炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン7【スピンオフ】




 果たして流星がその場所にたどり着いたのは、インガとCD-S1のやり取りのおおよそ十数分後。
 CD-S1から放出されるネガ・コズミックエナジーの反応を頼りに、到着した場所は町はずれの荒れ地であった。

「流星!」
「……インガ!」

 メテオスターから降りた流星をインガが見つけ、ほどなくして流星もまたインガを視界に収める。
「大丈夫か?」
「ええ、かすり傷程度よ」
「そうか…… “ヤツ”は?」
 インガの拘束を解くのも束の間、周囲にいるであろう敵を警戒する流星。

「今は少し離れているわ……あのね、流星」
「うん?」

 ・
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「……待っていたよ、リュウセイ・サクタ」

 地を擦る足音に、流星たちが身構える。ゆるりと白衣の人影が二人の視界に入った。

「そしてここが、君の運命の墓場となる……!」
「そうして、お前は“お前”になれる、と?」

 現れたCD-S1に言葉を投げかける。銀色の仮面がわずかに顔をしかめたように見えた。

「……聞いたのか」
「ああ」

 互いにすり足で間合いを詰めていく。あと一息、突撃を仕掛ければ拳の届く……いわば制空圏に、二人が立った。

「悪いが、お前の身の上を聞いた程度で、俺の拳は揺るがん」
「それはそうさ……別に手加減してもらいたくて言った覚えもないしね」

 二つのメテオドライバーが、起動する。

「俺を斃して何かを得ようと思うならやって見せろ! だが、俺はそうそう斃れんぞ!」


  -METOR READY?-


「斃すさ……そして、ボクはボクを掴む!」


  -metor ready?-


 二人の腕が輪を描く。振り下ろされた掌がレバーをたたくと同時に、両者の頭上に陰と陽のコズミックエナジーが降り注いだ。


 ――変身!!!


 向かい合う、二人のメテオ。




 アシンメトリーの容姿が、鏡合わせのように重なった刹那――

 二人の拳が、交差する。

「お前の運命は……」
「ボクが決める……っ!」


 二人のメテオの……あるいは、もう一人の自分自身との……闘いが始まった。



   -つづく-





 新年初SSです。書初めというやつですね(何

 日記すらやってませんが、この場を借りてあけましておめでとうございます。


 さて、
 いよいよメテオVSメテオЯの本格的な激突と相成ります。
 いわゆるニセライダー、ダークライダーを書くのは、この「メテオ」が初っちゃ初ですかね。
 とはいえ、その出自からして一筋縄ではいかないメテオЯことCD-S1。どうなってしまうのか……お楽しみにくださいまし。