炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(36):チャンピオンロード⑦〜フリッジジム!魂のダブルバトル【リプレイ風】

ボタンと別れてナッペ山を登る。ここからは冷え込むし、しっかり防寒対策もしなくちゃだ。
そういえばコライドンはドラゴンタイプだと思うんだけど、寒さとか平気なのかな?こおりタイプの技がバツグンのイメージがあるけど…

「アギャス!」

心配ご無用!とばかりにコライドンが吠える。まぁ似たようなポケモンであるモトトカゲも人間の体温であったまってるって聞くし、大丈夫なのかも。
震えながらナッペ山を登っていくと、街の明かりが見えてきた…フリッジタウンだ。

「おーい!」

街に入ると、聞きなれた声が近づいてきた。ネモだ。

「んもぅ!先に来て待ってたのに全然遅いんだもん!風邪ひいちゃうかと思ったよ!」
「そりゃそのカッコじゃねえ…」

パルデアは場所によって大きく気候が異なるため、アカデミーの制服には衣替えの概念が存在しない。自分の体調や周辺の環境に合わせて着替えることができるのだ。もちろん着替え自体は自由だけれど。かといってネモの恰好は完璧に夏服のそれだ。よくそれでこの山を登ってこれたものである。

「ほら、これ着てて」
「あ、ありがと…」

仕方がないのでぼくの冬服のジャケットを貸してあげる。背丈的にサイズが合わないかと思ったけど、どうやら問題なかったようだ。

ヒイロ意外と体格いい?」
「意外と、は余計ですー」
「ふふっ…やっぱり男の子だ」

 

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いつもだとここらでウォーミングアップを名目にバトルに誘ってきそうなネモだったが、特に何も言われないままジムオフィスへ。今回のジムテストは…オープニングアクト

「フリッジのジムリーダー、ライムさんっていうんだけどすぐそばのステージでライブやってるの。そこの前座だよ」
「前座…って何するの?」

ジョウトだと芸人さんや舞妓はんが盛り上げたりというのは聞いたことがあるけど…

「そりゃもちろんバトルだよ!」
「…もちろんと言われましても」

まぁともかく、ライブ会場のMCさんに声をかければいいらしい。ともかく行ってみよう。

 

   *

 

MCのカマーという人に説明を聞く。ライブ会場兼バトルコートとなっているこのステージで、ダブルバトルをして盛り上げるのが前座の役割らしい。さて、対戦相手は…?

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「私だよ!」
「…ネモ!?」

意気揚々とステージに上がってきたのは、ぼくのジャケットを羽織ったままの友人であった。

「ふふっ。ジムテストがダブルバトルってのは、前にジム巡りしたときに知ってたからね!ジムのスタッフさんに無理言って変わってもらっちゃった!まだヒイロとはダブルバトルしたことなかったしね!」

なんて行動力だ…

「さぁヒイロ、ウォーミングアップも兼ねて…いざポケモン勝負だよ!」

まぁやる気満々のところに水を差すのもなんだし、ネモには強くなったぼくを見て欲しいというのももちろんある。それじゃ…ひとつアゲていこうか!

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「そうこなくっちゃ!実りあるバトルにしようね!行って!ルガルガンヌメイル!」
「お願い!ぴろオオタチウズメコジョンド!」

 

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ぼくとネモのダブルバトルに、会場はヒートアップ。観客のボルテージが上がるごとにライトアップするスペシャルなステージは、煌々と光り輝いていた。

「はぁ…はぁ…!さっすがヒイロ!バッジ6つは伊達じゃないね!」
「そっちこそ…ようやくチャンピオンランクとしてのネモが見えてきた気がしたよ?」
「そう?ひょっとしたらまだまだ隠してたりしてね…?ふふっ!」

すっかり暑くなっちゃった!とぼくにジャケットを投げ返す。ほんのりいい匂いがしたが…多分気のせいだ。

 

 ━━ライム!ライム!ライム! ライム!ライム!ライム!

