炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】44日目III:月のデモン・ルナ

赤き竜人よ来やれ、オープンデモン!

「っしゃあ!アタシの出ば…うおっ!?」

呼び出されて早々に、ルナの姿を目の当たりにしたマルスが戸惑う。

「おいおいゲイザー、なんだあのバケモンはよぅ…」

「フン、化け物に化け物呼ばわりされたくなんかないね」

ルナが苛立ちのまま鎖を振るう。マルスのチェーンソーに巻き付け、そのまま地面に叩きつけた。

「ぐおっ!?な、なんだよこいつ…」

デモンだよ、僕達と同じ…ね。

「はぁ?」

話は後だ。最初から全力で行く…戒めの鎖を解き放て!

 

マルスの封印を解き、同時にクロノスとネプトゥヌスの加護を引き出す。

仲間たちにはいつも通りの布陣を仕掛けてもらい、こちらは大技をくりだすために意識を集中させた。

ルナの放つ闇の魔力が、幻影ごと僕達を焼く。だが、これくらいで折れてやるほどヤワじゃない。

『お父様、ホーリーチャージを使います。合わせて!』

わかった!一番槍は君たちに任せるよ!

双子の突貫に、ルナが一瞬たじろいだ。その隙を逃さず、二振りの剣を握りしめて地を蹴る。

 

 ──五連撃(ユピテルベイン)

 

炎と氷の魔力を帯びた刀身を、月のデモンに振り下ろす。

「くくくっ…やるじゃねえか。やっぱり敵討ちはしたいもんなぁ…ゲイザーのジャリがよぉ…」

うるさい!

二度、三度、刃が閃く。迎撃に振るわれた鎖を叩き切り、ガラ空きになった腹に四撃目を叩き込んだ。

「ちぃっ!」

「ダメ押しだ、こいつも持っていけ!」

ノアルが錬金魔法で即座に四元素の矢を連続して放つ。僕は剣でそれを受け止めて──最後の一撃をルナの脳天に叩き込んだ。

 

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「うぐっ…!」

砕けたデモンの巨躯が霧散し、ルルの小柄な体が地面に転がる。

「は、はははっ…さすがはテラ…大した力をもってるじゃねえか」

オレ一人の力じゃやっぱり勝てねえか、と独りごちる。あれで全力じゃないってことか…

 

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「おい、ジャリども。しばらく生かしといてやる」

 

  ──次に会う時を、楽しみにしてな。

 

そう言い残すと、ルル…いやルナは一瞬にして消え去るのだった。

 

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ルナとの戦いが終わり…夜。

管理人室を訪ねると、カッスルとレゼルムもそこにいた。

 

カッスルによれば、ルゥ・ルナーク…あるいはデモン・ルナは彼の行方不明になっていた母親なのだと言うが…

「間違いねえよ。あれだけグリモダール城内に詳しいやつは、俺以外にゃお袋しかありえねえ」

「いやいやいや…ルル君は年はも行かない少女なんだよ?それがどうやったらキミみたいなでかい子がいると言うのかね?」

レゼルムの疑問ももっともだ。ただ…

「ただ?」

彼女はデモンだ。それこそ僕と同じ…人間から生み出された、ね。

「そうね…相手がデモンなら、起こり得ないことなんて何もないもの」

僕自身という説得力を、フランが補足した。

 

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ルル…もとい、カッスルの母親は、15年前にグリモダール場に忍び込み、ある鍵を見つけたという。

「それが…大天使ソルの鍵だったってわけね」

その鍵の力でソルが目覚め、現在の魔物蠢く城下町になってしまったのだろう。

そして、カッスルの母親はソルに取り込まれ…

「…地に落ち、人間になってしまったあなたの身代わりに、されたんでしょうね」

フランが僕を見た。

「そういえば、その“ソルの大鍵”だっけ?前にルル君から相談を受けて探してたのは」

そうそう。フランから鍵を受け取るための雑用でね。最初は僕が持ってるんじゃないかと思ってたみたいだけど。

「まぁ、ソルからすれば、裏切ったあなたがついでに持ち逃げしたと思ったのも無理からぬ話かしらね」

現状、ソルの意思は目覚めているけど、鍵がないから完全な復活は遂げてないってことか。いいニュース…ではあるのかな。

「結局見つからずじまいだったものねぇ…ただ、彼女は別の手を考えてるようだけれど」

「どんな手を使ってくるのか…とにかく、あなたは引き続きデモンの討伐を続けて頂戴」

 

フランの言葉に、僕は今一度大きくうなづくのだった。

 

   −つづく−

 


実はこのイベントバトル、1ターンキルしちゃったんです💧

呼び出したマルスの攻撃と、ノアルのクアッドボルト、双子のホーリーチャージで落ちるとか流石に想定の範囲外だったわ!

流石に一度ロードして、難易度確認したくらいで(ちゃんと「まるこげ」でしたが)。

まぁ、ルル曰く本調子ではなかったっぽいし、メタ的にも前哨戦みたいな感じだったろうから、文中でもあっさり倒しておきました。

さて、作中屈指のネタバレを無事終えたので、次のエリア探索に向かいましょう!