「…そう、本当の意味でクエーサーを倒すには、その方法しかないのね」
黄金の砂時計の力で過去に戻り、別の時間軸にいるクエーサーを倒す。
それを繰り返すことで、クエーサーの復活を可能な限り封じ込める。これがプロメスの提示した手段だ。
でも、そのためには…
「あなたは今いるここを去って、過去に戻らなければならない…」
そういうことになる。
「…でも、終わったら帰ってこれるんでしょう?」
まぁ…それは多分…?
「はっきりしないわねぇ…」
いやまあ、僕にとっても未知の領域だし。
「そりゃあそうだけど」
「…じゃあ、わたしたちにできるのは待つことね」
マイコは意外にも、どっしりと構えてそう言った。
「貴女…ずいぶんあっさりしてるわね。これが今生の別れになるかもしれないのに」
「あら、それはないわよ」
はっきり言うね…
「だってデモンゲイザーなんだもの。わたしが好きになった、あなたってひとは」
「まぁ、マイコが待つって言うのに、わたしが引き止めるわけにはいかないわね」
こっち来て、とフランの手招きに応じると、そっと抱きしめられる。
「過去に戻るのはいいけど、過去の私に浮気しちゃだめよ?」
いや浮気って…過去でもフランはフランだし、そう都合よく向こうが好きになるとも限らないよ?
「貴方を好きなのは、今ここにいる私だもの。りっぱな浮気よ。それに…私ならきっと何度だって、貴方を好きになるから」
…かもね。
「さぁ、これ以上は決めた心がブレちゃいそうだから…もう出発して」
うん。やることやったら、戻ってくるからさ。
「きっとよ」
「もう結婚式の招待状配ってるんだから。キャンセルさせたらひどいからね?」
僕は二人の目の前で、黄金の砂時計を傾けて…
・
・
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気がつくと、いつか僕が目覚めた、竜姫亭の地下にいた。
そこでローナに出会い、コメットを倒して魂を捕まえ…
フランと出会い、コメットの魂を鍵に変えてもらい…
もう一度、デモンゲイザーとしての戦いを始める。
『お父様!』
『おかえりなさい…というのは、少し違うのかもしれませんが。でも、おかえりなさい』
2階に上がるなり、クリスとクレアに出迎えられる。プロメスのいうとおり、僕の魔力で起動した二人は記憶も共有してついてきてくれたようだ。
他の仲間たち…ビアンカやノアル、オヤカタの姿はない。経験が蓄積されたことで、修行目的でここに来ていたビアンカは理由をなくし、あの二人は、珍しい武器などを探して旅をしていたらしいから、別の目的地に行っているのかもしれない。
覚悟はしていたが…やっぱり少し、寂しい。
マイコはどうなんだろう?ビアンカと同じく、力をつけるためにと言っていたし、彼女も…
「…とか思ってるんでしょ、リーダー?」
…えっ?
「このわたしが、あなたのことを忘れるなんて…」
…どうして…?
「そんなこと、絶対にないわよ」
ずっと見ていた笑顔が、そこにあった。
−Go to NEXT EXPLORE!!−
長々と続けてきましたが、「デモンゲイズエクストラ」のリプレイ風SSシリーズはここで一旦の幕引きとなります。
前々からRPGでリプレイ小説書きたい衝動に駆られていましたが、この作品がリリースされたのがいいきっかけになりましたねー。
次回は「デモンゲイズ2」でもやってみたいですね。他には世界樹の迷宮シリーズとかでも。
ゲーム上では、2周目開始時点でパーティメンバーそのまま竜姫亭にいるんですよね。記憶に関しては言及が(当然ながら)ないんですが、作劇上ここに来た理由がそれぞれあるんで、来ない理由もあるかなぁと2周目では一部変更して遊ぶ予定。
具体的にはノアルとビアンカを外して、エルフヒーラーとミグミィパラディン(!?)をIN。まぁ、2周目は書くつもりは無いんでまったりやります。他のリプレイ書きたいしw
マイコが記憶を保持してた理由については一応設定してますが、また機会があったら書きます(フラグ
改めて、最後までお付き合いありがとうございました!!