炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【スピンオフ】仮面ライダーメテオ【フォーゼ】

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン10【スピンオフ】

異形へと変貌したアカツキ……アスクレピオス・ゾディアーツが、大きく深呼吸し、両腕の感触を確かめるようにかるく振り下ろす。 それだけで漂うネガ・コズミックエナジーが渦巻き、マスクの割れた流星の素肌にピリピリと厭な感触を与えた。 「ふぅむ……シミュ…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン9【スピンオフ】

「あ……」 眼前で、タチバナの身体が音もなく崩れ落ちる。抱きとめる流星の視線の向こうには、ブラスターを構えた男の姿。 「ミスタ・アカツキ、貴方……っ」 呆然とインガが男の名を呼ぶ。今回の事件において流星たちをサポートしていたその男は、財団Xの構成…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン8【スピンオフ】

「――ッ!」 「ホワチャアッ!」 空を切る拳。そして足刀。 互いに猛る怪鳥が如き雄叫びが、傍観者に徹するインガの耳朶を震わせる。 -saturn ready?- メテオ・Яが土星の戦輪を放つ。それに対し、メテオが選んだのは火星の壊撃。 -O.K.M…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン7【スピンオフ】

果たして流星がその場所にたどり着いたのは、インガとCD-S1のやり取りのおおよそ十数分後。 CD-S1から放出されるネガ・コズミックエナジーの反応を頼りに、到着した場所は町はずれの荒れ地であった。 「流星!」 「……インガ!」 メテオスターから…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン6【スピンオフ】

ゆっくりと意識が浮上していく。次第に明るくなるインガの視界がとらえたのは、漆黒のメテオの姿であった。 「やあ。お目覚めのようだね。ミズ・ブリンク」 「貴方……ッ」 身じろぎしたインガは、自身が拘束されていることに気付く。焦る彼女を尻目にメテオ…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン5【スピンオフ】

「大丈夫だったかね? リュウセイ君、それに……インガ」 黒塗りのバンからとある邸宅に移された流星とインガは、案内された客間で、彼らを救ったバンの運転手の顔をようやくまともに見ることができた。 「あなたは……ミスタ・アカツキ?」 インガにとっては、…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン4【スピンオフ】

拳が、蹴りが、互いにぶつかり合う。 星心大輪拳らしきジークンドーを繰り出す黒いメテオのシルエットは、腰のドライバーを含め、その全てが流星の変身したメテオとは左右対称であった。 「まるで……合わせ鏡ね」 その体裁きすら流星と鏡写しで、インガは人知…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン3【スピンオフ】

「ホワチャアッ!」 仮面ライダーメテオに転じた流星が、100人組み手よろしく星の魔人と対峙して退治する。 星心大輪拳の技が、流星の、メテオの心と身体を通じ、次々に叩きのめしていくのだ。 「っ!」 突進してくる巨体。鋼のボディを持つドラゴン・ゾ…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン2【スピンオフ】

果たしてアリシア連邦の空港に降り立つ流星の姿があった。 空気の匂いも、肌をなでる少し冷たい風も、生まれ育った日本とも、ようやく慣れてきたフランスのそれとも違う。異国に来たことを改めて実感する流星である。 「さて……インターポールからの助っ人が…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/シーン1【スピンオフ】

――これが、これまでの「仮面ライダーメテオ」―― 仮面ライダーメテオ=<朔田流星>は、かつて<反ゾディアーツ同盟>とよばれる組織に属していたエージェントであった。 その正体は誰にも知られてはならず、そして流星自身の目的もあり、同じくゾディアーツ…

【フォーゼSS】仮面ライダーメテオ/プロローグ【スピンオフ】

閑静な住宅街に、黒山の人だかりが出現する。 しかし、行きかうものたちは誰も彼も、ヒトの姿を成してはいない。 「ダスタードに……ゾディアーツまで。よくもコレだけの数が集まったものだ」 一人だけ、同じく黒衣ながら佇まいを意にする者が群れを一瞥し、呟…