炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【クロスオーバー】アギト×イナズマン

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン7

「ガルゥッ!」 男が変化した異形が、雄叫びを上げる。野性のまま猛るそのさまは、力強さを感じた。 (あれは……あの力は何だ? 俺と同じミュータント…? それとも…) その特異な力に疑問を覚えるサナギマン…五郎。 「ン……ア……ギル…ス…」 トンボの怪人が唸り…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン6

「―――!?」 走る五郎の視線が、人影を捕らえる。外回りの会社員だろうか、何事も無く平穏に歩いていた。 ふと、その男が走り抜ける五郎を目で追い…振り返る。と、その体が、ぐらりと傾いた。 「なっ!?」 足を止める五郎の眼前で体が、へその辺りで真っ二…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン5

都内某所にある、警察病院。 その一室にて、窓越しに外を眺める青年の姿があった。 「……何かが、目覚めたようです」 「何…か?」 呟いた青年の背後で、執事のように佇む男が問いかける。 「アギトとも…ギルスともちがう。だが、あの“力”を継いでいる可能性の…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン4

「…思わず力を使ってしまったが……」 咄嗟に発動した<逆転チェスト>で跳ね返した銃弾をまともに受けてしまったG3-Xを思い出し、その身を案じる五郎。 「それにしてもあれは……機械の鎧のようでもあったが…?」 長い月日がもたらしたテクノロジーの発達に…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン3

―――警視庁・未確認生命体対策班<SAUL> 現代の持ちうる総ての科学技術。その粋と言うべき、人類の守護者。対未確認生命体用強化服<G3-X>。 その装着員である氷川誠は、眼前の異形……イナズマンを眼部・レッドアイザー越しににらみ付けた。 「そん…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン2

「はぁっ!」 両足で地面を蹴り、イナズマンが跳ぶ。 「いくぞ、チェスト!」 サナギマンのときとは異なる軽やかな動きで、怪人を翻弄し、突きを、蹴りを見舞う。 と、最後に繰り出した手刀が、怪人の双剣に阻まれ、そのまま返す刃がイナズマンを狙った。 「…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/シーン1

「……」 怪人は、相手の姿を一瞥し、困惑しているようだった。 「アギ…ト…? ギ…ルス……?」 「? 何を言っている?」 唸るような呟き声を発する怪人に、いぶかしげな視線を向けるサナギマン。 「グゥ……」 怪人が、思考を振り切るかのように頭をぶんぶんと振る…

【アギト×イナズマン】Fight for FREEDOM/アバンタイトル

どこかで、竜巻が生まれた。 それは、小さくはあったが、強烈な力を伴い…進行方向に根ざすすべてをなぎ払っていった。 その中にあった、雑木林。 自然の驚異は容赦なくそこに襲い掛かり…… 地面を、木々をズタズタに切り裂く。 やがて…林の中心部に進んだ竜巻…