炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ポケモンSV】ぼくの冒険レポート:番外編⑪~テラレイドバトルに行こう!秘伝スパイスを求めて【#ポケモンと生活】

ヒイロ、秘伝スパイスを取りに行くぜ!」
「…え?」

ペパーにそう言われ、寮の部屋から引っ張り出された。学校最強大会からこっち、母親であるオーリム博士の原点に触れたりした中で、自分なりの道を見つけたらしい彼は、いつしか料理人になりたいという夢を目指してつきすすんでいる。

「でもさペパー?秘伝スパイスなんてそんな簡単に見つかるものじゃなくない?あ、もしかしてエリアゼロ入るの?ダメだよ今度こそ怒られるよ!?」
「まぁ待て。話は最後まで聞くものちゃんだぜ?オレらが目指すのは…"結晶の洞窟"だ!」

結晶の洞窟というのは、パルデア各地に出没するクリスタル状の大きな結晶体だ。中が空洞になっていて、そこには普段とは違うテラスタイプをまとった強力なポケモンが待っている。

「結晶の洞窟が、テラスタルエネルギーが地面から漏れ出したことで出現するものってのは、授業で聞いたことあるだろ?どうやらそこで、秘伝スパイスが取れるかもしれねえんだよ!」

ペパーのクラスで結晶の洞窟に入った生徒が奇妙な草のようなものを拾ったといううわさ話を聞いたらしい。その生徒は、貴重なものとはつゆ知らずほっぽって出ていったようだけれど。

「ああもったいねえ…オレにくれたらお礼にサンドウィッチごちそうしたってのに…」

がっくりと肩を落とすペパー。でも…なるほど。秘伝スパイスがエリアゼロからもたらされたものだというなら、エリアゼロ由来のテラスタルエネルギーから発生した結晶の洞窟内にスパイスが生えていてもおかしくはない…のかもしれない。

「ってわけでだ!いっちょうテラレイドバトルに付き合ってくれ!ついでにネモとボタンも誘ってな!」

テラレイドバトルについては、4人一組での挑戦が校則で決まっている。近くにいる生徒を誘うこともできるが、こうやって事前に仲間を募って挑戦するのもOKなのだ。楽しそうだし、ぼくも久しぶりにペパーの秘伝スパイスサンドが食べたくなってきた。

「よーし!じゃあ取りに行こうか、秘伝スパイス!」
「アギャス!」
「わ、こら廊下に出てくんじゃねえマスラオコライドン!」

サンドウィッチにつられて、口中よだれまみれのコライドンがボールから飛び出した。

 

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「うーん…出て来ないねぇ、その…秘伝スパイス?っていうの」

マスラオやそらをとぶタクシーを駆使しながら、パルデア中の結晶の洞窟を探索する。しかし、見つかるのはいくつかのテラピース…特定のテラスタイプを帯びた結晶の欠片や見つけたポケモンの落とし物ばかりだ。最初こそ「強いポケモン相手にみんなで一緒にバトル!ウッヒョー!」と超乗り気だったネモも少し飽き気味だ。歯ごたえが無いらしい。

「その草、ホントに秘伝スパイスだったの?」
「いや、オレもクラスの奴の話を聞いただけで現物は見てねえからなぁ…なんか不安になってきた」
「…いや、でもそれっぽい目撃情報がチラホラあるし」

マスラオの背中でスマホロトムをいじってたボタンがネットの情報をぼくたちに見せてくれる。

「うーん…ん?あれ?ちょっとごめん」
「ちょ…なに?どしたん?」

画面の表示に何か気づいたらしいネモがボタンのスマホロトムをひっつかんで画面をスクロールさせる。やがて何かに気づいたように手を叩いた。

「このカキコミした人たち、ジムバッジを8個以上は獲得してる強い子だよ!」
「そうなのか?」
「うん、実際に勝負したこともある子も何人かいるし」

ということは、リーグに挑戦できるくらいの実力の持ち主が攻略するくらいの驚異度の洞窟じゃないと出て来ないのかもしれない。

「どういうことだヒイロ?」
「結晶の洞窟って、中に潜んでいるポケモンによってか驚異度が変わってくるんだよ」

その辺は突入前にスマホロトムが教えてくれる。その気になれば一人でも戦えそうな星1レベルから、よほどしっかりポケモンを育てていないと対抗が難しい星5レベルまで、その驚異度はさまざまだ。

「なぁ、オレらがいままで挑戦してたのって…」
「確か…最大で星4レベルだね。つまり…」
「よーし、そうとなったら星5レベルの洞窟を探すぞ!」

マスラオも「アギャス!」と奮起して頭の翼を広げた。…大体食欲だなこの衝動。

 

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「見つ…けたーっ!!!」

星5レベルのレイドバトルを制したペパーが手にしているもの…それは紛れもなく秘伝:あまスパイスであった。

「いやー、めっちゃ手ごわかったね!」
オモダカ委員長の切り札よか強いとかなんなん…ウチのニンフィアぶっ倒れるかと思ったんですけど…」
「それだけ強いテラスタルエネルギーを秘めてたってことなんだろうねぇ」

まぁ、おかげでペパーの目的も果たせたし、ぼく個人としてもなかなか見つけられなかったポケモンをゲットして図鑑をまた一つ埋めることができたので言うことなしだ。

「あ、しれっと自分の欲求も満たしてやんの。ネモも勝負欲求満たしとるし…」
「あはは…」

ジト目のボタンの肩を、ペパーがぽんと叩く。

「まぁそう言うなって。オマエの見つけたヒントが無きゃ、今頃まだパルデア中ウロウロしてただろうしな。せっかく見つけたし、ここらでメシにしようぜ!」
「やった!久々にペパー印のスパイスサンドウィッチが食べられる!」
「むー…スパイスマシマシ、めっちゃ甘いので」

よしきた!とペパーが袖をまくった。

 

 

   -つづく-

 

 


DLC後編「藍の円盤」が無事リリースされましたが、そっちに移る前に番外編をひとつ。

秘伝スパイスは、本編のシナリオの一つ「レジェンドルート」で出てきた重要アイテムですが、のちにレイドバトルで入手できるアイテムの一つとして出てきます。条件が星5レベル以上なので、本編クリアが前提ではあるのですが…

しかも単に星5レイドクリアしたところで入手自体がランダムなので手に入るかどうかすら危ういという超めんどくさい仕様。その分サンドウィッチに使用すると効果も高いようではあるのですが…

さて、そんな秘伝スパイスを必要とするミニイベントもあったりします。この番外編文中では言及していませんが、家庭科のサワロ先生とのイベントですね。本来甘党である彼の頼みであまスパイスを入手することになるんですが…まぁこれが大変でした。多分全教師イベントで一番大変だったのでは…?いやレホール先生の四災ゲットも大概ですが💧

さて、次回からDLC後編のレポートSSを開始します!配信直後なので全編ネタバレ注意で頑張りますわよ!