広大な宇宙空間にある美しい惑星――<バード星>は、宇宙の正義と秩序を守る<銀河連邦警察>の本部が置かれている。
その最高責任者であるコム長官は、ある特命を配下である宇宙刑事に託す……。
その名は、<ギャバン>。
バード星人の父と地球人の母を持つ、有能な宇宙刑事である。
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ギャバンが駆る、超次元高速機ドルギラン。そのメインブリッジで、コム長官からの通信が開かれた。
『ギャバン、ドルギランの調子はどうだ?』
「はい! 奴との戦いで傷ついたドルギランも、ようやく修理が完了しました。改めて……宇宙刑事ギャバン! これより、地球地区担当の任務に就きます!」
もともと地球地区への派遣は数か月前に下りていた辞令であったが、直前のアクシデントでドルギランは大破、彼の愛用するコンバットスーツもオーバーホールが必要なまでに傷ついてしまい、今の今までそのメンテナンスに当たっていたのだ。
『うむ……ギャバン、言っておきたいことがある。地球という星では、<ハンターキラー>と名乗る男に気をつけろ!』
その人物は、もと宇宙刑事ながら銀河連邦警察を裏切り、宇宙犯罪組織マクーのメンバーになっているのだという。
「あの星は、母の故郷でもあります。マクーの勝手にはさせません!」
『油断するな! それと、未確認情報ではあるが……』
コム長官が、傍らの秘書官マリーンを促す。うなづいた美人秘書は神妙な面持ちでギャバンにある情報を告げた。
『先日あなたと戦った、戦闘船団国家ナガー幹部……あの戦い以来、行方がつかめていませんでしたが、地球圏での目撃情報をキャッチしました』
「なんだって?」
文字通りの死闘を繰り広げたあの漆黒の甲冑姿を、ギャバンは脳裏によみがえらせる。てっきりあの戦いで倒していたものだと思っていたのだが……
『詳細はこちらで調査後、追って連絡する。今はマクー討伐に意識を向けてくれたまえ』
「わかりました」
『幸運を祈ります、ギャバン……』
「ありがとう、マリーン!」
マリーンの言葉に笑顔で応え、通信を切る。コンソールに掛けてあったロケットペンダントの中の両親の写真に健闘を誓い、ギャバンは地球に向け、ドルギランのワープ航行を起動させる。
ドルギランのエンジンと、ギャバンの胸のエンジンが熱く、熱く動き出した。
スーパー特撮大戦200X/CRISES_OF_NAAGER
ゲームでは7話に相当します。
これは前回にも言いましたが、ゲーム版5話及び6話があんまり主人公勢が強くかかわらないため。
まぁそれ言いだすと大半の原作再現回がそうなるし、そうならないようなノベライズをしろよとも突っ込まれそうですがまあそれはそれで(ぇ
バイオ編ではギャバン&マクーの顔見せ回程度の扱いしかありませんが、メタル編では最序盤でカチ合ったり、主人公がもともといた組織が常から銀河連邦警察にマークされている……など、因縁には事欠かない相手(それだけにゲームでの絡みが薄いのが残念)。
さて
このシーン、一部を除いておおむねテレビシリーズ第1話のギャバン初登場シーンの再現。
原作ではこの後マクーの戦闘円盤に襲われますがしれっと返り討ちにしてました。
さらにその後、密航してきたミミーとの会話もありますが、これ以上原作ネタ書き込んでもアレなのでスパッと割愛(ひどい
とはいえ、ミミー自体が出て来ないわけじゃないのでそのへんはどうぞお楽しみに。