき放置してたんですね。でもせっかく2020〜IIIまでクリアしてんだから無印やらないとだめでしょうということで発奮しまして、ええ。

主人公…というか語り部担当のギルドリーダーの立ち位置は、昨今流行り?の追放系主人公を意識してみたり。いや追放じゃなくて自分の意志での脱退だし別に特別Tueeeわけでもないので脱退されたギルドとしても痛くも痒くもないんでしょうが(笑)。強いて言えば加入しようとしたヒロイン三人をかっさらわれたのが損失かも?

メンバーの名前は月の名前に由来。それぞれ7月(“セブンス”ドラゴンなので…)、6月、4月、3月。
人間は英名、ルシェはラテン語名…というよりラテン語名の由来になった神様の名前になっちゃってますねコレ💧

一応、ギルド名も由来はあるんですが、あとあととある人物に突っ込んでほしいのでここでは言及しません。まぁ多分ぐぐれば出てきますが。

とりあえず、真OPまでは書こうかなーと思っておりやす。ガンバルゾー!