炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(24):スターダスト★ストリート②~もうひとつの大作戦!VSほのお組【リプレイ風】

ジムに戻ると、ネモが出迎えてくれた。

「あ、ヒイロ!ジム戦すごかったよ!んも~~~~っ、今すぐりたいくらい!」
「これこれ…ネモくん、今回は小生を紹介してくれるのではなかったかな?」

隣の男の人にたしなめられて、ネモが「そうでした」と舌を出す。

「えっとね、この人はハッサク先生。アカデミーで美術の先生をやってるよ」

f:id:homurabe_gren:20231027175140j:image

「…一応、この場は四天王の一人としてヒイロくんとお話ししたかったんですがねぇ」
「…あ」

教師にして四天王の一角に籍を置くというハッサク先生は、ぼくに「なぜチャンピオンを目指すのか」を聞いてきた。

「…行きたいところがあって。そのために、強くなりたいんです」
「ふむ…なるほど。お答えありがとうございます」

と言いつつ、ハッサク先生は正解などないと言う。

「全ての道がパルデアの大穴にい通じると言われてますのでね」
「大穴に…」
「ええ。たとえそれが、どんな遠回りであろうとも…ね」

そのうち授業にも顔を出してほしい。と言い残して、ハッサク先生はボウルジムを後にした。

 

 ・
 ・
 ・

 

ボウルタウンからチーム・シェダルほのお組のアジトへ向かう途中で、校長…もといネルケが待っていた。

f:id:homurabe_gren:20231027175156j:image

「改めて感謝するぜ。おかげでカシオペア…スターダスト大作戦とやらにかかわることができたからな」

スター団に近づき、彼らの謎や目的を探るのが彼の目的だという。様々な危険な噂もさることながら、退学も視野に入れざるを得ないほどの長期にわたる無断欠席をどうにかしたい…いつしか素の口調に戻ったことにも気づかないまま、彼は憂いとともにそう呟いた。

 

 ・
 ・
 ・

 

ゲートを守るしたっぱを追い払い、ゴングを鳴らす。次々ととびかかるしたっぱたちのポケモンを手持ちで蹴散らしていくと、奥の方で爆音が鳴り響いた。これは…チーム・セギンあく組のときと同じ…スターモービルだ。そしてその上に乗っている女の子が、ほのお組ボスのメロコ…!

f:id:homurabe_gren:20231027175219j:image

「…テメーか?オレらにケンカ売ってんのは…まァいい。ケンカ売られたンなら買うまでよ!」

モンスターボールを握りしめ、メロコの鋭いまなざしがぼくを射貫いた。

「テメーはオレがはっ倒す…出て来いや、コータァァァァス!」
「井戸の面をまとって…おいで、ぽにこオーガポン!」

 

 ・
 ・
 ・

 

倒されたコータスをボールに戻し、メロコは少しだけ驚いた表情でぼくたちを見た。

「見ねえポケモンだな…強ぇ」
「ぽにおーん!」

勝ち誇ったようにぽにこが吼える。

「強ぇが…それがどうした…オレが完膚なきまでに燃やし尽くす…!」

ステージを踏み鳴らして、メロコが叫ぶ。

「派手に出番だぜ…起きろブロロロームッ!!!」

スターモービルのエンジン部が荒ぶり、戦闘態勢に入った。巨大な牙がぽにこの棍棒に食らいつく。

「まずいッ、はなれてぽにこ!」
「が、がお…!」
「燃えな…灰になっちまえ!!」

いまのぽにこはみずタイプとくさタイプの複合だ。みず単独よりはダメージを抑えきれない!だったら…

「井戸の面よ…おもかげをやどせ!テラスタル!」

 

 ・
 ・
 ・

 

「…燃えて燃えて…燃え尽きちまったか」

スターモービルの動きが止まり、ステージから降りたメロコが力なくつぶやく。

「テメーのポケモン…ぽにこっつったか?マジで気合入ってたぜ!」

そう言ってぼくに手を差し出す。促されるまま、ぼくはその手を掴み…あいたたたたっ!?

「はっは!テメーはもうちょっと気合入れなきゃだな!」

f:id:homurabe_gren:20231027175235j:image

少し明るさを取り戻したメロコが、ぼくにダンバッジを投げよこした。

 

 ・
 ・
 ・

 

…宝物みたいな思い出。
そう語った、メロコの表情が頭から離れない。

ネルケとの会話の中で語られた、スター大作戦と銘打たれた1年以上前に計画された何か。ぼくの入学前の話だから何も分からないけれど…一体彼らの間で何があったのだろう?

「…ヒイロ?」

f:id:homurabe_gren:20231027175303j:image

「わっ!?ボタン? あ、あれ?カシオペアからの通信…」
「いや、もうとっくに終わってるし…考え事でもしてたん?」

いつの間にか来ていた、スターダスト大作戦の協力者…ボタンから報酬を受け取る。

「…っていうか、この子なんなん?」
「え…コライドン!?いつの間に…」

f:id:homurabe_gren:20231027175327j:image

なんだか妙に懐いたコライドンがボタンにまとわりついていた。

「まぁ、いいけど…」

ため息をついたボタンが、ふとぼくを見返した。

「あのさ。ヒイロからみて…スター団ってどうなん?」
「どうって?まぁ、バトルは強いなとは思うけど…それが?」

ボタンが言うには、スター団は根っからの不良集団ではないのだという。むしろ校内で横行していたいじめに対抗するために、いじめられっこや人付き合いが苦手な人たちが集まったのが、その始まりなのだとか。

「…あ、これ生徒のSNSとかハッキングしてつきとめたんだけどね」
「そ、そうなんだ…」

その中で得られた情報の中には、5人のボスにさらに上の黒幕の存在も示唆されているとか…

「しゃべりすぎた、喉痛い…」

ボタンが乾いた咳をこぼす。あ、だったら…ちょっとつきあってくれないかな?

「…は?」
「もしもし…ネモ、ペパー、近くにいる?今ぼく、東1番エリアにいるんだけどさ…」

 

 

   -つづく-

 

 


ブログでモノカキするとき、大体2000から3000文字を1エピソードに抑えるようにしてるので、どのシーンをピックアップするかが毎回悩むんすよね。基本的に主人公の知りえない情報は文中に出さないようにしてるので、スターダスト★ストリートでは各ボスの回想シーンはまずカット対象ではあるんですが。少なくとも回想の内容を主人公に語ってる描写もないし。

今回の場合は、ボウジロウのエピソードはバッサリ切ってたりします。今後のストーリーに関わってたらどうしよう…とかは思いますが、まぁなんとかなるでしょ(雑