デモンを倒しに行くよ。
僕がそういうと、仲間たちはみな一様に目を見開いた。
まぁ、無理もない。あれだけのことがあった昨日の今日で、なのだから。
ローナが死んで、周りが僕を見る目がガラリと変わって…みんなの態度に変わりがなかったのは正直助かっているけど…ずっと館に篭っているのも、息が詰まるんだ。
「まぁお前さんがいいならいいが…無理しとらんか、大将?」
無理はしてないよオヤカタ。みんなを巻き込んじゃうのがちょっと申し訳ないけどね。
「巻き込むなんて…」
ああごめんビアンカ。ちょっと言い方悪かった。
「気分転換、ってやつかい?それでデモン退治とは随分物騒だけれど」
それは僕もそう思うよ、ノアル。
「…いいじゃない、行きましょう」
最初に席を立ったのはマイコだった。
「何があったって、リーダーのやることは変わらない。わたし達がそれを助けることもね」
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…星樹のとばりの奥、茨で覆われた庭園の中央にて、デモン・ヘルメスは佇んでいた。
「フッ、一度では飽き足らずに度まで僕の前に姿を見せるか。罪深いものだね…人という生き物は」
罪深い、か。確かにそうかもね…
「ほぅ、人間と意見が合うとはね」
だね。じゃあ意見が合うついでにさ…
──ちょっと憂さ晴らしに付き合ってよ。
手に入れたばかりの鍵に力を込め、マルスを顕現させる。
「よぉ、呼んだかい?」
ちょっと暴れたい気分なんだ、力を貸してよ。
「オーライ、ゲイザー!赤き火の竜人・マルス様の加護を受けな!」
体の熱が上がるのを感じる。
「僕らデモンも大概罪深いが…そのデモンを操るお前の罪…如何程かな?」
力を解放し真の姿を顕せたヘルメスを睨みつけ、仲間たちに檄を飛ばした。
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「僕も落ちぶれたものだな…人間如きにやぶれるとは」
しかし…とヘルメスが僕を一瞥する。全員が満身創痍と言えるくらい、ボロボロだった。
「お前、随分と無様な戦い方をするのだな?まるで…戦うこと、傷つくことを何かの罪滅ぼしのように思っているかのようだ」
──!
「…図星、か。まぁどうあれ負けは負けだ。精々お前のその行く末を…見届けてやろうじゃないか」
魔眼がヘルメスを捉える。
「野に伏し、朽ち果て、やがては土へと還るその日まで…!」
人を小馬鹿にしたような声が、姿と共にかき消えた。
──デモン・ヘルメス…討伐、完了…
−つづく−
3体目(コメットを含めると4体目)撃破!
さすがにマルスやミズガルズヘッドみたいには簡単にいかなかったですなー。
ゲーム上だと淡々とこなしていきますが、彼ら(特にゲイザーくん)のメンタルや如何に…ですわね。
というわけで半ば八つ当たり気味にヘルメスをボコったゲイザー隊