炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】3日目:水の町から愛を込めて【リプレイ風】

回復したマイコを伴って、赤の旧市街を回る。

本当は一日休みにしても良かったのだが、彼女から「家賃払えなくなっちゃいますよ?」と諭されてしまった。

金にうるさい我らが館の主の方針により、家賃は日払いとなっている。現状廃墟探索でしか金銭を稼げない僕たちにとって、潜れないのは即死活問題に直結するのだ。

 

さしあたりの目標に、サークルの確保を掲げ、危なげなく潰していく。ローナや賞金稼ぎ連中から得た情報を集約するに、このサークルを全て潰さない限り、デモンは現れないのだ。

 

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「...おや?」

サークル探索の最中、マイコが一冊の本を拾った。

赤の旧市街は、実のところその全てが燃え続けているわけではなく、一部は鎮火...どころか水びたしになっているような箇所もある。

近くに他のデモンがいる影響らしい。

それはさておき...

「日記帳...みたい」

ぱらりとめくる。湿気で多少よれよれ担っていることを除けば、紙もインクもしっかりと原型をとどめていた。


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日記の主は、ベルガーなる錬金術師らしかった。

彼と彼の子供たちは、家族でこの廃墟...もとい城下街に住んでいたようだ。

妻を亡くし悲観にくれつつも、残されたこらと共に平穏に生きる毎日。

王宮での不穏な噂や、その王宮に、家族ともども招かれていること...などが書き綴られていた。

 

「つまりこれ...200年前の人の日記、なのね」

ローナやフランから聞いた話によると、ここら一帯は200年前に一夜にして廃墟になったらしい。それが事実であれば、この日記はそれより前に書かれたものとなる。よくも今まで風化しなかったものだ。

 

「...わたしの郷里では、言葉には魂が宿るといわれるわ」

この日記には、ベルガーなる人物が家族に寄せた深い愛情が示されていた。その言葉の力が、長い時を経てもなお残り続けているのだろう...と、マイコが言った。

 

「まぁ...結局推測でしかないけれど」

たしかにそうだ。だが...

 

この錬金術師ベルガーと、彼の二人の子供たちが、平穏に人生を過ごしたことを、僕は願わずにはいられなかった。

 

   −つづく−

 


一日分飛ばすといったな?スマン、ありゃ嘘だった(ぇ

まぁ、リメイクに際しての追加要素部分なので避けられないんですよね~

ちょっとネタバレっぽい気もしますが、序盤も序盤なんでまだいいかな、とは。