「聞いたわ、城の中で魔剣を見つけたんでしょう?」
ピーネが開いたお茶会の席で、フランが尋ねる。昨日、カッスルにその話をしたところ「詳しくは管理人に聞け」と言われたんだっけ。
フランに曰く、その剣の名は“魔剣デモンスレイン”。その名の通りデモンを滅するための剣として、200年前にグリモダールの領主によって作られた三至宝の一である。
当然、デモンたちがそんな剣の存在を許すわけもない。魔剣はデモン全員の魔力を以て、封印されたのだという。
「なるほど、どうりで触れても引っ張ってもびくともしなかったわけね」
いつのまにか加わっていたマイコがお茶をすすりながら呟いた。
「…あなたまで呼んだ覚えはないのだけれど」
「ピーネが呼んだんだもの」
なんか最近、この二人険悪だなぁ…
「…とにかく、あの剣は大天使ソルを止めるためには必須よ。まずはその封印を解くために、存在が分かっている10体のデモンを倒して鍵を集めて頂戴」
10体というと…既に僕たちが倒した5体の他に、あと5体か。
「はい。まずは昨日討伐をお願いした、雷のデモン・ユピテル…」
「それから、美のデモン・ヴィーナス、魔のデモン・アストロ」
まるで賞金首のように、手配書が並べられる。
「あとは、光のデモン・ウラヌスと、闇のデモン・プルトね」
・
・
・
「倒してこいって、簡単にいうけどねぇ…どこにいるかまでわかんないんじゃ片手落ちだわ」
ほぼほぼ城内だろう、とは言ってたけどね。まぁ、城の外と一緒さ。こうやってサークルを攻略していけば…って、言ってる側から!
「リーダー?」
流石に何度も同じことを繰り返してきただけあって、ただの魔物が出てくるかデモンが出てくるかが感覚的にわかるようになってきた。この感じは間違いなく後者…みんな、備えて!
「あはは、また面白いオモチャが来た…」
背中に巨大な太鼓を背負い、拘束具を纏った少女だ。
パリパリと、乾燥した空気が電光に弾ける。おそらくはプロメスが言っていた雷のデモン…!
「死ぬまで遊んであげるからね」
「っ下がって!」
強烈な雷撃を、寸でのところでビアンカのホーリーシールドが止めた。
・
・
・
「ふふふふ、すてき。今日のオモチャはぜんぜん壊れない…」
かなりのダメージを与えたはずなのに、デモンは表情一つ変えることなく…というか無表情のままケラケラと笑う。
「なら、もっと私を追い詰めて。とっておきの場所で殺すから…♪」
不穏な捨て台詞を残して、鬼女ユピテルは姿を消すのだった。
−つづく−
リプレイ風SSもいよいよ一月。こうやってみると短期間で密度の濃い冒険してますね、ゲイザー隊のみなさん…
冒頭のお茶会は、ピーネ絡みのイベントから。せっかくなのでフランの魔剣解説イベとマザルアップしました(ぇ
また本番に向けて、5日ほど特訓です👍