「なんだぁ?ジム視察ついでにSTC視察ってか?偉くなっちまったなオイ?」
「人聞き悪いなぁ…遊びに来ただけだよ?」
「来るなりいきなりゴング鳴らすのはカチコミ以外のなにもんでもねー」
否定はできない…ただ物騒なので視察と書いてカチコミはやめてくださいメロコさん。
「オルティガくんのところは成功率微妙っぽいんだけど、こっちはどうです?」
「あー、まぁガッコから近ェところは難易度控えめにしてくれって校長が言うんでな…まぁあっちほどじゃねえよ」
なるほど利用者も成功率も高い方のようだ。ほのおタイプなら対策も立てやすいというのもあるんだろう。
「おかげでスカっとしねえんだよ…おいチャンピオン!オレと一発、勝負付き合え!」
フラストレーションのたまったメロコさんにバトルを挑まれた。スターダスト大作戦の時に出会ったボウタロウがグレンアルマに進化してて、大切にしてるんだな…なんて思った。
それにしても…そうか、学校から近いところは難易度低め…これってジムにも言えるんだろうか?
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ボウルタウンのジムオフィスを訪れるとあたらしい称号が爆誕していた。ぼくとのジム戦以来、もう一度戦いたいと思ってくれていたらしい。
「この後トップチャンピオンと会う予定だったがキャンセルだ!ワタシと芸術について語らないか?」
「ぼく、そのトップチャンピオンの代理で来たんですけど…」
「なに?!そういうことか。まぁいい、キサマと合作ができるのなら立場も理由もどうでもよかろうなのだ!」
その後終始楽しそうに笑いながら視察バトルをするコルサさんなのであった。
「ああ!インスピレーションが止まらん!止まらんぞ…!」
…とりあえず風車から降りる演出はほどほどにした方がいいと思います。
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「そうなんですよねぇ…セルクルジム、アカデミーからとっても近いでしょう?だから最初のジムに選んでくれる生徒さんが多いんです」
それゆえにお菓子のようにあま~く戦ってほしいという要請が、オモダカ委員長から出ているらしい。加えてむしタイプは弱点を突きやすい(なんなら近所にすぐ弱点を突けるヤヤコマも生息しているし)ので、かなりの確率であっさり突破されてしまうのだ。さっきのメロコさんじゃあないけれど、フラストレーションもたまっているのだろう。
久しぶりに本気が出せるということで、いやにテンションの高いカエデさんがうきうきとバトルコートではばたく。
「あー!本気で戦って負けるって気持ちいいー!」
もう少しビターになってもいいのかも?と呟きながら、仕込みの仕事に戻るカエデさんの表情はとても晴れ晴れとしていた。
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「…なるほど、カエデがそのようなことを。立地の都合はどうしようもありませんが、難易度の調整は今後考えてみてもいいかもしれませんね」
「でも学校でてすぐのジムがグルーシャさんレベルはさすがに誰も突破できませんよ?」
「そのへんの匙加減を考えるのも、委員長たる私の役目ですから」
視察を終えたぼくは、アカデミーへ戻りオモダカ委員長へ報告する。みんなぼくとの再戦を喜んでくれていたらしい。なんだかちょっとむずがゆい。
「さて、貴方のおかげで私のスケジュールにも余裕ができたように感じられました」
学校大会への参加はかなうようだ。ネモも喜ぶね。
「おや?貴方はわたしとの再戦は喜ばしくないので?」
「いっいえ!楽しみにしてますよ!」
「ふふっ…すみません、すこし意地悪を言いました」
改めて視察について礼を言われ、オモダカ委員長は学校を後にするのだった。
-つづく-
駆け足気味ですが、ジムリ再戦編完了。次回はいよいよ学校最強大会、その本戦に突入でござい。
これを書いてる時点で一応クリアまで持ってっているので言うのですが、こちらも4戦中2戦は再戦扱いみたいなもんなので、キンクリしちゃうのがいいかもなんだよねぇ…ドウシタモンカ
さて、最後のスター団ゲストとなったメロコは実際に再戦してます。グレンアルマがボウタロウだといいよね…エモいよね👍