炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート:番外編②~ともだちといっしょに【#ポケモンと生活】

「ったくよー…急に来いっつーから何事かと思ったら…」
「ピクニックのお誘いだったとはねぇ…」

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そらをとぶタクシーでやってきたペパーとネモに手を振って出迎える。ぼくの宝探しを手伝ってくれる友達同士と一度集まってみたかったんだよね。

「いやいや逆だろ…オマエがオレを手伝ってくれてんじゃねーかよー」
「私も手伝うっていうか、一緒に切磋琢磨してる感じだしねぇ…」

はは…それがいいんだよ、ネモ。

「あ、あの…うち、なんかめっちゃ場違いなんじゃ…」
「そんなことないよ。友達だもの」
「と…友達…」

なんだか慌てた様子でサンドイッチをぱくつくボタンだった。

「…んがくっく!?」
「あーあー、慌てて食うから!」
「飲み物飲み物…ほらミックスオレ!」

…なんかデジャブだなぁ。

 

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「へぇ、秘伝のスパイスをねぇ…それで、コライドンがパワーアップしてるの?」
「主目的はそっちじゃねーけどな…ま、5種類全部食えば、完全復活もできるんじゃねえかなとは思うがよ」

マフティフのことについては内緒な。とペパーがぼくに向けて人差し指を自分の口元に向けた。

「でも、スカーレットブックに書かれてたことが本当にあるなんてねぇ…びっくりしたよ」
「ヌシポケモンも気になる…スパイス食べただけでポケモンがそんな大きくなることってある?」
「…ん-、ヌシポケモンかどうかはわからないんだけど、キタカミの里でも似たようなことがあったよ」
「そうなの?」

林間学校で出会ったともっこや、巨大なミロカロスについて話す。

「テラスタルエネルギーと同じ力を秘めた池から出てきた巨大ポケモンに、スパイスたっぷりのモチをたらふく食ってデカくなったポケモンねぇ…」

ぼくが向こうでもらったキタカミもちをお土産代わりにみんなに渡す。さっそく食べてみたペパーが眉をしかめて見せた。

「…おいヒイロ、これって…」
「うん。ぼくも初めてペパーのスパイス入りサンドイッチを食べたときに、なんか似たような味だなって思ってたんだ」
「えっ何?このおモチ?って食べ物に秘伝スパイスが入ってるってこと?」

だとすると、キタカミの里にも秘伝スパイスが自生してるってことなんだけど…

「これ、コライドンには食わせてみたのか?」
「うん、っていうか勝手に食べてたんだけど…ペパーのサンドイッチ食べたときみたいには変化しなかったんだよね」
「だろうな…多分、こっちに生えてるのよりは生育が弱いんだろうよ。土壌の問題か、他に理由があるのかはわかんねーちゃんだけど」

もちの味を確かめるように口に含みながら、ペパーが唸った。

 

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「ジム巡りの方はどうなん?」
「いま2つ目だね。まだまだ先は長いよ」
「それだけじゃないよ!四天王に挑んで、全員倒して…さいごはトップチャンピオンを倒せば…晴れてチャンピオンランクの仲間入り!」

いやホントに先は長いな…

「ええと、ジム8か所と、四天王と…トップってオモダカって人だよな確か…うげ、最低でも13人のバカつえートレーナーと戦わなきゃなのかよ…途方もねーなー…」
「大丈夫!きっとヒイロなら勝ち上がってこれるよ!その証拠に、いまからバトルしてみせるから!見ててね!」
「えっ、今やるの?ここで?」
「ええいサンドイッチ吹っ飛んじまうからやめい!」

 

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「…で、ボタンは課外授業なにやってるの?」
「あ、ええと…」

ボタンがぼくに助け舟を求めるような視線を向ける。あー、確かに不良グループの退治の手伝いなんか生徒会長ネモの前では言えないよなあ…

「あ、あれだよ!ええと…わざマシンわざマシンマシンに使う、ポケモンの落とし物を集めて、わざマシン図鑑のコンプリートを目指してるんだって!ね?ボタン」
「え?あ、う、うん…そう…それそれ」
「ふうん…?」

ぼくへの報酬用に素材をたくさん持ち歩いてるし、怪しまれることはない…はず?

わざマシン図鑑…そんなもんあったっけかー?」
「じ、じぶんで作ったんよ…うち、アプリとかそーいうのも、作れるから…」
「へぇ、すごいじゃない!私アプリの使い方とかあんまり得意じゃないんだよね…今度教えてよ!」

ぐいぐいくるネモにたじたじなボタンだった。

 

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日が暮れて、ネモとペパーはいったんアカデミーに戻ると言ってタクシーで帰っていった。

「ボタンはどうするの?」
「ん…ちょっとアジトで調べたいことあるから…気にせんでいいよ」
「でも、もう夜だよ?危ないから一緒に…」

そう言おうとしたぼくを、首を横に振ってとめる。

「…優しいんね。でも平気。ヒイロは…やりたいことたくさんあるんでしょ?こんなところでのんびりしてる暇、なくない?」
「そうかもだけど…それでものんびりする時間はあっていいと思うよ」

今日みたいに友達同士で遊ぶ時間はいくらあってもいい。

「とも…だち」
「でしょ?」
「…そっか」

くるりと背を向けて、ボタンが小さくつぶやいた。

 

 

   -つづく-

 

 


多分ゲーム本編では当面やらないであろう3メンバーの共演回。ネモとペパーは主人公の入学の日に顔見知りなのはわかってるんだけど、ボタンはほんとわかんない…💧
かなり強引に接点作っちゃったけど、今後の展開に整合性つくかしらん…?

ま、いいか(雑

「碧の仮面」で出てきた要素と、本編で(現時点で)お出しされている要素との共通点を見出したり見出さなかったり。ついうっかりキタカミのレイドで秘伝スパイスが入手可能という情報を入手したのとも合わせて、キタカミ餅の材料に使われてるのはまぁそういうことなんだろうな…という推察。

マップ上、鬼が山がある位置とパルデアの大穴の位置が重なってるのもちょっと気になるんだよねぇ…マップの都合と言えばそれまでなのかもだけど。

さて、次回以降はどうしようかな…ここまで1回ずつ各ルートを通ったけど、チェックポイントがレジェントルートとスターダスト★ストリートが5、チャンピオンロードが8だからなぁ…うまい具合に揃わせたいところだけど、ライドスキル的な意味でレジェンドルートを早めに終わらせたいってのもあるんだよなぁ…悩ましいデス。