果たして流星がその場所にたどり着いたのは、インガとCD-S1のやり取りのおおよそ十数分後。
CD-S1から放出されるネガ・コズミックエナジーの反応を頼りに、到着した場所は町はずれの荒れ地であった。
「流星!」
「……インガ!」
メテオスターから降りた流星をインガが見つけ、ほどなくして流星もまたインガを視界に収める。
「大丈夫か?」
「ええ、かすり傷程度よ」
「そうか…… “ヤツ”は?」
インガの拘束を解くのも束の間、周囲にいるであろう敵を警戒する流星。
「今は少し離れているわ……あのね、流星」
「うん?」
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「……待っていたよ、リュウセイ・サクタ」
地を擦る足音に、流星たちが身構える。ゆるりと白衣の人影が二人の視界に入った。
「そしてここが、君の運命の墓場となる……!」
「そうして、お前は“お前”になれる、と?」
現れたCD-S1に言葉を投げかける。銀色の仮面がわずかに顔をしかめたように見えた。
「……聞いたのか」
「ああ」
互いにすり足で間合いを詰めていく。あと一息、突撃を仕掛ければ拳の届く……いわば制空圏に、二人が立った。
「悪いが、お前の身の上を聞いた程度で、俺の拳は揺るがん」
「それはそうさ……別に手加減してもらいたくて言った覚えもないしね」
二つのメテオドライバーが、起動する。
「俺を斃して何かを得ようと思うならやって見せろ! だが、俺はそうそう斃れんぞ!」
-METOR READY?-
「斃すさ……そして、ボクはボクを掴む!」
-metor ready?-
二人の腕が輪を描く。振り下ろされた掌がレバーをたたくと同時に、両者の頭上に陰と陽のコズミックエナジーが降り注いだ。
――変身!!!
向かい合う、二人のメテオ。
「仮面ライダーメテオ……」
アシンメトリーの容姿が、鏡合わせのように重なった刹那――
二人の拳が、交差する。
「お前の運命は……」
「ボクが決める……っ!」
二人のメテオの……あるいは、もう一人の自分自身との……闘いが始まった。
-つづく-
新年初SSです。書初めというやつですね(何
日記すらやってませんが、この場を借りてあけましておめでとうございます。
さて、
いよいよメテオVSメテオЯの本格的な激突と相成ります。
いわゆるニセライダー、ダークライダーを書くのは、この「メテオ」が初っちゃ初ですかね。
とはいえ、その出自からして一筋縄ではいかないメテオЯことCD-S1。どうなってしまうのか……お楽しみにくださいまし。