炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#キングオXギーツ】キングスゲーム:プロローグ②【クロスオーバー】

シュゴッタムの中枢・キングコーカサス城の謁見の間は、しばしば6王国の首脳会議の会場にも用いられるほどの広さを誇る。現在王位にいるギラ自身、廊下を含めれば児童養護院の子供たちを全員集めて運動会でもできそう、と思ったくらいではある。

「はっ!」
「おらぁっ!」

そんな広い空間は今、ギラ=クワガタオージャーと謎の戦士…仮面ライダーエクスギーツと名乗った…の戦いの舞台となっていた。

「良い動きをしてるな!ちょいとばかり我流も見えるが…シュゴッタム兵団の伝統剣技か。良く学んでいるな王よ!」
「なんで、それを…っ!」

平民出身であるギラは剣技らしい剣技を修めていなかったが、王位を継承したのを契機にドゥーガに教わるようになっていた。それは基礎の素振りを毎日かなりの回数を行う地味に過酷なものであったが、それによってギラの戦闘能力は大きく向上していた。

「あの男の剣さばき…?」

二人の戦いをつぶさに見守るドゥーガが呟く。ギラは気づいていないようであったが、エクスギーツが振るう剣もまた、同様の太刀筋を帯びていた。

「まさか、奴の正体は…!?」

ドゥーガの疑念が結実しかかる刹那、裂帛の剣気によって振り下ろされた一太刀が、それを防いだエクスギーツの剣を折り飛ばす。その勢いで刃と同じく吹き飛ばされた狐面の男は、床にたたきつけられるように転がった。

「…ははっ、強ぇ強ぇ。まぁ仮にも王様だ…そうでなくっちゃあなァ」

柄だけになった剣を放り捨てる。よく見ればそれはシュゴッタム兵士に支給されている何の変哲もない鉄剣であった。

「じゃあそろそろ…お遊びは仕舞いだ」

そう呟き、エクスギーツはおもむろに何かを取り出した。紫色で四角張った、奇妙な形状の装飾を、紅い狐面は腹部のベルトに差し込む。

 

 -ARMD JACKER-

 

無機質な音声と同時にエクスギーツの上半身に簡素なアーマーが備わり、その右手には手槍が握られた。

 

 -READY…FIGHT!-

 

唐突に鳴り響く開戦の合図。遊びは仕舞い、と言っただけあって先ほどとは打って変わった戦闘起動でクワガタオージャーを翻弄する。

「ほらほらどうした!? お手本みてえな剣術じゃあ捌ききれねえ…ぞ!」
「こっ…のぉ!」

負けじとギラもキングスウエポンを取り出し、二刀流でエクスギーツに対抗する。

「良い判断だ!手数は多いに越したことは無い!」
「はあぁぁぁっ!」

嵐のような銀閃をいなし、斬撃の壁の隙間を縫うように伸びたエクスギーツの槍が、クワガタオージャーの顔面を衝いた。

「うわっ!?」

次に吹き飛ばされたのはギラの方であった。キングスウエポンを取り落とし、尻もちをつきながらも相手の刺突をどうにかオージャカリバーで躱していく。

「くそっ!この!」
「ハッ、いいな!その勝利への執着…生き汚さ!王とはそうでなくては…だがっ!」

エクスギーツが槍でオージャカリバーを絡めとり、ギラの手を離れた剣は床を転がっていった。

「しまった!」
「ギラ様!」
「おおっと、動くなよ…”ドゥー坊”。敬愛する王様の心臓に風穴開いちまうぜ…?」

まるで古くからの知り合いのようにカラカラとドゥーガに笑いかけながら、その槍の穂先をクワガタオージャーの胸部装甲に突き立てていく。

「や…やはり…貴様…いや貴方は…!?」
「さて…じゃあそろそろ…奪わせてもらおうか!」

 

 -JACKKING RAISE STRIKE!-

 

手にした槍の柄…その先端たる石突のレバーを引き抜く。電子音声の鳴動とともに、エネルギーの奔流がギラ…クワガタオージャーから抜け出るように槍へと集まっていった。

「何が…起きている…?」

王を人質に取られ身動きの取れないドゥーガの目の前で、槍の先端に晒されたクワガタオージャーの鎧が少しずつ希薄になっていく。やがて完全に鎧が消え去り、ギラの戸惑う素顔が露になった。

「王鎧武装が…解けた!? な、何をした貴様ッ!」
「奪ったのさ。オマエの王の力と…“王権”そのものをな」

そう嘯くエクスギーツの手の中で、槍の形状が揺らぐように変化していく。

「武器が変わった…?あ、あれは…?」
「オージャカリバー…? でも刀身が…」

ギラの呟く通り、エクスギーツが握っていたのは王の証たるオージャカリバー…の柄だけであった。

「まぁ見てな。ここからが…山場ってやつだ」

 

 Qua God!クワガタ

 

柄だけのオージャカリバーの中央…クワガタの顎を模したレバーを弾く。続いて「こうして…こう…か?」と呟きながら並ぶスイッチレバーを順に起動させていく。

「ハハッ…」

 

 ──王 鎧 武 装 。

 

勇ましい待機音響が流れる中、エクスギーツはそれを自身のベルトへと取り付け…今一度クワガタのレバーを弾いた。

 

 -SET!-
 -You are the KING, You are the You are the KING!-

 

「そんな…嘘…だろ…?」

 

 -KUWAGATA OHGER!-
 -READY…FIGHT!-

 

驚愕に染まるギラの瞳に、クワガタオージャーの鎧をまとったエクスギーツの姿が映えた。

 

   →To Be Continued…→

 

 


というわけで今作におけるオリジナルガジェット、『アームドジャッカーレイズバックル』『オージャカリバーレイズバックル』であります。
前者の拡張武装である槍型武器レイズジャッカー(文中では名前出してませんが)はとある仮面ライダー武装がモチーフ…ってさすがにバレバレがひどいですがw
このへんは追々番外編という形で紹介をする予定です。

一方、そのレイズジャッカーが変化して誕生したオージャカリバーバックル。見た目は完全に刀身のないオージャカリバーそのものですが、プロップサイズだとさすがに邪魔になるよな…とは思います💧

youtu.be

YouTube探したらちゃんと出てくるんだから改造民すげえ…

あ、ちなみに長くなるから文中描写端折ってますが、オージャカリバーバックルをセットする際にリボルブオンを経てから上半身側(向かって左側)にセットしてます。アームドジャッカーバックルはセットしたまま。

エクスギーツについてはまた次回のあとがきで。