突如、観客のコールが変わる。

「わっ、なにごと?」
「あ、忘れてたけど私たち前座だったわ…」
「そーいうこと!二人の世界作ってるとこゴメンだけど、ちょーっと後ろさがっててねお二人さん!」

カマーさんに引っ張られると同時に、舞台袖から現れたのは…屈強な体の女性シンガー…ジムリーダー・ライムさんだ!

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「黙りな!」

盛り上がったボルテージを一喝で止めて、続くマイクパフォーマンスで一気に元以上のテンションにぶちアゲていく。さ、さすがプロ…

オープニングアクト、サンキュー!まさかチャンピオンに盛り上げてもらえるとは光栄だね」
「いえいえ!今回はこの子がチャレンジャーですけど、また近いうちに視察に来ますんで、その時はよろしくです!」

当然だけどネモはすでに各ジムリーダーと知り合いで、さらにその上を行くチャンピオンランクなんだなぁ…と、その横顔がどこか遠くに見えた。

 

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ジムオフィスで報告を済ませて再びステージへ戻ると、観客とのラップバトルが行われていた。

「…おっと?ようやく来たかい前座ボーイ!ジムバトルの前にラップバトルもいっとく?!」
「…いえジムバトルでお願いします」
「HAHAHA!そりゃそうさね!まぁ気が向いたらまたラップバトルもしにおいでよ!とにかく今は…ポケモン勝負で、アンタの昂ぶるハートを見せてみな!」

ステージ…いや、今はバトルコートの両端に立って、お互いに向き合う。

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「語りなバイブス!霊・生命!勝負するフィールド! ミミッキュ…アーンド、ジュペッタPUT ON HANDS UPもりあげていきな!」
「ようし、こっちもアゲていくよ!おいで!エルダマスカーニャゼイユグラエナ!」

 

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「まじかよあのチャレンジャー…ライムさんに一歩も引かねえ!」

ハッコウシティ…ナンジャモさんの時とはまた違った盛り上がりを周囲から感じる。ぼくはどっちかと言えばこっちの方が性に合ってるかもしれない。

「セットリストはいよいよラスト!ハウって行くよ CLAP YOUR GHOST!」

場に残っているのはハカドッグとストリンダー…ライムさんがテラスタルを使ってくるとすれば…

「OK、マイメン!Let’s…テラスタル!」

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ストリンダーが黄昏のような輝きをまとい、ゴーストタイプへと変わる!

「だったらこっちも…ゼイユ!テラスタルだ!」

 

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「HAHAHA!いいねえ!アンタの魂、ビンビン感じたよ!」

強烈なハグと同時に、手の中にジムバッジが握らされる。

「気に入ったよ、アンタの気骨!大サービスだ!ついでにこれからライブ聞いていきな!特等席をくれてやるよ!」

ラップもライブも初めて触れるけど、すごく震える経験だった。これもきっと、いつかの宝物になるんだろう。

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   -つづく-

 

 


ジムテストはオープニングアクト、というのはそうですが、当然ながらネモは出てきません。7戦目イベでネモとのバトルがあったので、そっちに落とし込んでみました。多分本編ではお目にかかれない貴重なネモとのダブルバトルですw

しかしそろそろジム戦(ボス戦もだけど)の描写がワンパターン…いやまあフォーマットが一緒だからどうしてもねぇ…セリフのアレンジしたりとかでごまかしてるけど、あとこれ、ジムリとボスがもう一人ずつに加えて四天王もおるがやで…💧

ちなみにライム、学園にいる数学教諭のタイム先生の妹さんだとか。いや似てるけど…え、しかもタイム先生元ジムリ(いわタイプ)で妹に引き継がせたって?(授業イベより)

同じジムで代替わりして、担当するタイプが異なってもいいんだねぇ…ジムの代替わりだと、赤緑(FRLG)から金銀(HGSS)へのキョウ→アンズやサカキ→グリーンの例があるけど、後者がそれか。まぁグリーンの場合特定のタイプじゃなくてオールラウンドだけども。

さて、番外編をはさんで次回からはいよいよスターダスト★ストリート編のクライマックスへ!ネタバレ注意だぜ、諸氏!