「おつかれさまーっ!」
ぼくのジム視察とボタンのポケモンセンター巡回がひと段落着いたということで、ねぎらいのピクニックが設けられた。オモダカ委員長のスケジュールの関係上、大会の開催は1週間後になるそうだ。
「よーし!エルダ、マスラオ!みんな遊んでおいで!」
ぼくがボールを投げると、仲間たちが一斉に駆けてボールを追いかけていく。平和だなぁ…
「そういえば、ヒイロって自分のポケモンにニックネームちゃんとつけるんね」
「というかそういうのが少数派だって最近知ったよ…みんなもつけてないんだもんね」
ボタンも手持ちのブイズはそのままだし、ペパーも家族同然のマフティフは、進化前からそのままで呼んでたみたいだし。まぁ、ニックネームを付けてないからって大切に扱われてないってわけじゃないしね。
「ブイブイたちの場合、うち以外で手持ちにしてる人、あんまり見んからそのままでもいーかなって」
「オレぁガキの頃からずっとそう呼んでたしなぁ。いまさら変えられねーよ」
呼び方は人それぞれということだ。ボタンだって親御さんからはボタちゃんと呼ばれてるらしいし。
「そ、その話はもうすんなし!」
ボタンが顔を真っ赤にして背中をポカポカと叩いた。
*
「ヒイロの手持ちのニックネームって、どういうノリで付けてんだ?」
「ノリというか…いやこう見えて結構考えてるからね?」
「たしか、エルダってお母様が愛用してるハーブから取ったんでしょ?なんかそんな話聞いた気がする」
ああうん、ネモにはアカデミーへの初登校がてらそんな話はした気がする。校長から託されたクワッスとホゲータ…今はもうウェーニバルとラウドボーンだけど…は、それぞれサフィとジッポ。これも由来はエルダと似たようなもので、両親が付けている指輪についてた宝石と、父さんが愛用しているライターから名前をとったのだ。
「この子は…ぴろっていったっけ?他の子と比べても毛色の違う名前だよね…」
「ふふっ、抱き枕みたいでしょ?だから、ぴろね」
「なるほど…もふもふ」
前にバトルしたときに対面して以来、ボタンはこの子をいたく気に入ったらしく、隙あらば抱きついて吸っている。まぁぴろ自身も嫌がってはいないからいいんだけど。
「他は…前にいたのはデカヌチャンのカナヤマヒメと、コジョンドのウズメだっけ?」
「うん、キタカミの里で覚えた古い言葉から名前を付けたんだ。マスラオもそうだよ」
「キタカミかぁ…行ってみたいなぁ」
卒業旅行に行くとかいいかもね。みんなでさ!
「おいおい…それオレが留年するの前提ちゃんかぁ?」
わりと卒業が危ないらしいペパーの嘆きに、ぼくたちは顔を見あわせて笑うのだった。
*
「で、最後に残ったこの子は?なんでゼイユ?」
ぼくの背中にのしかかりをしかける(おぼえてない)ゼイユの由来を指摘されて固まる。い、言いにくい…他校の、それも女の子の名前が元だなんて…
「…知り合いの名前なんだっけ?ヒイロがドンナモンジャTVに出てた回のリスナーのコメ欄にそんなコト書かれてたし」
「そうなの?誰だれ?」
「イッシュからの書き込みだったし、ブルベ学園の子なんかな?林間学校行ったなら、そこで知り合った子とか」
あぁ、うん。ボタンは見るよね配信…
「…そう。林間学校で友達になった子の…」
「えーっ!そうなの!?」
ネモが驚いた顔。さ、さすがにヒくよね…
「ずっるい!わたしも自分の名前ヒイロの手持ちの名前に使ってほしい!」
「…はい?」
予想外の展開になってきた。
「えー、でもどの子に付けてもらったらいいかなー?ヒイロはどう思う?」
「そ、そうだなぁ…ネモの手持ちだと、パモ系統がそれっぽいような…?」
「おっけ!じゃいまからパモ捕まえてくる!」
「いやいや…」
やるかどうかはともかく、やるならぼくが捕まえるからね?
「オレらの名前つけたポケモンか…やっぱマフティフに付けて欲しいなオレなら!」
「…ブイブイ…あーでも進化組はどれもうちって感じせんし…やっぱイーブイがいいかな…?できれば色チ希望」
なんかみんなの名前を付けたポケモンを連れていくの前提で話が進んでる…
「そうだ!他の人の名前つけたポケモンとかも考えてみよう!たとえばジニア先生だと…ゴクリン?」
「あ、ちょっと似てるかも…」
その後ジムリーダーや四天王の人たちの名前をポケモンの名前にアテる遊びで盛り上がりながら、お昼休みは過ぎていくのだった。
-つづく-
手持ちのニックネーム話でした。突然の自分語りどうした?(ボタン感
ま、まぁメインは仲間の名前をつけたいとかそっち方面なので…(震え声
ちなみに手持ちじゃないですが、すでに内ボックスにホームウェイ組の名前つけてるポケモンはいます(爆
ゼイユの名前をグラエナに付けるきっかけになったのはとあるスレ(を基にした動画)なんですが、同じスレで出てたオオタチスグリもやりたいなぁ…いずれバイオレットも遊びたいからそっちでやるかも。