炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ARCHAIC ACTION】シーン9

「さぁて、第2ラウンドのゴングだぜ!」
 威勢のいい啖呵とともに、リュウ…ゲキジャンパーが大地を蹴る。
 肉迫する影、それをかわすメレ。すれ違いざまに走る右足。
「…っ!?」
 顔を衝撃がかすめ、僅かに傷が刻まれる。
「…ヒューッ」
 自分の想像以上に身体が動き、リュウが感嘆の口笛を鳴らした。
「…貴様ァ…」
 ギリッ、とメレが歯噛みする。
「私のッ…顔にッ!」
 異形の顔がさらに怒りに歪む。
「傷をつけたねッ!?」
 口が大きく開き、舌槍が無数に飛ぶ。
「ハッ!」
(…見える)
 連撃の如く放たれる槍を、苦も無く両拳でさばくリュウ
「!?」
「ゲキワザ…」
 驚くメレの隙を突き、右手に激気を纏う。
「突突掌(トツトツショウ)ッ!」
 腹に強烈な掌底が叩き込まれ、メレの身体が虚空に舞う。
「続けて…弾弾脚ッ!!」
 跳び蹴りが決まったと同時に、脚部に備わったジャッキユニットが作動し、衝撃をさらに加える。
「あうぅっ!!?」
 地面に叩きつけられ、人の姿に戻るメレ。
「悪ぃね。手加減してられねえんだ。早いとこアイツらと合流せにゃならんでな」
「ぐ……くぅっ」
 メレが必死の形相で睨みつける。
「……お、覚えてなさいよ!」
 今にも噛み付きそうな勢いで吼えながら、メレが姿を消した。

「……ふぅ、消えてくれたか」
 溜息混じりに、リュウが呟く。
「しかし…すげえなコレ。俺がモニターやってたときよかいろいろグレードアップしてるし」
「当たり前よ。常に改良は怠らないのが私たちのモットーだもの」
 満足そうに、美希が笑った。
「さ、そんなことよりはやくあのコたちのところへ。その<ブーストジャッキ>を使えば調薬距離、高度共にアップするわ。場所はあのコたちのゲキチェンジャーをトレースして」
「OK、任せてよ」
 仮面の向こうでウインクをひとつし、リュウがビルディングジャングルへと跳んだ。


  -つづく-


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 今回登場のゲキワザ・突突掌は、実はグラスホッパー拳のゲキワザではありません。
 …まぁ、足技主体のグラスホッパー拳に掌底があるのも違和感ですがw
 リュウとその兄弟弟子からなるトライアングルは、お互いのゲキワザをそれぞれ1つずつ伝授しあっている、という裏設定があり、それで他の技が使えるのです。
 突突掌はライノセラスビートル拳。以前登場した「旋旋投」はスタッグビートル拳のゲキワザなのです。

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 ↑web拍手です。ところで「シャッキンキーン」のどこに修業があるのか教えてください(何