「さぁて、第2ラウンドのゴングだぜ!」
威勢のいい啖呵とともに、リュウ…ゲキジャンパーが大地を蹴る。
肉迫する影、それをかわすメレ。すれ違いざまに走る右足。
「…っ!?」
顔を衝撃がかすめ、僅かに傷が刻まれる。
「…ヒューッ」
自分の想像以上に身体が動き、リュウが感嘆の口笛を鳴らした。
「…貴様ァ…」
ギリッ、とメレが歯噛みする。
「私のッ…顔にッ!」
異形の顔がさらに怒りに歪む。
「傷をつけたねッ!?」
口が大きく開き、舌槍が無数に飛ぶ。
「ハッ!」
(…見える)
連撃の如く放たれる槍を、苦も無く両拳でさばくリュウ。
「!?」
「ゲキワザ…」
驚くメレの隙を突き、右手に激気を纏う。
「突突掌(トツトツショウ)ッ!」
腹に強烈な掌底が叩き込まれ、メレの身体が虚空に舞う。
「続けて…弾弾脚ッ!!」
跳び蹴りが決まったと同時に、脚部に備わったジャッキユニットが作動し、衝撃をさらに加える。
「あうぅっ!!?」
地面に叩きつけられ、人の姿に戻るメレ。
「悪ぃね。手加減してられねえんだ。早いとこアイツらと合流せにゃならんでな」
「ぐ……くぅっ」
メレが必死の形相で睨みつける。
「……お、覚えてなさいよ!」
今にも噛み付きそうな勢いで吼えながら、メレが姿を消した。
「……ふぅ、消えてくれたか」
溜息混じりに、リュウが呟く。
「しかし…すげえなコレ。俺がモニターやってたときよかいろいろグレードアップしてるし」
「当たり前よ。常に改良は怠らないのが私たちのモットーだもの」
満足そうに、美希が笑った。
「さ、そんなことよりはやくあのコたちのところへ。その<ブーストジャッキ>を使えば調薬距離、高度共にアップするわ。場所はあのコたちのゲキチェンジャーをトレースして」
「OK、任せてよ」
仮面の向こうでウインクをひとつし、リュウがビルディングジャングルへと跳んだ。
-つづく-
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今回登場のゲキワザ・突突掌は、実はグラスホッパー拳のゲキワザではありません。
…まぁ、足技主体のグラスホッパー拳に掌底があるのも違和感ですがw
リュウとその兄弟弟子からなるトライアングルは、お互いのゲキワザをそれぞれ1つずつ伝授しあっている、という裏設定があり、それで他の技が使えるのです。
突突掌はライノセラスビートル拳。以前登場した「旋旋投」はスタッグビートル拳のゲキワザなのです。
http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=homurabe
↑web拍手です。ところで「シャッキンキーン」のどこに修業があるのか教えてください(何