『ふうん、そんなことがあったのねぇ…』
スター団に関する騒動とそのいきさつを聞いて、スマホロトムのモニター越しにゼイユが大きく息を吐いた。
『そういえば、昔イッシュにも似たようなのいたって聞いたわね。なんだっけ…プラズマ団とかそーいうの』
なんでも、ポケモンは人の手を離れるべきだという思想の元、人々からポケモンを奪い取り野生に返していくような団体だったらしい。…いやスター団と一緒にするにはちょっとヤバさが凄くない…?
『まぁ、結果的にはのちのイッシュチャンピオンがツブしたって話よ。ほら、似たような話でしょ?聞く限りスター団ってのも、あんたが潰したようなもんだし』
「いや潰れては無いからね?」
・
・
・
「そういえば、イッシュにもポケモンリーグってあるんだよね?」
『そりゃそうよ。まぁ、そっちみたいに学園ではチャレンジするかは任意だけどさ』
パルデアリーグと同じく8か所のジムを巡り、バッジを得て四天王、そしてチャンピオンに挑む流れは変わらないようだ。ジムチャレンジとかは無いようだけど。
『そっちの四天王ってどんなの?』
「ええと…チリちゃんって女の人と、アカデミーの教師も兼任してるハッサク先生、あとポピーって子」
そういえば、まだあと一人には会ったことないな…こんどチリちゃんさんあたりに会うことがあったら聞いてみようかな?
『ええっ、この子が!?めっちゃ小さいじゃん!ほんとにこんな子が四天王なの!?』
前にフリッジジムで撮った写真を見せると、ゼイユが心底驚いているようだった(ついでにいえばチリちゃんさんもぱっと見女性に見えなくて驚いていたけど)。
「まぁ、こっちの前チャンピオンも就任当時はチビッ子だったって聞いたことあるけど…ほぇー、才能ある子ってのはどこにでもいんのねぇ」
呆れたようにゼイユがボヤいた。
・
・
・
『そうそう、聞いた?今度ウチの学園とオレンジアカデミーで交換留学があるって話』
画面越しにぽにこと戯れていたゼイユがそんなこと言う。そうなの!?
『聞いてないの?まぁ、成績優秀者が行くって話だし…入学したばっかりのあんたが選ばれるかはわかんないけどねぇ』
「確かに…」
林間学校はくじ引きだったと聞くから、ほぼ運でゼイユたちと会えたけど…交換留学なんて選ばれるには相応の理由がいるだろう。仮に選ばれたとしても、ゼイユたちも選ばれてしまったら入れ違いになっちゃいそうだし…
『ん?ああ、あたしなら行かないわよ?』
「そうなの!?」
どうやら交換留学生を迎える側に選ばれたらしい。そっか…だったら今から頑張れば行けるかも?
『なぁに?あんた、そんなにあたしに会いたいワケ?』
「そりゃそうだよ!」
『ふぇっ…!?』
なぜかビックリされた。
「それに、スグリにも会いたいし、仲直り…っていうか、また会ってちゃんと話がしたいもの」
『あ、ああ…そっちね』
…ほかに何かあったっけ?
『なんもないわよ…』
頬を膨らませてそっぽをむくゼイユだった。
・
・
・
「そうだ、スグリは元気?」
『それが最近ほとんど顔合わせてなくてね…がんばってるんだろうけど、さすがに心配よ』
うーん、これはますます頑張らないとだ。
『そのためにはまず、そっちのリーグ制覇ね。あと1個なんでしょジムバッジ?』
「うん!がんばって交換留学行けるようにするからね!」
『…ふふっ、期待しないで待ってるわ』
ゼイユがふわりと手を振って見せた。
-つづく-
いよいよ配信日が確定したので後編「藍の円盤」にまつわる話を少々。前座でイッシュリーグについても触れていますが、BWシリーズは序盤触ったきりなのであんまり詳細はわかりません。なにせ続編もあるんで時系列が良く分かってない。
一応、BW2後想定で、アイリスが前チャンピオン、BW2主人公が現チャンピオン想定にはしてますが…さすがに後編DLCでイッシュリーグには挑めまい(それはそう
後編の情報はほぼ入れてない状態でコレを書いているので、なんか整合性つかない(ゼイユたちのイッシュリーグチャレンジの有無やスグリとの関係性等)があったら修正するかも。
スグリはイッシュリーグやってそうな気がしなくもないけど。
本編後日談でゼイユ&スグリとイッシュ地方を旅するネタもやってみたいなー。BW3?(あるかそんなん