炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【SS】女の子は、誰だってお姫様になれる【真】

 ―――少女が大きな扉を開くと。そこはとても広いフロアだった。

 いたるところに、何人ものタキシード姿の男の人と、何人ものドレス姿の女の人が、様々な色や形の仮面で顔を隠し、手を取り合い佇んでいる。

 フロアの中央で、ひとり立ちすくむ少女。と、自分自身も水色のドレスに、薄く引いたピンクのルージュ。長いさらさらの髪に、ちょこんと乗っかる小さなティアラ…といった、まるでお姫様のようないでたちに気付き、戸惑う。

 やがて曲が始まり、周りのペアが一斉に踊り始める。
 くるくると、くるくると。

 ふと、少女の傍らに、仮面をつけた青年が現れる。
 彼は優しく手を差し伸べて囁くように言った。


   「僕と、踊っていただけますか?」


 ドキドキしながら、少女は頷き、青年の手を取る。

 流れるメロディに合わせ、少女と青年は踊る。
 くるくると、くるくると。
 少女の表情は、やがて穏やかになる。その可愛らしい笑顔は、まさにお姫様のようで―――



 はっと気付くと、そこは見慣れた自分の部屋だった。
 立てかけられた鏡には、いつもどおりのボーイッシュな姿。女の子らしさは微塵もない。

 …夢、だったんだ…

 と、自分の手の中にルージュのケースを見つける。
 夢の中で唇にひかれていたルージュだ。
 少女は鏡に近づき、そっとそのルージュを唇にひいた。
 鏡の向こうの自分が、夢の中で見た自分とダブって見えた。




  ―――女の子は、誰だってお姫様になれる…
  ―――ティーンズコスメ【PRINCESSES】(プリンセシーズ)






   * * *



「…なんか、改めてみるとめっちゃ恥ずかしいですね…」
 耳まで真っ赤にしながら真が呟く。
 先日撮影したCMが完成したというので、そのデモテープをもらってきたのだ。
 1週間後には全国に流れることになる。
「…というか、無名どころかただのプロデューサーでしかない俺が大写しでいいのかなぁ…」
「それは…まぁ、仮面かぶってるんだし、いいんじゃないですか?」
 テープを巻き戻しながら、くすっと笑って真が言う。
 最近、こういった女の子らしい仕草を、よく魅せるようになった。プロデューサーとして…ちょっと嬉しいような、寂しいような。…複雑な心境である。

「そうそう、あのCMの監督さんな。真のこといたく気に入ってくれたみたいでさ。今度映画撮るときに使わせてくれって」
「えっ? あの監督さん、映画やるんですか?」
 俺の言葉に、真が振り返って尋ねる。アホ毛がぴょこん、とはねた。
「ああ。まぁ、webで公開するショートムービーらしいけどな。そん時は声かけてくれるってさ」
「へへっ、やーりぃっ! …うーん、いよいよボクも銀幕デビューかぁ。楽しみだな~」
「…いや、それはちょっと飛躍してるぞ真(汗」


 …そんな他愛の無い会話に流れて、事務所での昼休みはやんわりと過ぎていくのであった。



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 以前執筆した真の誕生日SS http://blogs.yahoo.co.jp/homurabe_2000/50680156.html
 …の題材になったCMネタをピックアップ。真SSはこのネタあっての作品だったので、いつかちゃんと形にしたかったのんですが、今回ようやく書けて一安心といったところ。

 …ええ、自己満足全開のジャンジャンバリバリですよ(意味不明

 ネタさえあれば他の女のコのCMネタとかもやってみたいな。
 …ああ、コミュのCM撮影からネタを引っ張ればいいのか。



 って、ここ半年以上360起動すらしちゃいねぇ!!!(阿呆

 …いま何処まで進めてたっけ…(汗


 http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=homurabe
  ↑web拍手です。アイマスSSでなんかリクエストあったら教えてください。参考にします!