炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ラッシュSS】EPISODE BREAKERS/エピローグ

「ザジ! みんな!」

 ハンターステーションに帰還したウェポンブレイカーズの面々が真っ先にその視界にとらえたのは、駆け寄るハンターリーダーの姿であった。

「ただいま、レディ」
「ただいまじゃないわよもう……でも良かった、みんな無事で……」
「フフ、今にもザジに飛びつきそうな勢いですねリーダー? 構いませんよ。見て見ぬふりしておきますから」

 ブラストのからかいにレディとザジがそろって顔を真っ赤にする。

「ちょっ!」
「まっ……あ、いやダメだよ。今僕、汗かいてるし、その……」
「おやおや、汗を流してからならザジは構わないそうですが?」
「ブ~ラ~ス~ト~」

 ムルチブレードを握るザジに、ようやくブラストも「冗談です」と半ば引きつりながら笑い飛ばした。

 気を取り直して、改めてレディが“おかえり”を告げ、ザジたちもそれに応える。

「レディ、これ……」
「うん……」

 ザジがムルチブレードを差し出す。先の異形なる形態……仮に“ゾアモード”としておこう……から元の姿へと戻ってはいたが、その趣はレディが造り上げたものとはまた違った雰囲気を持っていた。

「すごいわね……プラズマソウルの刃って言ったところかしら?」

 ゾアモード覚醒のきっかけとなったプラズマソウルの破片は、ムルチの刀身の“刃”の部分をコーティングするかのように広がり、薄く、しかししっかりと輝いていた。

「これってさ、ヒントにならないかな?」
「ヒント?」
「ああ。あの時言ってたじゃないか。『いつかプラズマ怪獣でさえ武器にしてみせる』って。まぁこれは“怪獣武装がプラズマ怪獣化した”ものだから、ちょっと違うかもだけどさ」

 ザジに言われてふと思い出す。初めて出会った日。怪獣武装に目を輝かせて興奮するザジに、確かにそんなことを言ったのはレディであった。

「憶えててくれたんだ……」
「そりゃ、そうさ。言ったでしょ? レディの夢の手伝いをしたいって」

 臆面もなくそう言ってのけるザジ。

「も、もう……。うれしいけど、それでザジ……や、みんながケガとかしたら元も子もないんだからね。無茶はしないこと。……いい?」

 照れ隠しに急にお姉さんぶって……実際、ザジより年上ではあるが……レディが人差し指をザジの鼻先につきつけてみせた。


「うん……頑張ってみるよ」
「ハンターは無茶してナンボの職業なんですがねぇ……」
「シューター、一言余計」

 ブラストの発言にブライがツッこみ、4人が破顔した。

「……うん、ちょっと創作意欲湧いてきちゃったな。みんな、今度は私の個人的なオーダー、受けてもらえるかしら?」

 新しい怪獣武装を造りたいの。と言って、レディが手を差し出す。

「材料採集に行くわ。護衛……お願いできるかしら?」
「貴女のご随意に……レディ」

 ザジが少々芝居がかった調子でその手を取り、力強くも優しくうなづいた。


   -HUTING ENDED-



 うるっとらっふろんてぃあっ!(主題歌風に←

 そんなわけで、俺様ちゃんの初ラッシュSS(厳密には初ともいえませんが)ひとまずエンドマークってことで。

 このエピローグ、蛇足かなーとも思いつつそれでもどうしてもやりたかったのは、ひとえにハンターリーダーであるメイツ星人レディの存在あってのこと。
 そもそも彼女が誕生しなければこのSSもなかったわけで。
 いやほんと創造主デビ……もとい、レオ女史には足向けて寝られませんことよイヤホントに。

 あと個人的に、CGムービーでハンティング終わってステーションに帰投した後のハンターたちのやりとりってのがほぼなかったのでそーいうのを見てみたかった欲望の解放(ちゃりーん


 バトルもいいけどバトルから離れたハンターたちってのも描写やってみたいんですよねー。

 そんなわけで、今後のラッシュSS(やるなら)は、オフ時のハンターや、ハンター以外でギルドに関わる人々をクローズアップするショートショート的ななんやらかんやらをやれたらいいんじゃないかな? 的な。

 うん、まあアレよ。
 ハンティングネタはそうそう出来ないってのが今回で分かったしね(